この記事の読了時間: 556

請負 委託 違い 委任 契約 意味

 

今回は「請負」と「委託
の違いを解説していきます。

ビジネスでは、
請負契約書」「委託契約書」などの言葉がよく使われていますね。

上記の言葉には、どんな違いがあるのでしょうか?

委任」の意味も合わせて
わかりやすく解説していきたいと思います。

では、さっそく見ていきましょう。

スポンサーリンク

請負の意味

 

まずは、「請負」の意味からです。

【請負(うけおい)】

請け負うこと。依頼人と日限・報酬等を定めて仕事を引き受けること。また、その仕事。

当事者の一方(請負人)がその仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対して報酬を与えることを約する契約。請負契約。

保証すること。請け合うこと。

出典:三省堂 大辞林

請負」とは、
完成を条件に、仕事を引き受けること」を意味します。

よくある使い方が、「請負契約」です。

「請負契約」とは、
仕事の完成を条件に、報酬を支払う契約」のことです。

 

例えば、「A社」という建築会社がいたとしましょう。

「A社」は家を建てる仕事が主な業務ですが、
全部の仕事を自社だけで行おうとすると大変効率が悪いです。

そこで、「B社」と「5か月以内に家を完成させる」
という条件で「請負契約」を結びました。

仮に、契約通りにB社がちゃんと家を完成できれば、
A社はB社に報酬を払います。

一方で、もしも期限以内にB社が家を完成できない場合、
A社はB社に報酬を払いません。

このような契約を「請負契約」と呼ぶのです。

 

会社同士で請負契約をしたとしても、
その背後には必ず顧客がいます。

その顧客に対して「頑張ったけど、間に合いませんでした。
などと主張しても話にならないでしょう。

そもそもが契約違反ですからね。

つまり、「請負」とは、
仕事を完成させることが必須条件になるということです。

ここが大事なポイントだと言えます。

どんなに頑張って働いても、その仕事を完成できなければ、
「請負契約」としては成立しないのです。

スポンサーリンク

委任の意味

 

続いて、「委任」の意味です。

【委任(いにん)】

仕事などを、他人にまかせること。委託すること。

当事者の一方(委任者)が相手方(受任者)に一定の事務の処理を委託し、相手方がこれを承諾することによって成立する契約。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

委任」とは、
仕事の実行を任せること」を意味します。

例えば、弁護士に裁判の代理をしてもらうような場合に、
「弁護士と委任契約を結ぶ」などのように言います。

裁判などの難しい問題は、法律の専門家に任せたほうがいいです。

そのため、
弁護士に仕事を全部任せるという意味で、
「委任」を使うわけですね。

 

ここで大事なのは、「委任」は、
必ずしも仕事の完成を条件にはしていないということです。

裁判というのは、いくら頑張ったとしても
敗訴してしまう場合があります。(仕事の未完成)

別の言い方をすると、「裁判の代理」は、
仕事の完成を約束できるようなものではないということです。

しかし、このような場合でも委任契約を結んだからには、
弁護士に対してちゃんと報酬を払わなくてはいけません。

そのため、「委任契約」などは、一般的に
依頼したことをできる限りやってください」という契約内容がほとんどです。

そこには当然、仕事の完成の有無などは条件に入らないことになります。

スポンサーリンク

委託の意味

 

最後に、「委託」の意味です。

【委託(いたく)】

ゆだね任せること。人に頼んで代わりにやってもらうこと。

契約などの法律行為やその他の事務処理を他人に依頼すること。

③客から取引所の取引員に注文を出すこと。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

委託」とは、
第三者に、仕事の依頼をすること」を意味します。

この場合の「仕事」とは、
「幅広い種類の仕事のこと」だと思って下さい。

そして、その依頼方法は「請負」か「委任」のどちらかに分かれます。

これを簡単に図式で表すと、
委託」≧「請負」or「委任」となります。

つまり、委託」という大きな項目の中に、
「請負」と「委任」が含まれる
わけですね。

したがって、「委託契約」という言葉だけだと、
「請負」なのか「委任」なのかは判断できないことになります。

ただ分かることは、
「仕事をお願いする契約」ということだけです。

請負・委任・委託の違い

請負 委任 委託 違い

ここまでの内容を整理すると、

請負」=完成を条件に、仕事を引き受けること。

委任」=仕事の実行を任せること。

委託」=第三者に、仕事の依頼をすること。

ということでした。

 

