この記事の読了目安: 655

アンビバレンスの意味 使い方 例文 心理

 

アンビバレンス」という言葉をご存知でしょうか?

見慣れないカタカナ語ですが、
心理学の用語として有名な言葉です。

また、最近で音楽の歌詞や漫画、
ドラマの中でもよく使われているようです。

今回はそんな「アンビバレンス」の意味を、
具体例を交えなるべく簡単にわかりやすく解説しました。

後半では「類義語」などにも触れています。

さっそく、確認していきましょう。

スポンサーリンク

アンビバレンスの意味

 

まず、「アンビバレンス」の意味を辞書で引くと、
次のように書かれています。

【アンビバレンス(ambivalence)】

同一の対象に対して、愛と憎しみのような相反する感情や態度が同時に存在していること。両価性。両面価値。

出典:三省堂 大辞林

アンビバレンス」とは、
同一の対象に対して、相反する感情を同時に持つこと」を意味します。

一言で、「両価性」「両面価値」などと呼ばれることもあります。

 

具体例を挙げましょう。

A君は大学に合格するために、受験勉強を始めました。

ところが、A君には付き合っている彼女がいます。

最初は、彼女に会うと勉強時間が減ってしまうため
会いたくない」と思っていました。

一方で、「好きな彼女に会いたい
という気持ちも次第に芽生えてきました。

結果的に、A君は
彼女に会いたいけど、会いたくない
という相反する感情を抱くことになります。

このような時、
「A君はアンビバレンスを抱いた」と言うのです。

つまり、
心の中に正反対の感情が同居すること」を
「アンビバレンス」と言うわけですね。

 

「アンビバレンス」を抱くときは、
必然的に心の中で相反する感情が生まれます。

相反(あいはん)」とは
お互いが対立する関係になること」です。

したがって、
心の中に「好き」と「嫌い」、「楽しい」と「辛い」
など真逆の感情が対立することを意味するのです。

アンビバレンスの語源・由来

アンビバレンス 語源 由来

 

アンビバレンス」は、ドイツ語の
ambivalenz(アンビヴァレンツ)」に由来します。

「ambivalenz」は日本語だと「両価性」「両面価値」「両面感情
など複数の訳がありますが正式な訳語は決まっていません。

元々この言葉は、「フロイト」という
学者が唱えた精神分析の用語から広まりました。

フロイトは、「人はアンビバレンスを抱く時、
自分にとって望ましくない方の感情がその人に影響を与える
」と主張しました。

これはどういうことか言いますと、
プラスとマイナスの二つの感情があった場合、
人はマイナスの方の感情に強く影響を受けてしまうということです。

 

例えば、ライバルに対して
「好き」と「嫌い」の両方の気持ちを抱いていたとしましょう。

普通であれば、「好き」と「嫌い」が半々なので、
どちらの気持ちも等しく影響を与えると思いがちです。

しかし、実際には、自分がライバルを尊敬していることを認めたくないために、なぜか敵対心の方をむき出しにしてしまうようなことが多々あるかと思います。

フロイトはこのような現象を主張したということです。

 

以上の事から考えると、「アンビバレンス」の本来の意味は、
望ましくない感情が無意識に人を抑圧すること」だと分かるかと思います。

転じて、現在では「相反する感情を同時に持つこと
という意味で広く一般に使われているということです。

スポンサーリンク

アンビバレンスの使い方

アンビバレンス 使い方 例

 

「アンビバレンス」の使い方を具体例とともに見ていきましょう。

以下に、代表的な例を3つ挙げました。

 

①家族

 

家庭内で「アンビバレンス」を抱くことは多いと言えます。

例えば、
父親」と「子供」の関係です。

一般的には、一家の大黒柱として働いてくれる「父」に対して、
「子」は尊敬の念を抱きますよね。

しかし、ある日突然、
父の見たくはない一面を見てしまってはどうでしょうか?

