この記事の所要時間: 527

 

今回は
唯物論」について
解説していきます。

 

「唯物論」という言葉は、
様々な場面で目にしますね。

「現代文」「世界史」「経済」「哲学」

中でも「哲学」の用語
というイメージが強いと思います。

 

ところが、
「哲学」となると分かりにくい
と感じる人はとても多いようです。

そのため、なるべく簡単に
解説していきたいと思います。

 

では、さっそく見ていきましょう。

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唯物論を簡単に

 

「唯物論」
の意味を調べると、
以下のように書かれています。

【唯物論(ゆいぶつろん)】

物質を根本的実在とし、精神や意識をも物質に還元してとらえる考え。唯物論的思想は古代ギリシャ初期、中国・インドなどにも現れているが、近代以後では一八世紀フランスの機械的唯物論、一九世紀のマルクスの弁証法的唯物論などが代表的。マテリアリズム。 ⇔ 唯心論

出典:デジタル大辞泉(小学館)

唯物論」とは、
物質がすべての根源とする考え
だと思ってください。

 

「物質」というのは、
私たちの身の回りを想像すると、
分かりやすいです。

 

例えば、
テレビ・冷蔵庫・机・イスなどです。

このような、
姿や形があり、目に見えるもの」を
物質」と呼んでいるのです。

 

では、
「物質を全ての根源とする」
とは一体どういう意味でしょうか?

 

具体例を出します。

世の中には、
「お金持ちの人」がいます。

そして、「お金持ちの人」は、
周りから見るととても幸せそうに見えます。

 

では、なぜ幸せそうに見えるのでしょうか?

 

その理由を
「唯物論」で考えると、

彼らが立派な家や車、おしゃれな時計などを身につけているから

という結論になります。

 

つまり、

「豊かな心を持つ人の根本には、
物質的に豊かな暮らしがあるから」

ということですね。

 

「唯物論」は、
全ての根本には「物質」という
大事なものがあると主張します。

 

したがって、
人間の心なども物質によって支えられている
と考えるのです。

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唯物論の対義語

 

「唯物論」の対義語は、
唯心論(ゆいしんろん)」となります。

「唯心論」の意味は、
以下の通りです。

【唯心論(ゆいしんろん)】

心(精神)が究極的な真実在であるとする存在論や世界観上の立場。プラトン・ライプニッツ・ヘーゲルなどがその代表的哲学者。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

唯心論」とは、
精神がすべての根源とする考え
を言います。

 

精神」とは、
人の感情や思考のこと」を指します。

例えば、
「うれしい」「楽しい」「つらい」
といったものです。

 

また、場合によっては
「神様」や「仏様」など宗教的なもの
に対しても使われます。

 

いずれも共通しているのは、
目に見えないもの」ということですね。

 

では、
「精神を全ての根源とする」
とはどういう意味でしょうか?

 

こちらも先ほどの、
「お金持ち」の例を出します。

先ほどの例だと、
「お金持ち」は物質的なものが
あるから幸せだと述べました。

 

しかし、
「唯心論」の場合は
そもそも人に感情があるから幸せなのだ
と主張するわけです。

 

「唯心論」は、
「物質よりも精神が根本にある」と考えます。

つまり、
「幸せ」というのは

お金持ちだろうが貧乏人だろうが、
その人の気持ち次第で変わる

ということを言いたいわけですね。

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唯物論と唯心論の違い

唯物論 唯心論 違い

 

ここまでの内容を整理すると、

唯物論」=物質がすべての根源とする考え。

唯心論」=精神がすべての根源とする考え。

ということでした。

 

比較すると分かる通り、
両者は正反対の考え方です。

 

唯物論」から見れば、
「精神」というのは仮の姿です。

そのため、
「物という大事な本質があるので、初めて精神が存在する」
という考えです。

 

一方で、
唯心論」から見れば、
「物質」というのは仮の姿です。

テレビや机なども、結局、
人間の意識が捉えているものなので、
「本当に存在するのは精神だけである」
という考えです。

 

これは、
「どちらが正しい」という
問題の話ではないです。

どちらもはっきりした
答えにはたどりついていません。

 

例えるなら、

  • 「昼と夜どっちが正しいの?」
  • 「太陽と月どっちが正しいの?」

といった質問と同じです。

 

したがって、
明確な答えは存在しないもの
だと思ってください。

 

ちなみに、
「唯物論」の方は
弁証法」という考え方が元になっています。

「弁証法」については、
以下の記事を参照してください。

>>弁証法とは?例を使い簡単にわかりやすく解説

 

この「弁証法」を受け継いだのが、
経済学者の「マルクス」です。

マルクスと言えば、
「資本論」の作者で有名ですが、
実は彼は「唯物史観」を唱えていたのです。

「唯物史観(ゆいぶつしかん)」とは、
「唯物論」を元にした考え方のことを言います。

 

マルクスは、
ある社会の人々の考え方は、
物質的な経済構造によって
決められていると主張しました。

 

簡単に言うと、
「社会を決めるのは、人の考えではなく、
お金や家など物質的なものである」ということですね。

そして、
実際にこの考え方を経済学に応用したのです。

 

このように、
「唯物論」という考え方は、
「哲学」だけでなく「経済学」にも
広がっていたわけですね。

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使い方・例文

 

「唯物論」と「唯心論」は、
実際の文章でどう使われるのでしょうか?

以下の例文で、確認しておきましょう。

 

【唯物論の使い方】

  • 唯物論的な立場から、キリスト教を激しく批判する。
  • マルクスは、唯物論の考え方を経済学に応用した。
  • 彼は、占いのことを全く信じない唯物論者だ。
  • 物理学は、唯物論の考え方が根底にあると言える。

 

【唯心論の使い方】

  • 唯心論は、精神があるから事物は存在すると考えている。
  • 唯心論的なイデオロギーによって、神様を語る。
  • 唯心論の考えを学問にしたのが、形而上学である。

 

現代文では、
「唯物論」と「唯心論」は、
政治・経済などをテーマとした
文章でよく登場します。

したがって、
「政治・経済」の知識も合わせて
覚えておくことをおすすめします。

関連記事:>>イデオロギーとは?意味をわかりやすく解説

関連記事:>>形而上学とは?意味をわかりやすく解説

まとめ

 

今回の内容をまとめると、

唯物論」=物質がすべての根源とする考え。

唯心論」=精神がすべての根源とする考え。

ということでしたね。

 

なるべく簡単に解説しましたが
いかがだったでしょうか?

ぜひ正しい意味を
覚えていただきたいと思います。

今回は以上となります!

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