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コミュニケーションは技術だ 現代の国語 不幸な結果 本文解説 語句ノート

 

『コミュニケーションは技術だ』は、鴻上尚史による文章です。教科書・現代の国語にも収録されています。

ただ、本文を読むとその内容が分かりにくいと感じる箇所もあります。そこで今回は、『コミュニケーションは技術だ』のあらすじや要約、語句の意味などを解説しました。

『コミュニケーションは技術だ』のあらすじ

 

あらすじ

私は三十年以上演劇の演出家をしているが、一つだけ分かったことは、「コミュニケーションは技術だ。」ということだ。つまり、技術なので、やり方次第でどんどん上達するということだ。コミュニケーションはスポーツと同じように、やればやるだけ上達する。

コミュニケーションが下手なのは、野球やサッカーが下手なことと同じだ。野球やサッカーが下手な人は、そもそもそれらのスポーツをしたことがない。したがって、野球やサッカーが下手だからといって、人格的に問題があるわけではない。コミュニケーションもまた同じだ。

「コミュニケーションが下手なこと」と「コミュニケーションにおびえ、コミュニケーションを避けること」を混同してはいけない。コミュニケーションが下手でも、コミュニケーションに興味を持っていれば、ちょっとは練習を続け、やがて技量が少しずつ確実に上達する。

コミュニケーションも全く同じである。興味を失わず、少しずつ練習を続ければ、間違いなく上達するのだ。それではコミュニケーションのレッスンを始めよう。

『コミュニケーションは技術だ』の要約&本文解説

 

200字要約私が三十年以上演劇の演出家を続けてきて、一つだけ分かったことは、コミュニケーションは技術であり、スポーツと同じようにやり方次第でどんどん上達する、ということだ。野球やサッカーが下手であっても、それらのスポーツについて調べ、興味を持って練習を続ければ、やがて技量は少しずつでも確実に上達する。コミュニケーションも全く同じで、興味を失わず、ちょこちょこと練習を続ければ間違いなく上達するのである。(196文字)

筆者は、コミュニケーションは技術であり、やり方次第でどんどん上達する、と述べています。そして、コミュニケーションが下手なのは、野球が下手なのと同じようなものであるとも述べています。

野球が下手な人というのは、全く野球をしてこなかったり、あるいは少ししかやったことのない人です。

それと同じで、コミュニケーションが下手な人も、人と全くコミュニケーションをとってこなかったり、少ししか相手と話してこなかったりする人だということです。

したがって、コミュニケーションが下手であっても、コミュニケーションに興味を持ち、しっかりと調べ、練習を続けていけば、技量は少しずつでも確実に上達するのだと結論付けています。

全体を通した筆者の主張としては、「コミュニケーションは純粋に技術の問題であること」「コミュニケーションに興味を持ち、練習を続ければ確実に上達すること」という二点を把握することが重要となります。

『コミュニケーションは技術だ』の意味調べノート

 

【コミュニケーション】⇒社会生活を営む人間が互いに意思や感情、思考を伝達し合うこと。

【浮く(うく)】⇒ある集団の中で仲間との接触が薄くなる。

【演劇(えんげき)】⇒舞台で俳優が身ぶりやせりふによって物語や人物などを形象化し、観客の前で演じて見せる芸術。

【解散(かいさん)】⇒集まっていた人が分かれてばらばらになること。

【鈍感(どんかん)】⇒感じ方がにぶいこと。

【円滑(えんかつ)】⇒物事が滞らず、すらすら運ぶこと。

【能天気(のうてんき)】⇒軽薄でむこうみずなさま。のんきでばかげているさま。

【ふんぞりかえる】⇒威張って、他人を見下げるような態度をとる。尊大な態度をとる。

【次第(しだい)】⇒その物事によってどうにでも決まる意。

【まさに】⇒間違いなく。本当に。

【無茶(むちゃ)】⇒筋道が立たず、道理に合わないこと。

【混同(こんどう)】⇒区別しなければならないものを同一のものとして扱うこと。

【避ける(さける)】⇒好ましくない物・事と何らかの関わるをもつことのないよう一定の距離を保つ。

【路地裏(ろじうら)】⇒路地をはいり込んだ、表通りに面していない所。

『コミュニケーションは技術だ』のテスト対策問題

 

問題1

次の傍線部の仮名を漢字に直しなさい。

①大勢の前でキンチョウする。

②皮肉の通じないドンカンな人。

③物事をエンカツに進める。

④相手との接触をける。

⑤公使をコンドウする。

⑥空き地でボールをる。

解答①緊張 ②鈍感 ③円滑 ④避 ⑤混同 ⑥蹴
問題2

次の内、本文の内容を表したものとして適切でないものを選びなさい。

(ア)筆者は、演劇の演出家を三十年以上続けているが、いまだにうまくいくこともあれば不幸な結果になることもある。

(イ)コミュニケーションの途中でぶつかる困難さは、一人一人同じではないため、能天気にふんぞりかえることはできない。

(ウ)「コミュニケーションが下手なこと」と「コミュニケーションにおびえ、コミュニケーションを避けること」を混同してはいけない。

(エ)コミュニケーションが下手でも、その困難に立ち向かい、日々知らない人と会話をし続けていけば、その技量は少しずつ上達していく。

解答(エ)「困難に立ち向かい」「日々知らない人と会話を~」は、本文中には書かれていない。筆者は、コミュニケーションが下手でも、コミュニケーションに興味を失わず、ちょこちょこと練習を続ければ、間違いなく上達する。と述べている。

まとめ

 

以上、今回は『コミュニケーションは技術だ』について解説しました。ぜひ定期テストの対策として頂ければと思います。

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国語力アップ.com管理人

大学卒業後、国語の講師・添削員として就職。その後、WEBライターとして独立し、現在は主に言葉の意味について記事を執筆中。 【保有資格】⇒漢字検定1級・英語検定準1級・宅地建物取引士など。

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