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バレー バレエ 違い 語源 由来 発音 イントネーションは

 

日本語には似たような発音のため、まぎらわしいカタカナ語があります。その中の一つが、「バレー」と「バレエ」です。

どちらもよく目にする言葉ですが、違いはどこにあるのでしょうか?本記事では、「バレー」と「バレエ」の違いや語源、発音などについて詳しく解説しました。

バレー・バレエの意味の違い

 

まず最初に、それぞれの意味を辞書で引いてみます。

【バレー】「バレーボール」の略。コート中央のネットを挟んで2チームが相対し、ボールを地に落とさないように、手や腕で打ち合って得点を競う球技。バレー。排球。

【バレエ】西洋の舞踊形式の一。通常、歌詞のない音楽を伴奏に、踊りや身振りによって感情や意思を表現し、劇を進行させる舞踊劇。ルネサンス期のイタリアに起こり、16、17世紀のフランス宮廷で発達。ロマンチックバレエ、古典バレエ、モダンバレエなどに大別される。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

バレー」とは「ネットを挟み、2チームがボールを落とさないように打ち合う競技」のことを表します。

簡単に言えば、「アタックするスポーツ」のことです。「バレー」は正式名称を「バレーボール」と言います。オリンピックなどの競技にもなっている有名なスポーツが「バレー」ということになります。

一方で、「バレエ」とは「歌詞のない音楽を伴奏に、踊りや身振りなどによって感情を表現して劇を進める舞踊劇」のことを表します。

「バレエ」は西洋の舞踊の一つで、古典バレエ、モダンバレエ、ロマンチックバレエなどいくつかの種類があります。この中でも、最もポピュラーなのが古典バレエ、すなわちクラシックバレーだと言われています。

バレーとバレエの語源・由来

バレー バレエ 違い 由来

 

「バレーボール」を略した言葉が、「バレー」であることはすでに述べました。この「バレーボール」の原語ですが、英語の「volleyball」から来ています。

バレーボールは、1895年に子供や高齢者でも気軽に楽しめるスポーツとして、アメリカで広まりました。バレーボールの「volley」というのは、テニスのボレー(ボールが地面に付く前に打ち返すこと)を由来とします。

そのため、「バレー」は英語が語源であることは当然とも言えます。

「volleyball」は日本語だと「排球」という訳語がありますが、現在では「バレー」の方が言いやすいため日本ではこの呼び名が普及しています。

「volley」の原音を日本語流に三拍に発音して、レをのばすところから「バレー」と書いているのです。これは外来語の表記だと長音を表す記号として「ー」を使うことが基本となっているためです。

一方で、音楽舞踊の「バレエ」ですが、こちらはルネサンス期のイタリアに起こり、16、17世紀頃のフランスの宮廷で発達しました。したがって、「バレエ」の方はフランス語が語源ということになります

「バレエ」はフランス語で「ballet」と書き、「ballet」はイタリア語で「踊ること」を意味する「バラーレ(ballare)」から派生したものだと言われています。

「ballet」も日本での外来顔としての発音は、スポーツの「volley」とほぼ同じです。しかし、実際の表記としては長音符号を使わずに「エ」を使う習慣が広まっています。

これは両者を比較した上で、同音による混同を避けるためだと言われています。どちらも似たような発音であるため、会話のみだと両者の混同が起こりかねません。

そのため、あえて「ー」と「エ」と表記することで、混同を避けるようにしているということです。

バレーとバレエの発音の違い

 

「バレー」と「バレエ」は文字だと表記の違いがあるため、混同が起きる可能性は低いです。

しかしながら、前述したように会話のみで使われる場合などは発音が似ているため、混同が起きやすいです。そのため、実際にはさらに発音の仕方でも両者は区別される習慣があります。

「バレー」は「バレー↑」と末尾の方にアクセントを置く形で発音することが多いですが、「バレエ」の方は 「バ↑レエ↓ 」と先頭の方にアクセントを置いて発音することが多いです。

また、「バレー」の方は「レ」の長音を意識して末尾を長く発音し、逆に「バレエ」は長音ではなく、「バ・レ・エ」と意識的に切って発音されることが多いです。

ただし、この発音方法は絶対的な基準や決まりがあるというわけではありません。あくまで、長い歴史の中で自然と習慣的に広まった発音方法です。

普段の会話の中ではそこまで両者の発音方法の違いを意識する必要はないかと思われます。

その他のまぎらわしい言葉

 

なお、似たような外来語で「valley」がありますが、「valley」とは「谷」を意味する英語です。

「valley」は英語だと「バリー」と発音するため混同しやすいですが、「volley」や「ballet」とは全く異なる意味の単語なので注意して下さい。

その他には、「ボーリング」と「ボウリング」も区別されています。

「ボーリング」とは「地中に深く穴を掘ること」を意味し、原語だと「boring」と書きます。主に建築や土木の世界で使われる用語で、地盤調査をするような際に用いられます。

これに対し、「ボウリング」とは室内スポーツの一種で、レーンの上でボールを転がして、その先に立っているピンを倒し合うゲームのことです。

室内スポーツの場合は「ボーリング」ではなく「ボウリング」と書きます。これは原語である「bowling」に近づけた表記にしているためです。

「bowling」が日本で流行した当初は、「ボーリング」の表記も見られましたが、日本ボウリング協会という正式な団体が設立されてからは、「ボウリング」と呼ぶようになっています。

この二つも表記を間違えやすい言葉なので、注意するようにして下さい。

まとめ

 

以上、本記事のまとめとなります。

バレー」=ネットを挟み、2チームがボールを落とさないように打ち合う競技

バレエ」=歌詞のない音楽を伴奏に、踊りや身振りなどによって感情を表現して劇を進める舞踊劇。

語源・由来」=英語の「volleyball」とフランス語で「ballet」から。

発音」=「バレー」は末尾の方にアクセントを置き、「バレエ」は 先頭の方にアクセントを置く。

どちらも普段からよく使われている言葉です。言葉の由来を知ったからには、ぜひ正しい使い分けをして頂ければと思います。

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国語力アップ.com管理人

大学卒業後、国語の講師・添削員として就職。その後、WEBライターとして独立し、現在は主に言葉の意味について記事を執筆中。 【保有資格】⇒漢字検定1級・英語検定準1級・宅地建物取引士など。

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