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大義名分 意味 簡単に わかりやすく 使い方 例文

 

大義名分」という四字熟語をご存知でしょうか?

ビジネスでもよく使われ、「大義名分が立つ」「大義名分がある」などのように用います。ただ、この四字熟語の意味が分かりにくいと感じる人はとても多いようです。

そこで、本記事では「大義名分」の意味や語源、具体例などを含め簡単に分かりやすく解説しました。

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大義名分の意味・読み方

 

まず、「大義名分」の意味を辞典で引いてみます。

【大義名分(たいぎめいぶん)】

人として、また、臣として国家や君主に対して守るべき道理・本分や節義。ある行為のよりどころとなる正当な理由や道理。

 出典:三省堂 新明解四字熟語辞典

大義名分」は「たいぎめいぶん」と読みます。

意味は「ある行為のよりどころとなる正当な理由や道理」のことです。「道理」とは「筋が通っていること・理由がちゃんとしていること」を表します。

つまり、「ある行為を行うためのちゃんとした理由のこと」を「大義名分」と言うわけです。もっと簡単に言えば、「人に堂々と胸を張って言える理由そのもの」を指すと考えて問題ありません。

例えば、あなたが学校の生徒だとしてインフルエンザで学校を休むことになったとします。この場合、学校を休む理由としてはちゃんとしているものです。そのため、「学校を休む大義名分が立った」などと言うことができます。

これが例えば、「学校に行くのが面倒くさいから」「今日は嫌いな授業があるから」などの理由であれば、同じ理由であっても「大義名分がある」とは言えません。

しかし、インフルエンザで学校を休むというのは、その人にとって正当な理由であり筋が通っています。高熱があるのに、わざわざ学校に行って人に迷惑をかける人などはいないですよね。

したがって、このような堂々と胸を張って主張できる理由に関しては、「大義名分が立った」などと言うわけです。

周りの人にとって「やむをえない」「仕方ない」と思えるような理由であれば、それは「大義名分」ということになります。

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大義名分の語源・由来

大義名分 語源 由来

 

「大義名分」の「大義」は、「人が実践すべき大切な正しい道・重要な意義」を表します。また、「名分」は「守るべきけじめや尽くすべき本分」を表します。

この事から、「正しい道に従い、けじめを守ること」すなわち「行動の理由付けとなる道理」を表す言葉となるわけです。

「大義名分」は、孔子の思想に基づく儒教に由来する言葉です。本来は、「王に仕える臣下が、王様の命令に従わなければいけない内容」を表すものでした。

具体的に言いますと、王に対して敬意のある態度をとったり、守るべきルールをちゃんと守ったりするようなものです。

ところが、時代が進むにつれ次第に王様と部下の間柄に対して使うような場面は少なくなっていきました。そして、最終的には現在のような「行動の理由付けとなる理由や道理」という意味に変わっていったのです。

日本に「大義名分」の概念が入って来たのは、江戸時代頃だと言われています。

江戸時代の日本では、儒教の教えを発展させた学問である「朱子学」が広がるようになります。特に、君主と臣下の主従関係においては、この朱子学の考えが基本になりました。

実際に、幕末期に唱えられた天皇中心の大義名分論は、幕政批判や尊王攘夷運動の思想的な基盤となりました。この事から、現在では、ある行為の正当性を主張するための外面上の理由付けに用いられるようになったということです。

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ビジネスでの使い方

大義名分 ビジネス 使い方

 

「大義名分」は、ビジネスにおいて使われる機会が多い四字熟語です。ビジネスでは、「建前」や「言い訳」などを表す意味として使われるのが一般的です。

「建前(たてまえ)」とは「表向きな理由や考え」のことを表します。

例えば、仕事を早退する際の理由として、「身内の体調不良を大義名分とする」などと言ったりします。また、会社を退職する際の理由として「キャリアアップすることを大義名分とする」などと言ったりもします。

この場合の理由としてはあくまで「建前」ですので、その人の「本音」を表しているというわけではありません。実際の本音としては、「上司との相性が悪かったから」「労働時間や休日日数に不満があるから」などの理由で会社を退職するというケースが多いです。

しかしながら、本音を言ってしまうと退職後に何かと問題が出てくる可能性もあるため、誰もが納得する正当な理由になるような大義名分を掲げたということです。

他には、何かの企画を上司に提案するような際に「大義名分」が使われることもあります。

ビジネスにおいて新規企画を上司に提案するようなことはよくあります。その際には、正当な理由や根拠が常に求められます。ただ単に、「成功しそうだから」「利益を上げられそうだから」などの理由で提案しても、その企画はすぐに却下されてしまいます。

そこで、自社の現状を表したデータやライバル会社の現状などを元に、具体的にいつから初めてどれくらいの規模のお金を投入すれば成功できるかというプランを上司に提案したとします。この場合も、正当な理由を元に行動しようとしているので、「大義名分を元に企画を提案する」などと言うことができます。

ビジネスシーンで使う場合も、このように誰もが納得するようなまともな理由や根拠を示す際に「大義名分」が使われるということです。

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大義名分の類義語

義名分 類義語 言い換え

 

