桜花爛漫 読み方 意味 使い方類語 英語

「桜花爛漫」という四字熟語をご存知でしょうか?ビジネスにおいては、時候の挨拶文の中でよく用いられているものです。

ただ、具体的にどのような場面で使うのか?また、いつ頃使うべきなのかといった疑問があります。

そこで本記事では、「桜花爛漫」の意味や読み方、語源、反対語などを含め詳しく解説しました。

桜花爛漫の意味・読み方

 

最初に、「桜花爛漫」の意味を辞典で引いてみます。

【桜花爛漫(おうからんまん)】

満開の桜の花が、みごとに咲き乱れているさま。また、非常に明るく華やかなさま。

出典:学研 四字熟語辞典

桜花爛漫」は「おうからんまん」と読みます。

意味は、「満開の桜の花が、みごとに咲き乱れている様子」のことです。そこから転じて「非常に明るく華やかなさま」という意味で用いられることもあります。

「桜花爛漫」は、単に桜が咲いている様子を表す四字熟語ではありません。すべての桜の花が咲き、満開になった時に初めて使われるものです。

日本の桜が満開になる時期は、場所やその年によっても異なります。例えば、東京における近年の桜の満開状況は次のようになっています。

  • 2021年⇒3月23日に満開
  • 2020年⇒3月22日に満開
  • 2019年⇒3月37日に満開

その他には東北地方は4月上旬から、北海道は4月下旬に満開になる傾向があります。一部例外としては、沖縄は日本で最も満開になる時期が早く、1月には開花し、2月の上旬にはすでに満開になります。

ただ、日本全体で考えるなら、一般に3月中旬~4月上旬頃に満開を迎えることが多いです。したがって、この四字熟語を使う適切な時期としては3月もしくは4月であると言えます。

桜花爛漫の語源・由来

 

「桜花爛漫」は「桜花」と「爛漫」から成る四字熟語です。

まず、「桜花」とは文字通り「桜の花」を意味します。「桜」は正式名称だとバラ科サクラ属の落葉高木を指し、その高木に咲く花のことを「桜花」と言います。

そして、「爛漫」とは「光り輝くさま」を表した言葉です。

」という字は「輝く・鮮やか・華やか」などの意味があります。そして、「漫」という字は「広く行き渡る・一面に満ちて覆う」という意味があります。そのため、「爛漫」は「光り輝く姿が一面に広がる様子」を表すということです。

以上の事から考えますと、「桜花爛漫」は「桜の花が一面に光り輝く様子」を表す四字熟語であることが分かります。転じて、「満開の桜がみごとに咲き乱れているさま」という意味になるわけです。

桜花爛漫の類義語

桜花爛漫 類義語 言い換え 同義語 反対語

「桜花爛漫」の「類義語」は以下の通りです。

百花繚乱(ひゃっかりょうらん)】⇒ 色々な花が咲き乱れること。転じて、すぐれた人物や業績が数多く表れること。「百花」は「たくさんの花」、「繚乱」は「花が咲き乱れる様子」を表す。
千紫万紅(せんしばんこう)】⇒色とりどりの花が咲き乱れている様子。また、色鮮やかな様子。「紫」や「紅」など色鮮やかな色が千か万ほど(たくさん)存在することから。
百花斉放(ひゃっかせいほう)】⇒様々な花が一斉に咲き開くこと。転じて、学問や文化、芸術活動などが活発に行われること。
花紅柳緑(かこうりゅうりょく)】⇒春の美しい景色。また、色とりどりの華やかな装い。花は紅色、柳は緑色であることから。

「桜花爛漫」を言い換えた言葉はいくつかありますが、全く同じ意味の言葉(同義語)というのは存在しないです。

例えば、「百花繚乱」や「千紫万紅」などは、咲く花が「桜」に限定されません。タンポポやチューリップ、ラベンダーなど様々な種類の花が咲き乱れるような場合に使います。

また、「百花斉放」は「花が咲き乱れる満開な状態」というよりは「咲き始めの開花の状態」を表したものです。最後の「花紅柳緑」は、花だけでなく柳など緑の植物も含まれるという点が異なります。

