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文化相対主義とは 意味 具体例 問題点 a

 

今回は、
文化相対主義
について解説していきます。

 

「文化」についての考察は、
「現代文」のテーマとしてよく出てきますよね。

ところが、
実際は「分かりにくい」と感じる人も多いようです。

そのため、具体例なども交えて
分かりやすく解説していきたいと思います。

 

まずは、基本的な意味から
押さえておきましょう。

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文化相対主義の意味

 

「文化相対主義」
の意味を調べると、
次のように書かれています。

【文化相対主義(ぶんかそうたいしゅぎ)】

全ての文化は優劣で比べるものではなく対等である、という思想のこと。

出典:Wikipedia

文化相対主義」とは、
全ての文化には価値があるので、そこに優劣はない
とする考え方です。

 

「優劣」とは、
「すぐれているか劣っているか」という意味です。

 

つまり、
優劣をつけずに、全ての文化を大切にしていこう
という考え方を「文化相対主義」と呼ぶわけですね。

文化相対主義の具体例

文化相対主義 具体例

 

では、「文化相対主義」とは、
具体的にどのような考えを言うのでしょうか?

 

「食文化」を
例にして考えてみましょう。

 

日本では、
「ご飯にみそ汁、納豆に漬け物」
といったメニューが昔からありますよね。

一方で、欧米では
パンにステーキ、ワインといった
こってりした食事メニューが中心です。

 

その他の国も様々な食文化があります。

例えば、
中国ではラーメンやチャーハン、ギョウザといった
中華料理が有名です。

インドでは、カレーにナンといった
スパイス料理が好まれています。

 

このように食事の内容だけでも、
多種多様な違いがあるのです。

 

さらに付け加えると、
食べ方にも違いがありますよね?

  • 「日本」⇒はしを使って食べる
  • 「欧米」⇒ナイフやフォークを使う
  • 「東南アジア」⇒手づかみで食べる

 

つまり、
それぞれの国によって異なるのが文化なのです。

 

そのため、自国の人から見れば
他国の文化が異様に見える場合もあります。

  • 「毎日朝から肉を食べるなんて重たすぎる!」
  • 「なんで手づかみで食べるの?手が汚れるじゃん!」
  • 「あなたこそ、なんで箸とか面倒くさい道具使うの?」

 

このように、文化が多様だと
「それぞれの文化に対してどっちが優れているか」
といった考え方が出てきます。

 

そこで、
優劣なんて決めずに、それぞれの文化を大切にしよう
という考え方に行きつくわけです。

これが、
文化相対主義」と言われるものです。

 

「文化相対主義」は、
それぞれの文化に対して固有の価値を認めます。

そして、序列や順位をつけません。

 

つまり、
文化の価値を平等視する
ということですね。

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文化相対主義の対義語

文化相対主義 対義語

 

「文化相対主義」の対義語は、
自文化中心主義」や「自民族中心主義」と言います。

 

「自文化中心主義」は、英語だと
ethnocentrism(エスノセントリズム)
と訳されています。

意味は、
自分たちの文化を基準として、
他文化を否定したり低く評価したりする考え方」です。

 

「自文化中心主義」は、
ヨーロッパの「帝国主義」を
例に出すと分かりやすいでしょう。

 

「帝国主義」とは、
ヨーロッパの国々がこぞって
アジアやアフリカを植民地にした時代のことです。

当時の西洋人たちは、自分たちのことを
正しい知識を持った進んでいる文化
と考えていました。

そのため、
西洋に遅れているアジアやアフリカに対して
自分たちは助けてやっているんだ
という考え方をしていたのです。

 

このことから、
当時の西洋人たちは「自文化中心主義」に
とらわれていたことが分かります。

 

つまり、
彼らは自分たちの文化を「普遍的」で
他国の文化は「特殊」と考えていた
ということですね。

「普遍的」と「特殊」の意味は、
以下の記事を参照してください。

>>普遍的の意味とは?対義語や使い方も解説

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文化相対主義の問題点

文化相対主義 問題点

 

ここまでは、
「文化相対主義」のメリットばかりを
取り上げてきました。

しかし、
「文化相対主義」にも問題点はあります。

 

よく言われるのが、
道徳的な問題」です。

 

この問題は、
多文化主義」とも共通しています。

関連記事:>>多文化主義とは?メリットや問題点を解説

 

「文化相対主義」を極度に推し進めれば、
文化なのだから何でも認めてよ
ということになってしまいます。

 

例えば、
生贄(いけにえ)
と呼ばれる文化がありますよね。

「生贄」とは
「神様へのお供え物として生きた動物を差し上げること」です。

 

生贄の儀式は文化と言えば文化ですが、
道徳的な観点からいくと問題はありそうです。

何しろ、動物の命を簡単に奪うわけですからね。

特に、犬や猫を飼っている人からすれば、
とても残酷な気持ちになるでしょう。

 

つまり、どんな文化でも平等に認めると、
それを受け入れられない人も多くなるわけです。

いわば、
逆の意味での「価値観の強制」ですね。

 

また、文化を平等視しすぎると
アイデンティティが喪失されてしまうのでは?
と主張している学者もいます。

「アイデンティティ」については、
以下の記事を参照してください。

>>アイデンティティの意味をわかりやすく解説

 

私たちは、自国と他国の文化を
比較しながら生きています。

その時に、意識しているのは
「アイデンティティ」です。

 

もしも、文化を比較することが許されず、
何でも受け入れることになったらどうでしょうか?

その場合は、当然
私たちの「アイデンティティー」は
希薄になってしまうでしょう。

まとめ

 

今回の内容をまとめると、

文化相対主義」=全ての文化には価値があるので、そこに優劣はない。

という考え方でしたね。

 

本来は、「文化相対主義」は、
文化の多様性を認める考えです。

しかし、一方では、
「オレはオレ、あいつはあいつ」のような
無関心と接続してしまう危険性もあるのです。

そのことも頭に入れておきましょう。

 

今回は以上です!

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