「大義名分」の「類義語」は以下の通りです。

口実(こうじつ)】⇒言い逃れや言いがかりの材料。「病気を口実に休む。」
名目(めいもく)】⇒表向きの理由。表面上の理由。「名目をつけて断る。」
建前(たてまえ)】⇒表向きの考え。原則的な方針。「建前を重視する。」
大義滅親(たいぎめっしん)】⇒君主や国家に報いるためには、親子の情をもかえりみないこと。
錦の御旗(にしきのみはた)】⇒自分の主張や行為などを権威付けるために掲げる名分。「環境保護を錦の御旗に掲げる」

「口実」は「言い逃れの材料」を表す言葉で、簡単に言うと「言い訳」と同じ意味です。基本的に良い意味としては使われることはなく、都合の良い理由で相手をごまかすような時に使われます。

また、「名目」や「建前」は表向きの理由により相手に波風を立てないようにする目的で使われる言葉です。

「大義滅親」は、何が何でも主君に対して従うことを表した四字熟語です。最後の「錦の御旗」は、明治維新で、朝廷に反逆するものを追討する軍の標章として錦の御旗が用いられた故事に由来する言葉です。

「大義名分」は、ポジティブな理由、ネガティブな理由のどちらであろうと正当な理由であれば使うことができる四字熟語です。ただ、類義語の場合は「口実」のようにネガティブな理由として使われるものの方が多いです。

大義名分の英語訳

 

「大義名分」は英語だと次のように言います。

 

a just cause」(正当な理由)

in the cause of~」(~のために、~が理由で)

on the pretext of~」(~を口実に・~という名目で)

 

「just」は「正当な」、「cause」は「理由」を表す単語です。合わせることで、「正当な理由」⇒「大義名分」と訳すことができます。

また、「in the cause of」は「~のために」という意味の熟語です。この場合の「cause」は、「理由」や「根拠」を表す意味として使われています。

最後の「pretext」は「口実・名目・言い訳」などを意味する単語です。こちらも「on the pretext of~」という熟語の形にすると、「~を口実に」と訳すことができます。

例文だと、それぞれ次のような言い方です。

He got angry for a just cause.(彼は正当な理由により怒った。)

They had a war in the cause of fighting terrorism.(彼らはテロリズムとの戦いという大義名分により戦争をした。)

She was absent from school on the pretext of illness.(彼女は病気を口実に学校を休んだ。)

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大義名分の例文・用例

 

最後に、「大義名分」の使い方を例文で紹介しておきます。

 

  1. 体育祭があるという大義名分を得ると、彼は勉強をしないと言い出した。
  2. 勉強のために参考書が欲しいという大義名分を掲げると、親はおこづかいをくれた。
  3. 実家の家業を継ぐという大義名分のもと、会社を辞めることを伝える予定です。
  4. 自分達にも利益があるという大義名分が立つと、彼らは急にゲームへ参戦してきた。
  5. 今回の提案を社長に納得させるには、それなりの大義名分がないと不可能だろう。
  6. 政府は不景気による財源不足という大義名分の元、消費税を上げようと画策している。
  7. 課長は大義名分の建前論ばかりを言うが、もっと問題点に切り込んだ具体的な方策を示すべきだ。
  8. 森林伐採などの自然破壊は、道路の造成や多目的ダムの建設を大義名分として進められてきた。

 

「大義名分」は、上記のように様々な使い方をすることができます。日常的な場面や政治、ビジネスなどあらゆるシーンで使うことが可能です。

いずれも共通しているのは、「正当な理由」を表す意味として用いられるということです。正当な理由であれば、先述したように「ポジティブな理由」であろうと「ネガティブな理由」であろうと使うことができます。

例文2であれば、「勉強がしたい」「参考書が欲しい」などの大義名分を掲げれば、何となく親も「仕方ない」「やむを得ない」と考えてお金をあげざるを得ません。少々強引な言い方をしますと、「こちらに正義がある」と思わせるのが「大義名分」なのです。

したがって、ちゃんとした理由であってもネガティブなイメージを与えてしまう場合があるということです。ただ、実際には大義名分があること自体は悪いことではありません。

なぜなら、人はちゃんとした理由があることにより、初めて一定の判断を下すことができるからです。そういう意味では、大義名分があることにより世の中は上手く回っているといっても過言ではないでしょう。

まとめ

 

以上、本記事のまとめとなります。

大義名分」=ある行為のよりどころとなる正当な理由や道理。

語源・由来」=「正しい道」+「けじめや本分」。孔子の儒教が由来。

類義語」=「口実・名目・建前・大義滅親・錦の御旗」

英語訳」=「a just cause」「in the cause of~」「on the pretext of~」

「大義名分」は、行動をするための正当な理由や根拠を表す四字熟語です。使われる機会が非常に多い言葉ですので、この機会にぜひ正しい意味を理解して頂ければと思います。

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国語力アップ.com管理人

大学卒業後、国語の講師・添削員として就職。その後、WEBライターとして独立し、現在は主に言葉の意味について記事を執筆中。 【保有資格】⇒漢字検定1級・英語検定準1級・日本語能力検定1級など。

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