この記事の読了時間: 623

掛け値なし 意味 使い方 例文 類語 語源 由来 英語

 

掛け値なし」という慣用句があります。

別の言い方だと、「現金掛け値なし」とも言いますね。

ただ、そもそも「掛け値」とは一体何だろう?
と思う人も多いはずです。

そこで今回は、
「掛け値なし」の意味や使い方・語源・由来
などをわかりやすく解説しました。

さっそく、確認していきましょう。

スポンサーリンク

掛け値なしの意味・読み方

 

まずは、基本的な意味と読み方です。

【掛け値なし(かけねなし)】

物を売るときに実際より高い値段をつけることがないこと。

物事を誇張して言わないこと。

出典:精選版 日本国語大辞典

掛け値なし」には、2つ意味があります。

1つ目は「高い値段をつけていないこと」という意味です。

【例】⇒八百屋の店長は、掛け値なしの値段でりんごを売った。

この場合はつまり、
「高い値段をつけないでりんごを売った」ということですね。

言いかえれば、
「値上げをせずにそのままの価格で売った」ということです。

この意味の場合は、商品や製品など
値段がつけられているモノに対して使うと考えて下さい。

 

そして2つ目は、
物事を誇張して言わないこと」という意味です。

誇張(こちょう)」とは、
「おおげさな様子」という意味です。

すなわち、「大げさでなく本当である様子
を強調したい時にこちらの意味を使います。

【例】⇒彼女の料理は、掛け値なしにおいしいよ。

こちらの意味は「言う時の様子」を表した言葉なので、
商品や製品以外にも様々な対象に使うことができます。

なので、実際には②の意味として使うことの方が多いです。

 

以上、2つの意味を紹介しました。

補足すると、「掛け値なし」は漢字を使って
掛け値無し」と書く場合もあります。

どちらを使っても意味自体は全く同じと考えて下さい。

スポンサーリンク

掛け値なしの語源・由来

 

掛け値なし」という言葉は、
江戸時代の三井越後屋が始めた商売の方法」に由来します。

まず「掛け値」とは、
実際の売値より高くつけた値段のこと」です。

現在でも売り手が買い手に対して値段を釣り上げることを
「吹っ掛ける」などと言いますよね。

このことから、「掛け値」は
「正規の値段よりも高くつけた値段」を指すのです。

 

では「掛け」という言葉は「ぼったくる様子から来ているのか」
と言うと実はそうではありません。

元々、江戸時代の商売では、
商品購入後にすぐお金を払うのではなく、一定期間後に代金を払う
という形が一般的でした。

例えば、その年の6月に商品を買ったとしたら、
年度末の12月にお金を払ったりするのが普通だったのです。

これを売り手からすると「掛け売り」、
買い手からすると「掛け買い」などと言います。

この方法であれば、買い手からすれば、
手元に現金がなくてもその場で商品を買えるというメリットがあります。

一方で、売り手からすると、
代金をちゃんと払ってくれなかったり、集金の手間がかかる
というデメリットがあります。

そこで、売り手側としては、
実際にお金を払うまでの期間の利息分を、
あらかじめ代金に上乗せし、通常より高い値段をつけていました

これが、「掛け値」と呼ばれるものです。

 

ところが、
その商売に目をつけたのが「三井越後屋」です。

三井越後屋」はお客に対して、
うちはその場で現金でお支払いください。その代わりお安くしますから。」と打ち出しました。

これが、「現金掛け値なし」商法です。

つまり、
現金をもらう代わりに、値段を高くしていない元々の価格で売る」ということですね。

 

「現金掛け値なし」は、
買い手からするとすぐに現金で払わないといけませんが、
その分値段が安いのはお得です。

なので、三井越後屋はどんどんと商品を売り、
規模が大きくなっていきました。

それが今もなお有名な「三越」百貨店なのです。

現在では「掛け値なし」の商売は当たり前ですが、
過去を振り返るとこのような歴史があったわけですね。

スポンサーリンク

掛け値なしの類語・対義語

掛け値なし 類語 反対語

 

続いて、「掛け値なし」の
「類語」と「対義語」を紹介します。

まずは「類語」からです。

 

