人の気持ちや望みを表す四字熟語があります。
よくある言い方が、
「気宇壮大な夢」「気宇壮大な計画」などですね。
最近では、習字のタイトルとしてもよく使われているようです。
何となく知っていそうですが、
具体的な使い方までは知らない言葉。
今回はそんな、
「気宇壮大」について詳しく解説しました。
スポンサーリンク
気宇壮大の意味・読み方
まずは、基本的な意味と読み方です。
【気宇壮大(きうそうだい)】
⇒心意気がよく度量の広いこと。構想などが大きく立派であること。また、そのさま。
出典:デジタル大辞泉(小学館)
「気宇壮大」は、「きうそうだい」と読みます。
まれに「きう」を「けう」と読んでしまう人がいますので、
そこだけ気を付けて下ださい。
意味としては、
「心意気がよく度量の広いこと。構想が大きいこと」などを言います。
「心意気(こころいき)」とは、
「物事をしようとするときの心の持ち方」、
また、「度量(どりょう)とは、
「心の広さ・心の大きさ」を表します。
つまり、
「物事に取り組む時の心が広いこと」を「気宇壮大」と言うわけですね。
主な使い方としては、次の通りです。
彼は気宇壮大な夢を描く野球少年である。将来は大物になるだろうね。
この場合は簡単に言うと、
「大きくて立派な夢を描く野球少年」
という意味だと思ってください。
具体的には、
- メジャーリーガーを目指す
- 年俸5億円プレイヤーになる
- 稼いだお金で豪邸に住む
といったことですね。
このように、
将来の目標や望みが並外れて大きい場合に
「気宇壮大」を使うわけです。
気宇壮大の語源
次に、「気宇壮大」の
「語源」も確認しておきましょう。
まず「気宇」の「気」は
「気分」や「気質」の「気」と同じ漢字です。
そして、「宇」は
「宇宙」の「宇」と同じ漢字です。
すわなち、「気宇」とは、
「宇宙のように広がる気持ちの大きさ」を意味します。
そして、「壮大」の「壮」は
「壮観」「壮絶」などがあるように
「立派な・すぐれた」という意味です。
これに「大きさ」を表す「大」が加わるので、
「壮大」=「立派で大きい」という意味になります。
以上の事から、
「気宇壮大」は「宇宙のように広がる、立派で大きい気持ち」
を表した言葉だと分かりますね。
よって、
「度量や構想などが大きい」
という意味になるわけですね。
ポイントは、
「並外れた大きさ」にあると言えるでしょう。
「気宇壮大」は、
ちょっとやそっとの度量の大きさには使いません。
宇宙の大きさに例えられるほど、
スケールが大きい場合に使われるのです。
スポンサーリンク
気宇壮大の類語
続いて、「気宇壮大」の
「類語」を紹介していきます。
【気宇広大(きうこうだい)】
⇒心構え・構想が並外れて広く大きいこと。
【気宇雄豪(きうゆうごう)】
⇒心構え・構想が雄々しく強いこと。
「雄々(おお)しい」とは、
「男らしく勇気がある様子」を言います。
【気宇軒昂(きうけんこう)】
⇒心構え・構想に勢いがあること。
「軒昂」とは「高く上がる」という意味です。
【天空海闊(てんくうかいかつ)】
⇒度量が大きく、こだわりのないこと。
「大空」と「海」は、果てしなく広がるため。
【幕天席地(ばくてんせきち)】
⇒心や気持ちが大きいこと。
「天」を屋根の代わりの「幕」とし、
「地面」を「座席」にすることから。
全部で5つ類語を紹介しました。
この中では「気宇広大」が最も近い意味だと言えるでしょう。
ほぼ同じ意味なので、「同義語」と言っても構いません。
また、「気宇壮大」には、
「その人の高い精神性のようなもの」が含まれています。
したがって、
「気概(きがい)」「向上心」
などの言葉も近い意味と言えますね。
逆に、「対義語」としては
「斗筲之人(としょうのひと)」が挙げられます。
「斗筲之人」とは、
「非常に器の小さい人」を表した四字熟語です。
「斗(と)」は「一斗を入れる器」、
「筲(ショウ)」は「一斗ニ升を入れる器」を指します。
どちらも小さな器を表すため、
「小さなモノを量れる程度しか心が広くない」
という意味になります。
気宇壮大の英語
続いて、英語訳です。
「気宇壮大」は、
「英語」だと次のように言います。
「magnanimous(度量の大きい)」
「broad-minded(広い心を持った)」
どちらも、「心の広さ」
を表す時に使える表現ですね。
例文だと、
He is a magnanimous man.(彼は度量の大きい男だ。)
She has a broad-mind.(彼女は広い心を持っている。)
などがあります。
また、少し難しい表現だと
「grand in one’s idea or mind-set」
なども使えますね。
「grand」は「広い」
「mind」「mind-set」は、
「心の持ち方」という意味です。
スポンサーリンク
気宇壮大の使い方・例文
では、最後に「気宇壮大」の使い方を
例文で確認しておきましょう。
- 「自転車で世界一周する」という気宇壮大な計画を立てる。
- 気宇壮大な夢を持つのは、若者の特権と言えるだろう。
- 彼はスケールの大きい気宇壮大な人として知られている。
- 社長の気宇壮大な計画に共感し、多くの社員が集まってきた。
- 10年後を見据えて、今は気宇壮大な構想を練っています。
- 彼女の気宇壮大で奇抜なアイデアに、圧倒されてしまった。
上記のように、「気宇壮大」は、
何か大きな夢や構想を抱く時に使うことが多いです。
生きていく上で、
心構えを大きくすることは非常に大事です。
特に、将来性豊かな子供などは
目標が大きい方が好ましいですよね。
そのため、「気宇壮大」は
「夢を大きく持つ人」「壮大な構想を持つ人」
といった意味で使われやすいのです。
まとめ
以上、内容を簡単にまとめると
「気宇壮大」=心意気がよく度量の広いこと。構想が大きいこと。
「語源」=宇宙のように広がる、立派で大きい気持ち。
「類語」=「気宇広大・気宇雄豪・気宇軒昂・天空海闊・幕天席地」など。
「英語」=「magnanimous」「broad-minded」
ということでした。
なかなか奥が深い「四字熟語」だったのではないでしょうか。
今後の人生で夢や構想を練る時は、
ぜひ「気宇壮大」を使ってみてください。
スポンサーリンク
国語力アップ.com管理人
最新記事 by 国語力アップ.com管理人 (全て見る)
- 公募と入札の違いとは?意味や使い分けを解説 - 2021年3月5日