この記事の読了時間: 523

明鏡止水の意味とは 使い方 由来 例文

 

人の気持ちや心に対して使える四字熟語があります。

一般的には、
明鏡止水の心」「明鏡止水の境地」
などと言いますね。

身近な例だと、
「日本酒」の名前にもなっているようです。

 

そんな「明鏡止水」という言葉ですが、
具体的にどう使えばよいのでしょうか?

さっそく、確認していきましょう。

スポンサーリンク

明鏡止水の意味・語源

 

まずは、
基本的な意味です。

【明鏡止水(めいきょうしすい)】

くもりのない鏡と波立たない静かな水の意。心にやましい点がなく、澄みきっていること。

出典:三省堂 大辞林

明鏡止水」とは、
心にやましい点がなく、澄(す)み切った状態のこと
を言います。

「やましい」とは、
「悪い心・正しくない心のこと」
だと思ってください。

 

例えば、
以下のような使い方です。

彼が出家してもう5年だ。長く苦しい修業を経て、ついに明鏡止水の境地に達したようだ。

この場合は、彼が修行を重ねて、
悪い心が一切ない状態になった
ということですね。

 

言葉の意味を補足すると、

明鏡」は「明るい鏡」と書くので、
一点の曇りもないきれいな鏡」を指します。

そして、
止水」は「水を止める」と書くので、
流れが静止しているきれいな水
を意味します。

転じて、
心が清らかで澄み切った
といった意味で使われているのです。

 

イメージ的には、
「お坊さん」を思い浮かべると
分かりやすいでしょう。

「お坊さん」は、
「心が落ち着いていて、静かな境地」ですよね。

そして、
「邪心(じゃしん)」が一切ありません。

 

このように、
「悪い考えを一切持たず、純粋で静かな心のこと」
を「明鏡止水」と言うわけです。

明鏡止水の由来

 

「明鏡止水」は、古代中国の
荘子(そうし)」の「徳充符(とくじゅうふ)
という書物が由来です。

厳密に言うと、
その中の2つの話からきています。

 

1つ目は、
明鏡」の由来です。

昔々、「子産(しさん)」と
「申徒嘉(しんとか)」という2人の弟子がいた。

どちらも同じ師匠の下で働くという共通点はあった。

しかし、「子産」は
身分の高い大臣職だったため、
周りを見下していた。

一方で、
「申徒嘉」は身分も低く、
足切りの刑を受けた元犯罪者であった。

ここで、
「申徒嘉」は「子産」に言った。

「あなたは大臣であることを鼻にかけ、常にいばっている」

「これは、きれいで明るい鏡にゴミがつくのと同様に、
敬意を評されるものではありません。

つまり、ここから、
「明鏡」=「人のきれいで澄んだ心
という意味になったわけですね。

そしてもう一つは、
止水」の由来です。

昔々、「魯(ろ)」の国に、
「王駘(おうたい)」と言う人物がいた。

彼は足を切られた元犯罪者だったが、
なぜか弟子からは尊敬されていた。

そこで、
一人の人間が「孔子」に質問をした。

「彼はなぜそこまで人気があるのですか?」

すると、孔子は

「人は流れ動く水ではなく、止まった水を鑑とする。」

と答えました。

つまり、「流水のようにあたふた動くのではなく、
止水のごとく静かで動じない心が大事だ
と言ったわけですね。

ここから、
現在の「静かで落ちついた心
という意味になったわけです。

スポンサーリンク

明鏡止水の類語

明鏡止水 類語

 

続いて、
「明鏡止水」の「類語」です。

【虚心坦懐(きょしんたんかい)】

わだかまりがない素直な心で、物事にのぞむこと。

「虚心」は「心を空にする」

「坦懐」は「気持ちを平らにする」という意味です。

【則天去私(そくてんきょし)】

小さな自分を捨てて、ありのままに生きること。

「則天」は「天に従うこと」

「去私」は「自分中心の考えを捨てること」を言います。

【光風霽月(こうふうせいげつ)】

心が澄み切っていて、さわやかなこと。

「さわやかな風」と「晴れやかな月」から。

【無想無念(むそうむねん)】

あらゆる気持ちの迷いをなくすこと。

※「無念無想」と言うこともあります。

【一片氷心(いっぺんひょうしん)】

汚れがなく、清らかな心のこと。

「ひとかけらの氷のように澄んだ心」という意から。

共通しているのは、
邪念がない・清らか
といった意味ですね。

 

ちなみに、
「明鏡止水」の「対義語」
としては次の2つが挙げられます。

 

意馬心猿(いばしんえん)」⇒心が混乱して落ちつかない様子。

焦心苦慮(しょうしんくりょ)」⇒心を焦らせて、思い悩むこと。

 

どちらも
「心が静まっていない」
という点が同じですね。

この機会にぜひ覚えておきましょう。

明鏡止水の英語

 

続いて、
「英語訳」です。

「明鏡止水」は、
英語だと次のように言います。

 

clear and serene

 

「clear」は「きれいな・澄んだ」

「serene」は「静かな・落ち着いた」という意味です。

つまり、
「きれいで落ち着いた状態」
ということですね。

 

例文だと、

His mind is clear and serene.(彼の境地は明鏡止水である。)

などがあります。

 

また、「落ち着いた」という意味では
calm」を使っても構いません。

その場合は、
「clear and calm」という言い方ですね。

スポンサーリンク

明鏡止水の使い方・例文

 

では、「明鏡止水」の使い方を
例文で確認しておきましょう。

 

  1. 彼は娯楽や享楽を捨てて、明鏡止水の境地に達した。
  2. 長年の苦労を積み重ねた結果、明鏡止水の心境になった。
  3. 天に誓ってやましい点はありません。明鏡止水の心です。
  4. 明鏡止水のように、何事も動じない心で望みましょう。
  5. どんな悪口を言われようと、今の私の心は明鏡止水です。
  6. 明鏡止水を意識して、邪心をなくすようにしてください。
  7. 真の意味での断食は、明鏡止水の心境でなければならない。

 

基本的な用例としては、
後ろに「」「心境」「境地」などが
つくことがほとんどですね。

また、イメージ的には
宗教的な場面で使われそうですが、
必ずしもそうではありません。

単に「心を清らかにする」
という意味で使うこともあります。

そういう意味では、
「明鏡止水」は日常生活でも使える言葉
と言えるでしょう。

関連:>>虚心坦懐の意味とは?由来や使い方・英語も解説

まとめ

 

では、今回の内容のまとめです。

 

明鏡止水」=心にやましい点がなく、澄(す)み切った状態。

語源・由来」=「明るい鏡」と「静止した水」。(荘子の徳充符から)

類語」=「虚心坦懐・則天去私・光風霽月・無想無念・一片氷心」など。

英語」=「clear and serene」

 

人は誰しも心が落ち着かない状態になる時があります。

特に、大舞台などの
緊張する場面ではなおさらでしょう。

そんな時は、
「邪心をなくし、平静な心」で
挑んでみてはいかがでしょうか?

スポンサーリンク