赤ちゃんや幼い子供に対して使う言葉があります。
一般的には、
「純真無垢な目」「純真無垢な心」
などと言いますね。
よく使われる四字熟語なので、
聞いたことがある人も多いでしょう。
しかし、
正確な使い方まで把握している人は
少ないのではないでしょうか?
そこで今回は、
「純真無垢」の意味・類語・使い方など
を詳しく解説していきたいと思います。
では、さっそく確認していきましょう。
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純真無垢の意味・読み方
まずは、基本的な意味と読み方です。
【純真無垢(じゅんしんむく)】
⇒清らかでけがれを知らず、心に邪心がまったくないこと。また、そのさま。
出典:デジタル大辞泉(小学館)
「純真無垢(じゅんしんむく)」とは、
「心が清らかで汚れのないこと」を言います。
使い方としては、以下の通りです。
姉に赤ちゃんが生まれたので会いに行ったよ。本当に純粋無垢な目だった。
「赤ちゃん」という生き物は、
当然ながら心がまっすぐで純粋です。
そして、「邪心」が一切ありませんよね。
このように、
「悪い気持ちが一切なく、心がきれいな様子」を
「純真無垢」と言うわけです。
多くは、赤ちゃんや若い女性などを対象とします。
ちなみに、
「純真」を「純心」と書くのは誤りです。
これはよく間違える人が多いので気を付けて下さい。
純真無垢の語源
次に、この言葉の語源を確認していきましょう。
まず「純真」は、「純粋で真っすぐ」と書くので、
「心が汚れていない様子」を表します。
そして、「無垢」は仏教用語で
「精神を乱すような煩悩や執着がない様子」という意味です。
元々、仏教では食べ物の欲や色欲が強いことを
「垢(あか)」に例えていました。
この垢を無いと否定するので、
「余計な欲がない」=「煩悩や執着がない」という意味になるのです。
以上のことから、
「純真無垢」は「心が汚れていなく、余計な煩悩や執着がないこと」
という意味になるのが分かるかと思います。
ここから現在の、「心が清らかで汚れていない」
という意味になるわけですね。
比較して分かるように、
「純真」も「無垢」も同じような意味を持った言葉です。
このように、
似た意味の語を重ねて強調するのは、
よくある四字熟語と言えるでしょう。
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純真無垢の類語
続いて、
「純真無垢」の「類語」を紹介します。
【純情可憐(じゅんじょうかれん)】
⇒汚れがなく、いとおしいさま。
「純情」は「きれいな心」
「可憐」は「いじらしくかわいらしい」という意味です。
【清浄無垢(せいじょうむく)】
⇒清らかで、汚れのないさま。
「清浄」は、「心が清く洗われてること」を意味します。
【純粋無垢(じゅんすいむく)】
⇒邪心がなく、清らかなさま。
※「純真無垢」とほぼ同じ意味だと思ってください。
【天真爛漫(てんしんらんまん)】
⇒明るく純真で無邪気なさま。
「天真」は「純粋な性格」
「爛漫」は「輝き現れる様子」を表します。
【天衣無縫(てんいむほう)】
⇒飾り気がなく、純真で無邪気な様子。
「天衣」は「天女の着物」
「無縫」は「着物に縫い目が無いこと」を言います。
いずれも共通しているのは、
「汚れがない・無邪気」といったことですね。
「純真無垢」は、「邪心がない」
という意味を強調した四字熟語でした。
したがって、
「やましくない」という意味の言葉が類語となるわけです。
この中では、「純粋無垢」が「同義語」ですが、
実際には「純真無垢」を使うことの方が圧倒的に多いです。
純真無垢の対義語
逆に、「純真無垢」の
「対義語」としては何があるでしょうか?
結論から言うと、
四字熟語自体の「対義語」はありません。
ただし、
「純真」と「無垢」、それぞれの対義語は存在します。
まず、「純真」の対義語としては、
- 「不純(ふじゅん)」
- 「邪心(じゃしん)」
- 「不浄(ふじょう)」
- 「不透明(ふとうめい)」
などが挙げられます。
これらは、
純粋な物の中に何かしらまずい物が混ざっている時
に使われる言葉です。
一方で、「無垢」の対義語としては
- 「煩悩(ぼんのう)」
- 「邪念(じゃねん)」
- 「欲心(よくしん)」
- 「色欲(しきよく)」
などが挙げられます。
「無垢」は仏教用語なので、
雑念や欲などを強調した言葉が「反対語」となりますね。
純真無垢の英語
続いて、英語訳です。
「純真無垢」は、「英語」だと次のように言います。
「pure(純粋な・きれいな)」
「innocent(無邪気な・汚れのない)」
「ピュア」という言葉は、
日常生活でもよく使うのではないでしょうか?
「イノセント」はそこまで使いませんが、
こちらも同じような意味ですね。
例文だと、それぞれ以下のような言い方です。
She has a pure mind.(彼女は純真無垢である。)
The children are innocent.(子供たちは純真無垢である。)
※場合によっては、「pure and innocent」と合わせて
言うこともあるので覚えておくとよいです。
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純真無垢の使い方・例文
では、最後に「純真無垢」の
使い方を例文で紹介しておきます。
-
- 彼女は純真無垢で、少女のような一面を持っているね。
- 彼女の純真無垢のような笑顔に癒されます。
- 時として純真無垢な言葉が、人に響くこともある。
- 犬と接するときは、純真無垢な気持ちになることが大事だ。
- 純真無垢の小学生には、見せてはいけない映画だ。
- 彼は純真無垢で少年のような所があるね。もう少し大人にならないと。
「純真無垢」は、原則として
「良い意味で使う言葉」と考えてください。
ただし、場合によっては
否定的な意味で使うこともあります。
例えば、最後の例文です。
この場合は、
相手の「幼稚さ」「子供っぽさ」を
皮肉った表現となっています。
このように、男性に対して使う場合(特に成人した男性)は
必ずしも良い意味にはならないので注意が必要です。
基本的には、
「幼い子供」や「かわいらしい女性」などに使う言葉
と覚えておきましょう。
まとめ
以上、今回の記事のまとめです。
「純真無垢」=心が清らかで汚れのないこと。邪心が全くない様子。
「語源」=「純粋真っすぐで、余計な煩悩がないこと」から。
「類語」=「純情可憐・清浄無垢・純粋無垢・天真爛漫」など。
「英語」=「pure」「innocent」
ピュアな心を持った人は、尊くてすばらしいものです。
しかし、どう表現すればよいか迷うということもあるでしょう。
そんな時は、相手へのほめ言葉として
「純真無垢」を使ってみてはどうでしょうか?
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国語力アップ.com管理人
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