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四季折々 意味 語源 由来 使い方 例文 英語

 

「四季折々」という四字熟語をご存知でしょうか?

旅行雑誌などでよく使われるため、一度は聞いたことがある人も多いかもしれません。ただ、具体的にどのような意味を持つのか分かりにくい言葉でもあります。

そこで本記事では、「四季折々」の意味や由来、英語などを含めなるべく簡単に解説しました。

四季折々の意味・読み方

 

まず、「四季折々」の意味を辞書で引いてみます。

【四季折々(しきおりおり)】

春夏秋冬のその時その時。四季それぞれがもつ情趣や産物などについて用いられることが多い。

出典:実用日本語表現辞典

四季折々」は「しきおりおり」と読みます。意味は「春夏秋冬のその時々」を表したものです。

すべての季節を表すというわけではなく、春なら春、夏なら夏などのようにそれぞれの季節を指す際に使われます。

例えば、「四季折々の景色」であれば「春は桜」「夏は新緑」「秋は紅葉」「冬は雪山」などが見れる景色といった意味になります。また、「四季折々の料理」であれば、それぞれの季節の旬の食材が食べられる料理という意味になります。

このように、四季それぞれが持つ情趣や産物などを表す際に使われる四字熟語が「四季折々」ということです。「情趣(じょうしゅ)」とは「しみじみとした気分やおもむき」、「産物」とは 「その土地で生まれる物品」を指します。

四季折々の語源・由来

 

「四季折々」は、「四季」と「折々」から成る四字熟語です。

まず「四季」とは「春・夏・秋・冬の四つの季節」を指します。そして、「折々」とは「その時その時」という意味です。

両者を合わせることで、「4つの季節のその時その時」⇒「春夏秋冬のその時々」という意味になるわけです。

日本は諸外国と比べても、四季がはっきりとしています。そして、昔から四季を愛することで文化や経済を発展させてきました。「四季折々」はそのような日本の歴史や伝統が含まれた四字熟語ということになります。

なお、「折々」には「時々・だんだん・徐々に」などの意味もありますが、この意味の場合は副詞としての用例です。「四季折々」の場合は、「その時その時」という名詞としての意味となります。

四季折々の類義語

四季折々 類義語 言い換え 同義語

 

続いて、「四季折々」の類義語を紹介します。

春夏秋冬(しゅんかしゅうとう)】⇒春・夏・秋・冬の総称。転じて、その一年間を指すこともある。
季節季節(きせつきせつ)】⇒それぞれの季節を表した四字熟語。「季節季節に~」などのように用いる。

「春夏秋冬」は4つの季節を総称した四字熟語です。主に音楽のタイトル名や歌詞の一部として用いられます。

「春夏秋冬」は「四季折々」のように「その時その時」というニュアンスまでは含まれていません。そのため、四季それぞれの産物を表すような場面では基本的に使われないです。

また、「季節季節」もそれぞれの季節を表す四字熟語として使うことができます。使い方としては、「季節季節に」などのように副詞的に用いるのが特徴です。

ただ、「四季折々」ほど「その時その時」というニュアンスが含まれている四字熟語ではありません。「四季のその時々」という意味で使う際は、やはり「四季折々」を使うことを推奨します。

四季折々の英語訳

 

「四季折々」は、英語だと次のように言います。

 

①「of each season」(それぞれの季節の)

②「season by season」(季節ごとに)

③「from season to season」(季節から季節まで)

 

①の「of」は「~の」、「each」は「それぞれの」、「season」は「季節」という意味です。合わせることで、「それぞれの季節の」という訳になります。

また、②の「by」は前置詞で「~ずつ」という同じ語句を反復させる意味を表しています。「one by one(一つずつ)」「step by step(一歩ずつ)」「year by year(年々)」などの熟語と同じ使い方です。

③は「from A to B」(AからBまで)という熟語の一種と考えればよいでしょう。

例文だと、それぞれ次のような言い方となります。

This room has a wonderful view of each season.(この部屋からは四季折々の素晴らしい景色が見れる)

You can enjoy delicious food season by season at this hotel.(このホテルでは季節ごとにおいしい料理が楽しめる。)

Various flowers bloom from season to season here.(ここでは、四季折々さまざまな花が咲き乱れる。)

四季折々の使い方・例文

 

最後に、「四季折々」の使い方を例文で紹介しておきます。

 

  1. この山の頂上付近は、四季折々の景色が眺められる場所として有名です。
  2. あそこのレストランは四季折々の旬な食材を使っているので人気がある。
  3. 先日、初の海外旅行に行き、四季折々の美しい景色を眺めることができました。
  4. 彼女の家の花壇には四季折々の花が植えられており、いつみても華やかである。
  5. 私の実家は田舎ですが、大自然の中なので四季折々の風景を楽しむことができます。
  6. 四季折々の自然を楽しむことのできる公園なので、家族みんなでぜひお越しください。

 

「四季折々」は、「季節のその時その時」を表す四字熟語ということでした。例えば、春なら春らしい景色、夏なら夏らしい食べ物といったものです。

ただ、一般にはその中でも自然の景色に対して使われることが多いです。特に、はるか遠くから眺める美しい風景や色とりどりの美しい花々を形容するような際によく使われます。

「四季折々」を使うだけで、文書が情緒的になり風情を感じさせることができます。旅行や観光などの場面に限らず、普段の文章でも使うことができますのでぜひ使ってみてください。

まとめ

 

以上、本記事のまとめとなります。

四季折々」=春夏秋冬のその時々。

語源・由来」=「四季」は「四つの季節」、「折々」は「その時その時」。

類義語」=「春夏秋冬・季節季節」

英語訳」=「of each season」「season by season」「from season to season」

四季を味わったり感じたりするのは、日本人特有の感覚です。これを機に「四季折々」の正しい使い方を理解して頂ければと思います。

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国語力アップ.com管理人

大学卒業後、国語の講師・添削員として就職。その後、WEBライターとして独立し、現在は主に言葉の意味について記事を執筆中。 【保有資格】⇒漢字検定1級・英語検定準1級・宅地建物取引士など。