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惹起とは 意味 読み方 類語 例文

 

惹起」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

「惹」という字は、
普段はほとんど見ないイメージですね。

しかし、この「惹起」という言葉は
意外と新聞やニュースなどでよく登場するのです。

また、ビジネスシーンで使われることもあります。

今回は、
「惹起」の意味や使い方・類語・対義語
などを詳しく解説しました。

さっそく、確認していきましょう。

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惹起の読み方と意味

 

まず、「惹起」の意味を辞書で引くと、
次のように書かれています。

【惹起(じゃっき)】

事件・問題などをひきおこすこと。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

惹起」は「じゃっき」と読みます。

「惹」は「惹(ひ)く」とも読める漢字ですが、
「ひきおき」とは読まないので注意してください。

正しくは「じゃっき」です。

 

そして意味ですが、
惹起」とは「事件や問題などをひきおこすこと」を表します。

「事件」とは「犯罪や殺人などのこと」、
「問題」とは「何か困ってしまうような出来事」を指します。

したがって、「惹起」は基本的に
あまり良い意味としては使いません。

多くは重大なニュースや深刻な出来事など、
ネガティブな場面で使います。

惹起の主な使い方

 

次に、「惹起」の主な使い方を見ていきましょう。

よくあるのが、以下のような文です。

大臣の発言が、重大な国際問題を惹起した。

つまり、「大臣の発言が重大な国際問題をひきおこした」ということです。

この意味の場合は、人の問題発言などにより、
事件やトラブルへ発展するような時に使います。

 

また、以下のように使うこともあります。

独立運動に対する感情を惹起することになった。

この場合は、
「独立運動をする人達の感情をひき起こした」ということです。

 

「惹起」という言葉はこのように、
「事件」や「問題」だけでなく「感情」をひきおこすような場合も使われます。

どちらの意味でも使えますが、一般的には
政治や時事問題などで使われることが多いです。

いずれにせよ、何かをひきおこすような時に
「惹起」を使うわけですね。

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惹起の語源・由来

惹起 語源 類語

 

「惹起」という言葉は、
」と「」の2つの字から構成されています。

まず「」という字は、
」と「」が合わさってできています。

「若」には「若い」などの言葉があるように、
「年齢が若い、若々しい」などの意味があります。

 

しかし「若」の本来の意味は、
柔らかい・柔軟な」という意味から派生したものです。

つまり、「惹」とは、
やわらかい心・柔軟な心」を表しているのです。

よって、「惹(ひ)き起こす」というのは、
まだ固まってない柔軟な要素から様々な思考や問題を抜き出すことを意味します。

転じて、様々な問題を引き起こすことを
「惹起」と言うようになったのです。

相手の心を「ひきつける」というのも
そのような意味があるからだと言われています。

惹起の類義語

 

「惹起」の類語としては、
以下のような言葉が挙げられます。

【生む】ある事態が生じる。起こる。

【生じる】新しく何かが起こったりできたりする。

【来(きた)す】ある事柄や状態を生じさせる。

【招く】好ましくない事態を引き起こす。

【もたらす】好ましくない状態を生じさせる。引き起こす。

【誘発(ゆうはつ)】ある事が原因となり、他の事を引き起こすこと。

【誘起(ゆうき)】誘って起こさせること。

【勃発(ぼっぱつ)】事件などが突然起こること。

【突発(とっぱつ)】突然発生すること。

いずれも、
「何かを生じさせたり引き起こしたりすること」
を表した言葉だと分かりますね。

言い換えの例文

 

例文だと、それぞれ以下のように
言い換えることができます。

  • 疑惑が生じるような証拠が次々と出てきた。
  • 本業に支障を来たすので、副業をやめよう。
  • 災いを招くことがないようにしてください。
  • 台風は建物損壊などの災害をもたらす
  • グラウンドの状態の悪さはエラーを誘発する。
  • 栄養や睡眠不足は様々な症状を誘起する。
  • 日本全国では毎年多くの事件が勃発する。
  • 紛争が突発する地域として知られている。

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惹起の対義語

 

「惹起」の「対義語」と呼ばれる言葉は残念ながらありません。

どうしても反対語を使いたい場合は、
「惹起」の言い換え表現を否定して使うのが望ましいでしょう。

  • 生まない
  • 生じない
  • 起きない
  • 招かない
  • もたらさない

惹起の英語訳

 

「惹起」は英語だと次のように言います。

 

cause(引き起こす)」

bring about(引き起こす・もたらす)」

give rise to(起こす・惹起する)」

 

どれも何かを引き起こすような時に使えますが、
「cause」よりも「bring about」の方がフォーマルな表現です。

日常会話では「cause」を使う頻度の方が多いと考えていいです。

また、「give rise to」は、前者2つよりも
そうなって欲しくない結果をもたらすような場合に使います。

 

例文だと、それぞれ以下のような言い方です。

The typhoon caused enormous damage.(その台風は甚大な被害を引き起こした。)

The machine may bring about an accident.(その機械は事故を引き起こすかもしれない。)

This conditions will give rise to disease.(この環境は病気を誘発するだろう。)

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惹起の例文

 

では、最後に「惹起」の使い方を
例文で確認しておきましょう。

 

  1. 家庭内での対立が、今回の事件を惹起した。
  2. 民衆の税金を取りすぎたため、暴動を惹起した。
  3. 面倒な問題を惹起したくないので、正直に述べた。
  4. 自分が問題を惹起するとは、夢にも思っていませんでした。
  5. ロシアとの不平等条約は、日露戦争を惹起した原因の一つだ。
  6. 彼の授業は、色々な考え方を自由に惹起させるものである。

 

「惹起」は、原則として悪い意味で使いますが、
必ずしもそうとは限りません。

例えば、最後の例文です。

この場合は、
人のアイデアなどをひきおこす」という意味で使っています。

意味としては、
生み出す」「生じる」などと近いですね。

「惹起」はこのように、
良い意味で使われることもあるので注意しましょう。

関連:>>敷衍の意味とは?例文や使い方・類語も解説

まとめ

 

以上、内容を簡単にまとめると、

惹起(じゃっき)」=事件や問題などをひきおこすこと。

使い方」=重大なニュース・深刻な出来事などに対して。

類義語」=「生む・生じる・来す・招く・もたらす・誘発」など。

英語訳」=「cause」「bring about」「give rise to」

ということでした。

 

ポイントは、漢字の成り立ちを記憶しておくことですね。

「(問題などを)こして、(こちらへ)き寄せる」

このように覚えておけば、意味を忘れにくいでしょう。

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国語力アップ.com管理人

大学卒業後、国語の講師・添削員として就職。その後、WEBライターとして独立し、現在は主に言葉の意味について記事を執筆中。 【保有資格】⇒漢字検定1級・英語検定準1級・日本語能力検定1級など。

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