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絵を前に思いをめぐらす 教科書 解説 意味調べノート 100字要約

 

『絵を前に思いをめぐらす』は、教科書・現代の国語に載せられている文章です。ただ、本文を読むとその内容が分かりにくい箇所もあります。

そこで今回は、『絵を前に思いをめぐらす』のあらすじや要約、語句の意味などを簡単に解説しました。

『絵を前に思いをめぐらす』のあらすじ

 

本文は、内容により3つの段落に分けることができます。ここでは、各段落ごとのあらすじを簡単に紹介していきます。

あらすじ

①私たちが絵をみるときは、ただ漠然と思いをめぐらすのがよい。難しいことではなく、ただ見るだけでよい。すると、いろんな雑念が浮かんでくる。雑念が浮かぶ状態には、「始まり」も「終わり」も「問い」も「答え」もない。絵は整理された考えというよりは、はるかに雑念に近いので、雑念として感じるだけでよいのだ。

②だからといって、すべての絵についてそうする必要はない。絵には、いわば見る者とのあいだの「相性」がある。世に名高い名画があなたと相性がよいとは限らない。逆に、どこの誰が描いたかもわからないごく平凡な絵があなたを引きつけることだってある。でも、私たちは絵を教育によって学んでしまっているので、勘違いをしてしまう。

③そういう意味では、絵の鑑賞とは、通俗的な恋愛やお見合いに近い気がする。誰かと恋に落ちる、一目惚れをするといったことは理由はわからない。同様に、どの絵を好きになるかは問いも答えもない。唯一無二の存在と存在が交錯し、響き合うかだけなので、学習も価値もない。「いい」と思ったら受けとめるしかないのだ。

『絵を前に思いをめぐらす』の要約&本文解説

 

100字要約私たちが絵を見るときは、ただ見て感じ取り、漠然と思いをめぐらすのがよい。絵の鑑賞は、通俗的な恋愛やお見合いに近く、どの絵を好きになるかに問いも答えもない。「いい」と思ったら受け止めるしかないのだ。(98文字)

私たちは絵をみるときに、「この絵はこういうふうに見るとよい」「この絵にはこういう歴史的な背景がある」などの教えをもとに、その絵を見てしまいがちです。

しかし、筆者は、本来の絵の鑑賞というのは、ただその絵を見て漠然と感じるだけでよいのだと主張します。なぜなら、絵というのは整理された考えなどよりは、はるかに雑念に近いものだからです。

また、絵というのは、見る者とのあいだに「相性」があるのだと述べています。例えば、世に名高い名画を見ても何も感じない人がいたりする一方で、どこの誰が描いたかもわからないような平凡な絵に感動をしたりする人もいます。

これは言わば、通俗的な恋愛やお見合いに近いのだと筆者は続けます。人が誰かのことを好きになるのは、「なんだか気になる」「何となく好きだ」などといった、理由が分からない場合が多いです。

同様に、どの絵を好きになるのかというのも、明確な問いや答えがあるわけではありません。その点で、筆者は「絵」というのは、学習も価値も何もなく、「いい」と思ったら受け止めるしかないものだと考えているわけです。

『絵を前に思いをめぐらす』の意味調べノート

 

【一挙(いっきょ)】⇒一度に事をなすこと。

【漠然(ばくぜん)】⇒ぼんやりとして、はっきりしないさま。

【思いをめぐらす】⇒あれこれと考える。いろいろと考えてみる。

【成形(せいけい)】⇒かたちづくること。

【惑わす(まどわす)】⇒判断や考えなどを混乱させる。

【雑念(ざつねん)】⇒気を散らす種々の思い。気持ちの集中を妨げるいろいろな思い。

【故郷(こきょう)】⇒生まれ育った土地。ふるさと。

【境地(きょうち)】⇒ある段階に達した心の状態。「無の境地」で、色々な考えや感情が消え、心の中が静かで穏やかな状態を表す。

【思索(しさく)】⇒物事の筋道を立てて、深く考え進むこと。

【名画(めいが)】⇒すぐれた絵。名高い絵。

【平凡(へいぼん)】⇒特にすぐれたところがなく、並みなこと。

【鑑賞(かんしょう) 】⇒芸術作品などを理解し、味わうこと。

【通俗的(つうぞくてき)】⇒世間一般で好まれるさま。俗受けのするさま。

【麗しい(うるわしい)】⇒美しい。きれいである。

【へったくれ】⇒取るに足りないと思うものを、ののしっていう語。

【唯一無二(ゆいいつむに)】⇒この世でただ一つしかないこと。ただそれ一つだけしかなく、二つとないもの。

【交錯(こうさく)】⇒いくつかのものが入り混じること。

『絵を前に思いをめぐらす』のテスト対策問題

 

問題1

次の傍線部の仮名を漢字に直しなさい。

バクゼンとした思い。

②相手をマドわす。

コキョウに帰る。

ザツネンをなくす。

⑤音楽をカンショウする。

ツウゾク的な恋愛。

⑦夢と現実がコウサクする。

解答①漠然 ②惑 ③故郷 ④雑念 ⑤鑑賞 ⑥通俗 ⑦交錯
問題2筆者は、絵を前にして私たちは何をするのがよいと述べているか?第一段落から10文字で抜き出しなさい。
解答漠然と思いをめぐらす(10文字)
問題3筆者は、絵を「かたまり」の出力として接してよいと述べているが、それはなぜか?本文中の語句を使い、30文字以内で答えなさい。
解答絵は、整理された考えなどよりは、はるかに雑念に近いから。(28文字)
問題4

次の内、本文の内容を表したものとして適切でないものを選びなさい。

(ア)絵には、始まりも終わりも問いも答えもなく、ただ、見て感じるしかない。

(イ)絵を見ることは、整理された考えなどよりは雑念に近く、無の境地にあるものと言ってもよい。

(ウ)どの絵があなたの「かたまり」としての思索を導き出すかは、まったくわからず、そこに法則などはない。

(エ)どの絵を好きになるかは、恋心と同様に問いや答えなどはなく、好きになったらそこに理由などはない。

解答(イ)本文中には、「絵は整理された考えなどよりは、はるかに雑念に近く、無の境地などではない。むしろ逆である。」と書かれているため、誤り。

まとめ

 

以上、今回は『絵を前に思いをめぐらす』について解説しました。ぜひ定期テストの対策として頂ければと思います。

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国語力アップ.com管理人

大学卒業後、国語の講師・添削員として就職。その後、WEBライターとして独立し、現在は主に言葉の意味について記事を執筆中。 【保有資格】⇒漢字検定1級・英語検定準1級・宅地建物取引士など。

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