「委託」については「仕事を依頼すること全般」
という意味なので大丈夫ですね。

問題は、「請負」と「委任」です。

この2つを区別する方法は、すでに説明した通り、
仕事を完成させるかどうか」ということになります。

 

「請負」は、
仕事を必ず完成させること」が求められます。

例えば、「家の完成」のような具体的な結果を要求し、
その結果に対してお金を払うのです。

一方で、「委任」は、
頼んだ仕事を行ってくれること」が求められます。

したがって、
仕事の完成は必ずしも求められていないのです。

 

以上、まとめると、

請負」=仕事の完成が条件。完成した場合にお金を払う。

委任」=仕事の実行が条件。完成しなくてもお金は払う。

委託」=「請負」と「委任」を含む大きな意味を持った言葉。

となります。

 

基本的には上記のような理解で問題ありません。

あえて付け加えるなら、「請負」は「家や建物」のように、
モノの完成」という仕事を引き受けます。

対して、「委任」の方は、
「弁護士による裁判」などのように
の行為」という仕事を引き受けます。

また、「請負契約」に関する契約書は2号文書となるので、
原則として収入印紙が必要となります。

一方で、「委任契約」は原則、収入印紙は必要ありません。

ただし、契約書が7号文書に該当する場合は収入印紙が必要となります。

スポンサーリンク

使い方・例文

 

では、最後にそれぞれの使い方を
実際の例文で確認しておきます。

 

【請負の使い方】

  1. そのハウスメーカーは、地元の大工さんと請負契約をしている。
  2. 自動車メーカーは、各部品メーカーと請負契約を結んでいる。
  3. 土木工事の請負業者によって、道路を新設しているようだ。
  4. 電気工事の請負業者がきて、エアコンの取りつけをしてくれた。

 

【委任の使い方】

  1. 病院で治療してもらうために、委任契約を結ぶ。
  2. 建築会社は、不動産仲介会社と委任契約を結ぶことが多い。
  3. A社は販売においてB社と委任契約を結んでいる。

 

【委託の使い方】

  1. 化粧品の委託販売業者が、訪問してきた。
  2. マンションの運営を、管理会社に委託する。
  3. 管理会社に委託された清掃員によって、掃除が行われる。

 

補足すると、病院での診察行為は、全て「委任」となります。

なぜなら、手術に成功しようが失敗しようが、
同じ診察代を取られるからです。

また、不動産の仲介なども「委任」の代表例と言えるでしょう。

建築会社は建物の建築は自社で行い、
その後の販売は不動産会社に任せることが多いです。

そのため、建築会社は「必ず家を売ることが条件ではなく、できる限りの販売活動をお願いします」という意味で「委任契約」を結ぶわけです。

関連:>>折衝と交渉の違いとは?意味や使い方も解説

関連:>>委嘱と委託の違いとは?嘱託の意味も解説

まとめ

 

以上、今回の内容をまとめると、

請負」=完成を条件に、仕事を引き受けること。

委任」=仕事の実行を任せること。

委託」=仕事全般の依頼をすること。

ということでした。

請負」は、完成を条件に報酬を払い、「委任」は、未完成でも報酬を払う。

委託」は、請負と委任を含んだ言葉。と覚えておきましょう。

では今回は以上です。

スポンサーリンク

The following two tabs change content below.

国語力アップ.com管理人

大学卒業後、国語の講師・添削員として就職。その後、WEBライターとして独立し、現在は主に言葉の意味について記事を執筆中。 【保有資格】⇒漢字検定1級・英語検定準1級・日本語能力検定1級など。

最新記事 by 国語力アップ.com管理人 (全て見る)