桜花爛漫の対義語

 

「桜花爛漫」の「対義語」としては次の四字熟語が挙げられます。

諸行無常(しょぎょうむじょう)】⇒この世のすべてのものは移り変わっていき、不変なものはないこと。仏教の「三法律印」と呼ばれる考え方から。
盛者必衰(じょうしゃひっすい)】⇒勢い盛んな者もいつかは衰えて滅びること。「諸行無常」と同じく、仏教を由来とする言葉。

「桜花爛漫」の全くの反対語と呼ばれるものはありません。しいて挙げるならば、上記のような「不変なものはない・滅びないものはない」といった意味を持つ四字熟語となります。

一般的な表現で言えば、「桜が散る・花が散る」といった意味を持つ言葉が対義語だと考えてよいでしょう。

桜花爛漫の英語訳

 

「桜花爛漫」は、英語だと次のように言います。

the cherry blossoms are in full bloom」(桜の花が満開に咲いた状態)

「cherry」は「桜」 、「blossom」は「(果樹などの)花」を意味する単語です。そして、「full」は「一杯の・満ちた」、「bloom」は「開花」という意味です。

これらの単語を合わせることで、「桜の花が一杯に開花した状態」と訳すことができます。「in」はここでは「状態」を表す前置詞として用いられています。

例文だと、それぞれ以下のような言い方です。

I’m glad that the cherry blossoms are in full bloom.(桜が満開になって嬉しいです。)

This year is also the season when the cherry blossoms are in full bloom.(今年も桜が満開になる季節がやって来た。)

桜花爛漫の使い方・例文

 

最後に、「桜花爛漫」の使い方を例文で紹介しておきます。

  1. 3月も終わりなので、いよいよ桜花爛漫の時期が到来しますね。
  2. 明日は桜花爛漫の景色をこのカメラにしっかりと収めるつもりです。
  3. 桜花爛漫の中、友人とピクニックをしたので、非常に心地よかったです。
  4. 来週はいよいよ入学式です。それまでには桜花爛漫になっているといいのですが。
  5. 拝啓、桜花爛漫の季節となりましたが、皆様はいかがお過ごしでしょうか?
  6. 拝啓、桜花爛漫の好季を迎えましたが、お健やかにお過ごしのこととお喜び申し上げます。
  7. 拝啓、桜花爛漫の候、貴社におかれましてはますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

 

「桜花爛漫」は、主に3月下旬~4月上旬に使われる四字熟語ということでした。

したがって、入学式や桜の花見などにおいては比較的使いやすいものだと言えます。特に入学式は華やかなイベントなので、それに合わせて桜が開花した様子を伝える用例は適しています。

また、時候の挨拶文としてもよく使われるのが「桜花爛漫」の大きな特徴です。時候の挨拶文として用いる場合は、頭に「拝啓」という言葉を付け、その後に挨拶文を書きます。

ビジネス文書などでは、日頃の感謝や相手の繁栄などを喜び、文書を書くことが多いです。「桜花爛漫」は春という季節を象徴する華やかな意味を持つ四字熟語なので、桜が満開になった地域ではよく使われます。

まとめ

 

以上、本記事のまとめです。

桜花爛漫」=満開の桜の花が、みごとに咲き乱れている様子

語源・由来」=桜の花が一面に光り輝く様子から。

類義語」=「百花繚乱千紫万紅 百花斉放 花紅柳緑」

対義語」=「諸行無常・盛者必衰」「桜が散る・花が散る」

英語訳」=「the cherry blossoms are in full bloom」

「桜花爛漫」は「桜」という言葉が含まれているように、「春」を象徴する四字熟語です。そのため、時候の挨拶文として使うことができます。ぜひこれを機に実際の文章で使用してみてください。