この記事の読了時間: 510

折衝 交渉 違い 意味 使い分け

折衝」と「交渉

どちらもビジネスでよく使われている言葉です。

「取引先と折衝する」「相手と交渉する」

さらに、後ろに「力」がついて、
折衝力」「交渉力」などと言う場合もあるようです。

今回はそんな「折衝」と「交渉」の
違いや使い分けを詳しく解説しました。

さっそく、確認していきましょう。

スポンサーリンク

折衝の意味

 

まずは、「折衝」の意味からです。

【折衝(せっしょう)】

有利に事を運ぶように、相手と駆け引きすること。また、その駆け引き。外交的または政治的駆け引きなどにいう。

出典:三省堂 大辞林

折衝」とは、簡単に言うと、
外交的・政治的に話し合うこと」を意味します。

例えば、以下のように使います。

アメリカと貿易の件で、折衝する。

この場合は、
「アメリカと貿易問題について話し合う」ということですね。

「折衝」は、基本的に国と国、会社と組合など
公の取引に対して使われます。

したがって、話し合う内容は主に、
政治・経済・お金など規模の大きなものが中心となります。

なお、「折衝」の「類語」としては次のような言葉が挙げられます。

【取引・駆け引き・談判・会商・ネゴシエーション】

交渉の意味

 

続いて、「交渉」の意味です。

【交渉(こうしょう)】

ある事を実現するために、当事者と話し合うこと。かけあうこと。

人と人との結びつき。かかわりあい。関係。

出典:三省堂 大辞林

交渉」とは、
相手と話し合うこと」を意味します。

この場合の「相手」とは、
個人・国・会社など幅広いものだと考えてください。

使い方としては、以下の通りです。

  • 店員と値引き交渉する。
  • 会社と給料の交渉をする。

「交渉」の方は、普段から使っているので
イメージしやすいかと思います。

 

また、「交渉」にはもう一つ意味があります。

それは「人とかかわりあいを持つ」という意味です。

この場合は、
「彼女との交渉を絶つ」のように使います。

主に異性との関係に対して使われることが多いです。

なお、「交渉」の「類語」は以下の通りです。

対話・交流・仲らい・話し合い・関係

スポンサーリンク

折衝と交渉の違い

折衝 交渉 違い

 

ここまでの内容をまとめると、

折衝」=(外交的・政治的に)話し合うこと。

交渉」=(相手と)話し合うこと。

ということでした。

 

両者の違いを簡単に言うと、
話し合う相手の範囲」となります。

 

折衝」は、国と国、会社と組合の話し合いなど
公の取引が中心であり、限定的な使い方をします。

一般的には、個人同士の話し合いには「折衝」は使いません。

一方で、「交渉」は
個人と個人、個人と会社、国と国など
広い意味での話し合いに使えるのです。

つまり、
交渉は折衝を含んだ言葉」ということですね。

 

元々、「折衝」という言葉は、
折(お)る」と「衝(つ)く)」からできた言葉です。

これを簡単に説明すると、
敵が突いてくる剣を打ち砕く」という意味になります。

要するに、本来の語源としては、
戦いのような闘争的な要素が含まれているのです。

 

一方で、「交渉」という字は、
交(まじ)わる」と「渉(わた)る」からできています。

簡単に言うと、
他の物事と、かかわりあう」ということです。

こちらの本来の語源としては、
「単に他の人と接する」という意味になります。

 

したがって、両者のイメージとしては以下のようになるわけです。

折衝」=闘争的に話し合う。

交渉」=穏やかに話し合う。

ここから、それぞれの言葉の意味に違いが生まれるわけですね。

 

以上、まとめますと、

折衝」=限定的にしか使わない。(闘争的なイメージ)

交渉」=広い意味で使える。(穏やかなイメージ)

となります。

 

補足すると、
「交渉」は「関係の有無」という意味もあるということでした。

この意味で使う場合は、当然、
「折衝」は使えないので注意してください。

【例】

  • 「〇」⇒異性との交渉
  • 「×」⇒異性との折衝

スポンサーリンク

折衝力と交渉力の違い

折衝力 交渉力 違い

 

ここまで、
「折衝」と「交渉」について解説してきました。

ビジネスシーンなどでは、
折衝力」や「交渉力」という言葉がよく登場します。

これはつまり、
営業の人がお客や取引先と話し合う力」だと考えればよいでしょう。

 

本来は、個人間の話し合いは「折衝」は使いませんが
ビジネスでは使うこともあります。

実際の現場では、両者は次のように区分されているようです。

 

折衝力」=意見が一致しない相手と話し合う力。

交渉力」=お互いが納得するように話し合う力。

 

「折衝」の方は、
お互いの意見が一致しない状況からスタートします。

そのため、最終的にはお互いが妥協するというケースが多いです。

一方で、「交渉」の方は必ずしもそうとは限りません。

「交渉」は、話し合いの着地点が、
ある程度決まっている状況からスタートする場合もあるのです。

その結果、最終的にお互いが満足して終わる
というケースも十分あります。

 

以上のことから考えると、
「交渉力」よりも「折衝力」をつけることの方が難易度は高い
ということが言えるでしょう。

一般的には、営業が
取引先と価格交渉などをする場合に「折衝力」が使われます。

使い方・例文

 

では、最後にそれぞれの使い方を、
実際の例文で確認しておきましょう。

 

【折衝の使い方】

  1. TPP離脱の是非について、アメリカと折衝する。
  2. 貿易摩擦問題について、米国と折衝を重ねる。
  3. 予算の査定をするために、財務省と折衝した。
  4. 営業のスキルを磨くには、折衝力は不可欠だ。
  5. 顧客とどう折衝するかで、ビジネスの売り上げは変わってくる。

 

【交渉の使い方】

  1. 労働組合が、労働条件の改善を目指して会社と交渉する。
  2. もっとサービスをしてくれないかと思い、交渉をしてみた。
  3. 値引き交渉をするために、店員さんを呼び止めた。
  4. 交渉を上手く行うには、押さえるべきポイントがいくつかある。
  5. いい加減、悪い友達との交渉を絶ちなさい。

 

※「折衝」を「接衝」と書くのは誤りです。

よく間違われる人がいますので、気をつけましょう。

関連:>>提言と提案の違いとは?意味や使い分けを解説

関連:>>折り合いをつけるの意味とは?語源や類語・例文を解説

まとめ

 

以上、今回の内容をまとめると、

折衝」=外交的・政治的に話し合うこと。限定的・闘争的

交渉」=話し合うこと。広い意味で使える

折衝力」=意見が一致しない相手と話し合う力。

交渉力」=お互いが納得するように話し合う力。

ということでした。

ぜひ明日から正しい使い方をしていただきたいと思います。

では今回は以上です。

スポンサーリンク

The following two tabs change content below.

国語力アップ.com管理人

大学卒業後、国語の講師・添削員として就職。その後、WEBライターとして独立し、現在は主に言葉の意味について記事を執筆中。 【保有資格】⇒漢字検定1級・英語検定準1級・日本語能力検定1級など。

最新記事 by 国語力アップ.com管理人 (全て見る)