  • 嘘のない
  • 誇張のない
  • お世辞でない
  • 大げさでない
  • 素直に
  • 正規の
  • 絶対値の
  • そのままの
  • ありのままの
  • 文句なしに
  • まさしく
  • 額面通り
  • 文字通り
  • 間違いなく
  • 正味(しょうみ)
  • 正真正銘(しょうしんしょうめい)
  • 尾鰭(おひれ)を付ける

※「尾鰭を付ける」とは、
「事実でないことを誇張を交えて話す様子」という意味です。

「尾ひれ」=「余計なもの」に例えたことわざだと考えて下さい。

 

以上、主な類語を紹介しました。

掛け値なし」は様々な言い換えができますが、
大まかなイメージとしては、「そのままの様子・ありのままの様子
と考えると分かりやすいかと思います。

要するに、
「何も手を加えていない状態」ということですね。

 

逆に、以下のように
何か手を加えたりする言葉は「反対語」となります。

 

  • 誇張した
  • 大げさな
  • お世辞臭い
  • 軽はずみな
  • 嘘の
  • 仮の
  • 虚飾の
  • 一時しのぎの
  • 暫定的の
  • 間に合わせの

 

こちらは主に否定的な意味として使います。

ちなみに、「掛け値あり
という言葉は存在しないので注意してください。

掛け値なしの英語訳

 

続いて、英語訳です。

「掛け値なし」は英語だと次のような言い方があります。

 

net(正味の)」

truthful(本当の・正直な)」

without exaggeration(誇張なしで)」

 

「net」は「巣・網」などの訳が一般的ですが、
形容詞で使うと「正味の・正価の」という訳になります。

また、「truthful」は「嘘を言わない様子」を表した形容詞です。

最後の「without~」は「~なしで」、
「exaggeration」は「誇張」という意味です。

 

例文だと、それぞれ以下のように言います。

The book is a net price.(その本は、掛け値なしの値段だ。)

She is a truthful woman.(彼女は正直な女性である。)

He explained the plan without exaggeration.(彼はその計画を誇張なしで説明した。)

スポンサーリンク

掛け値なしの使い方・例文

 

では、最後に「掛け値なし」の使い方を
例文で確認しておきましょう。

 

  1. 今回の新曲は、掛け値なしにヒットすると思うよ。
  2. 彼女の行動からは、掛け値なしのやさしさを感じるね。
  3. あいつのボランティア活動は、掛け値なしに素晴らしいと思う。
  4. こんなに盛大なお祝いをしてくれて、掛け値なしに嬉しいです。
  5. 掛け値無しに、ありがたいと感謝しています。
  6. お客さん。掛け値なしの値段なので、今がお買い得ですよ。
  7. 掛け値なしの愛情をもらい、すくすくと育った子供たちだ。

 

「掛け値なし」は、様々な場面で使うことができる慣用句です。

ただし、すでに説明した通り、
現代では「値段」の方の意味で使うことはあまりありません。

多くは、「誇張のない」という意味で使います。

 

なので、そこから派生して
本当の」「素直に」「大げさでなく」「お世辞抜きに
などの言葉で言い換えると理解しやすいでしょう。

上記の例文だと

  1. 大げさでなくヒットすると思う」
  2. 本当のやさしさを感じる」
  3. 素直に素晴らしいと思う」
  4. お世辞抜きに嬉しいです」

と言った感じですね。

他にも様々な言い換えができるので、
類語と合わせてこの言葉を覚えておくことをおすすめします。

関連:>>なしのつぶての意味とは?語源や使い方・例文を解説

まとめ

 

以上、今回の内容をまとめると、

掛け値なし」=①「高い値段をつけていないこと」②「物事を誇張して言わないこと

語源・由来」=「江戸時代の三井越後屋が始めた商売」から。「掛け値」とは「実際の売値より高くつけた値段のこと」

類語」=「嘘のない・誇張のない・お世辞でない・大げさでない・そのままの」など。

英語」=「net」「truthful」「without exaggeration」

ということでした。

 

「掛け値なし」という言葉は、表現の幅を広げることができます。

この記事をきっかけに、
ぜひ普段の生活で使ってみてはいかがでしょうか?

スポンサーリンク

The following two tabs change content below.

国語力アップ.com管理人

大学卒業後、国語の講師・添削員として就職。その後、WEBライターとして独立し、現在は主に言葉の意味について記事を執筆中。 【保有資格】⇒漢字検定1級・英語検定準1級・日本語能力検定1級など。

最新記事 by 国語力アップ.com管理人 (全て見る)