当然のごとく、
「尊敬」と「軽蔑」という正反対の感情を持つことになるでしょう。

このような時、
「子は父にアンビバレンスを抱いた」と言うわけです。

 

②仕事

 

「仕事」に対しても、
「アンビバレンス」を抱くことは多いです。

「仕事」というのは、
働けば働くほどお金はたくさんもらえます。

一方で、仕事をすればするほど、
自由な時間は減ってしまうでしょう。

 

すると、以下のような相反する感情が芽生えることになります。

  • 「お金が欲しいから働きたい。」
  • 「遊びたいから働きたくない。」

働きたいけど、働きたくない

このような心理状態は、まさに「アンビバレンス」と言えるのです。

 

③スポーツ

 

スポーツ選手も例外ではありません。

よく挙げられるのが、プロ野球選手です。

一般的には、野球選手、
特に投手の肩やヒジは消耗品と言われています。

そこでオフシーズンに入ると、

  • 「球速・制球力を上げるために投げ込みをしたい」
  • 「でも、疲労を取るために肩・ヒジを休みたい」

といった気持ちが芽生えます。

練習したいけど、練習したくたい

まさに、「相反する感情」だと言えますね。

スポンサーリンク

アンビバレンスの類義語

 

「アンビバレンス」の「類義語」は以下の通りです。

 

【相反性(そうはんせい)】お互いが正反対の関係で対立していること。

一つの事象が真逆の関係性を表す時に使われる。

【例文】

  • 提出案に対して、相反性のある意見が出された。
  • 色の好みは人の性格などにより相反性が表れる。

 

【愛憎(あいぞう)こもごも】好きと嫌いが併存すること。

「愛」がありながらも「憎しみ」もあることから、
「好き」と「嫌い」という感情を同時に持つことを意味します。

愛憎半ば」という「同義語」が使われる場合もあります。

【例文】

  • 結婚して数年だが、愛憎こもごもの思いになってきた。
  • 子育てが大変すぎて、愛憎半ばの感情が芽生えてきた。

 

【葛藤(かっとう)】心の中に相反する欲求が同時に起こり、どちらを選ぶか迷うこと。

「葛藤」は、自分の心の中であれこれと悩む複雑な心理状態を指し、
2つまたはそれ以上の欲求や意向が相反するような時に使います。

【例文】

  • 夜食を食べようかどうか葛藤したが、食べてしまった。
  • 様々な葛藤の上、断りの電話を入れることにした。

 

なお、「アンビバレンス」ではなく
アンビバレント」と言うこともあります。

「アンビバレント」とは、
アンビバレンス(名詞)が形容詞になったもの」だと考えて下さい。

 

「英語」と「日本語」で比較すると、次のようになります。

ambivalence(名詞)」=両価性。両面価値。

ambivalent(形容詞)」=両価的な。両価性の。両面価値の。

どちらもよく使われるので、両方とも覚えておきましょう。

スポンサーリンク

アンビバレンスの例文

 

最後に、「アンビバレンス」の使い方を
実際の例文で紹介しておきます。

 

  1. アンビバレンスとは、同一の対象に矛盾した感情を抱くことである。
  2. 彼は彼女への「愛情」と「憎悪」というアンビバレンスを抱いた。
  3. フロイトは、「アンビバレンス」によって人間の本能が相反すると主張した。
  4. 彼女は、「好きだが嫌い。嫌いだが好き」というアンビバレントな感情に揺さぶられた。
  5. 今の私は、「受容」と「拒絶」の2つが同居するアンビバレントな心理状態にある。
  6. 警察官は「強い正義感」と「不正に対する憎しみ」というアンビバレントな要素を持ち合わせていなければならない。

 

「アンビバレンス」は、
上記のように様々な場面で使うことができます。

一般的には、男女の恋愛に対して使うことが多いです。

ただし、語源の章でも紹介したように元は心理学の用語であったため、必ずしも恋愛に限定されるというわけではありません。

仕事、人間関係など人の心理が関係する状況であれば、
場面を問わず普通に使うことができます。

状況に応じて上手く使い分けるようにしてください。

関連:>>ジレンマの意味とは?使い方や例文・類語を解説

関連:>>サイコパスとは?意味をわかりやすく簡単に解説

まとめ

 

以上、内容を簡単にまとめると、

アンビバレンス」=同一の対象に対して、相反する感情を同時に持つこと。

語源・由来」=ドイツ語の「ambivalenz(アンビヴァレンツ)」。元は精神用語から。

類義語」=「相反性・愛憎こもごも・葛藤」

ということでした。

 

「アンビバレンス」を抱くことは、決して悪いことではありません。

むしろ人間として当然の心理だと言えます。

正しい意味を理解したからには、
ぜひ今後の文章で使ってみてはいかがでしょうか。

スポンサーリンク

The following two tabs change content below.

国語力アップ.com管理人

大学卒業後、国語の講師・添削員として就職。その後、WEBライターとして独立し、現在は主に言葉の意味について記事を執筆中。 【保有資格】⇒漢字検定1級・英語検定準1級・日本語能力検定1級など。

最新記事 by 国語力アップ.com管理人 (全て見る)