この記事の読了時間: 515

焦眉の急 意味とは 読み方 使い方 由来 例文 語源

 

「危機的な状況」を伝える言い方
というのは色々あるかと思います。

「本当にピンチだった・・・」

「死ぬほどヤバかった・・・」

しかし、上記のような表現だと
どこか幼さを感じますよね?

そんな時、
もしも「焦眉の急」という慣用句を知っていれば、
表現に幅が出ることは間違いないでしょう。

 

この記事では、
「焦眉の急」の意味や由来・使い方などを解説していきます。

さっそく、確認していきます。

スポンサーリンク

焦眉の急の意味・読み方

 

まずは、基本的な意味と読み方です。

【焦眉の急(しょうびのきゅう)】

危険がひどく迫っていること。状況が切迫していること。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

焦眉の急(しょうびのきゅう)」とは、
危険が目の前に迫っていること・切迫した状況」という意味です。

 

例えば、
以下のように使います。

原発に変わるエネルギーの開発が、焦眉の急である。

上記の文は、東日本大震災が起こった当時、
各新聞紙でよく使われた表現です。

当時は、原発が急に使えなくなったため、
他のエネルギーを使って電気を起こすことが一刻も早く求められました。

まさに、国難と言えましたよね。

このような、
差し迫った目の前の危機に対して
「焦眉の急」を使うわけです。

 

「焦眉の急」を覚える上で大事な点は、
切迫(せっぱく)」という言葉だと思ってください。

「切迫」には、
期限がさしせまる」という意味があります。

つまり、ただ危険なだけでなく、
目の前に危険がさし迫っているような時にこの言葉を使うわけです。

焦眉の急の由来・語源

 

次に、この言葉の由来を確認していきましょう。

「焦眉の急」は、
中国の歴史書の『五灯会元(ごとうえげん)
という書物が由来です。

 

その中の一節に、「禅問答」に関する
興味深いエピソードがあります。

※「禅問答(ぜんもんどう)」とは、
「修行者が疑問を発し、師匠が答えること」です。

ある修行僧が、
切迫する状況とは何か?」と質問した。

その時に師匠は、
火が眉(まゆ)を焼くときだ」と答えた。

修行僧はそれを聞き、至極納得したのであった。

とまあこんな話です。

要するに、
眉毛が焼けるほど目の前に火があるのが、一番追いつめられた状況である」と言ったわけですね。

このことから、
「焦眉の急」は「差し迫った危険」
という意味で使われるようになったのです。

確かに、目の近くに火があれば動くこともできませんし、
恐怖で身動きがとれないでしょう。

「焦眉の急」は、言ってみれば
人間の本能によって生まれたことわざなのかもしれませんね。

スポンサーリンク

焦眉の急の類語

焦眉の急 類語 対義語

 

続いて、「焦眉の急」の
「類語」を紹介します。

【喫緊(きっきん)】

差し迫って重要なこと。

「喫緊の課題」のように言います。

【急務(きゅうむ)】

差し迫った仕事のこと。

「目の前にある急な任務」という意味です。

【火急(かきゅう)】

差し迫った状態のこと。

「火に追われるように急なこと」
というのが「語源」です。

【至急(しきゅう)】

非常に急ぐこと。

「至急の要件」などと言います。

【緊急事態(きんきゅうじたい)】

すぐに対応すべき重大な状況のこと。

「緊急」とは、
「重大かつ急ぐべきこと」という意味です。

【轍鮒の急(てっぷのきゅう)】

差し迫った苦痛・困難のこと。

車の通った跡のくぼみにたまった水の中で、苦しみあえぐ鮒(ふな)の意から。

以上が、主な「類語」となります。

いずれも共通しているのは、
「差し迫った状況」「危機」という意味ですね。

何かに追い詰められていたり、
ピンチになっている状況であれば「類語」と言えるでしょう。

 

ちなみに、
「焦眉の急」は四字熟語だと
焦眉之急」と書くこともあります。

これは単に、「の」を「之」にしただけなので、
意味自体は全く同じと考えて下さい。

「同義語」と考えても問題ありません。

 

逆に、「対義語」としては、
不急(ふきゅう)」が挙げられるでしょう。

「不急」とは、
「急いでいない様子」「差し迫っていない様子」という意味です。

主に、「不要不急」「不急の物資」などの使い方をします。

焦眉の急の英語訳

 

続いて、英語訳です。

「焦眉の急」は英語だと次のように言います。

 

urgent need

 

「urgent」は、「緊急の・切迫した」という意味の形容詞、

そして、「need」は「必要・需要」などを意味する名詞です。

これらを合わせることで、
「緊急の必要性」すなわち、「切迫した状況にあること」を表すことができます。

例文だと、以下のような形です。

It is the urgent need of the day.(目下、焦眉の急である。)

スポンサーリンク

焦眉の急の使い方・例文

 

最後に、「焦眉の急」の使い方を
例文で確認しておきましょう。

 

  1. 長引くデフレは、焦眉の急を要する問題だ。
  2. 社会保障制度の改革は、焦眉の急を告げる時期にきた。
  3. 我が国の少子化問題の解決は、焦眉の急である。
  4. 世界の自然を守ることは、まさしく焦眉の急であります。
  5. 大地震が起きた場合、焦眉の急はまず自分の身を守ることだ。
  6. A社にとっての焦眉の急は、売上に対して受注が追いついていない点だ。
  7. 焦眉の急は、目下、地に落ちたイメージをいかに回復させるかだ。

 

上記のように、「焦眉の急」は、
政治経済や社会情勢などに使うことが多い言葉だと言えます。

特に、現代社会は個々が抱えている問題が山積みですので、
「目の前に迫った危機」という意味でこの言葉が使われやすいと言えるでしょう。

 

また、場合によってはビジネスで使われることもあります。

ビジネスでは、「危機的な状況」というよりは、
最優先事項」「まず行うべきこと」といった意味で使われることが多いです。

 

例えば、最後の2つの例文などがそうですね。

この場合は、「まず〇〇をすべき
〇〇を優先しないとまずい」といったニュアンスだと考えてください。

「焦眉の急」をビジネスで使う時は、
このように微妙にニュアンスが異なってくるのです。

関連:>>自体と事態の違いとは?意味や使い分けも

関連:>>背に腹はかえられぬとは?意味や語源・例文も解説

まとめ

 

では、今回のまとめです。

 

今回の内容をまとめると、

焦眉の急」=危険が目の前に迫っていること・切迫した状況のこと。

語源」=眉が火で焼けるほど差し迫った状態から。(『五灯会元』の禅問答の逸話から)

類語」=「喫緊・急務・火急・至急・緊急事態」など。

英語」=「urgent need」

ということでしたね。

 

「焦眉の急」は、新聞などでもよく見る慣用句です。

今後使われている記事などをみたら、ぜひ今回の内容を思い出してみて下さい。

スポンサーリンク