この記事の読了時間: 53

要綱 要領 違い 要項 使い分け

要綱」と要領

どちらの言葉も役所などの堅い文章から普段の文章まで
幅広く使われているイメージだと思います。

さらに、「要項」という言葉を使う場合もあります。

これらの言葉は、
一体どう使い分ければいいのでしょうか?

さっそく、確認していきましょう。

スポンサーリンク

要綱の意味・読み方

 

まずは、「要綱」の意味と読み方です。

【要綱(ようこう)】

基本となる大切な事柄。また、それらをまとめたもの。綱要。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

要綱」とは、
大切なことをまとめたもの」を言います。

主に役所の政策や事務処理などに対して使うことが多い言葉です。

例えば、以下のように使います。

  • 役所の開発指導要綱に従う。
  • 地方自治体の指導要綱に従う。

「指導要綱」とは、
大切な事なので守ってください
というルールのようなものだと考えてください。

「要綱」は、「まとめる」という意味が強い言葉です。

したがって、それぞれのルールを大まかに
まとめるような時にこの言葉を使うのです。

要領の意味・読み方

 

続いて、
「要領」の意味と読み方です。

【要領(ようりょう)】

物事の最も大事な点。要点。

物事の要点をつかんだ、うまい処理の仕方。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

要領」とは、
物事の最も大事な点」という意味です。

一言で「要点」と覚えてもよいでしょう。

 

よくある使い方が、
文部科学省の出す「学習指導要領」です。

「学習指導要領」とは、
「学生がどんな学習をすればよいかを示したもの」を意味します。

例えば、以下のようなものです。

  • 英語は小5から正式科目にする。
  • 数学は年間〇〇時間学ぶ。
  • グループ活動や実験を増やす。

このように、
物事の大事な点を具体的に細かくしたもの
「要領」と言うのです。

 

また、「要領」には「物事を処理する方法」という意味もあります。

この場合は以下のように使います。

  • 要領が悪い覚え方。
  • 要領が良い作業。

簡単に言うと、
「センスやコツ」ということですね。

スポンサーリンク

要綱と要領の違い

要綱 要領 違い 使い分け

 

ここまでの内容を整理すると、

要綱」=大切なことをまとめたもの。

要領」=物事の最も大事な点。物事を処理する方法。

ということでした。

 

両者の違いを2つの点から比較したいと思います。

まず1つ目は、
大切なことが具体的かどうか」です。

 

「要綱」は、行政のルールを大ざっぱにまとめたものを指します。

したがって、内容的にはそこまで具体的に
書かれていないのが一般的です。

一方で、「要領」の方は、
それぞれの要点を細かく記したものを指します。

そのため、
「要領」は「要綱」よりも具体的に書かれるのです。

 

両者の語源も比較しておくと、「要綱」の「」は
つな」や「ロープ」といった意味があります。

「ロープ」というのは、太くて強いイメージですよね。

つまり、「要綱」の方は、
物事を大きくまとめた基本方針などに使われるのです。

 

対して、「要領」の「」は、
「領土」「領地」などのように
「細かく分ける・分割する」という意味があります。

よって、「要領」の方は、
大事な点を具体的に細かくしたものという意味になるのです。

 

2つ目は、
「方法」や「処理の仕方」という意味でも使うかどうかです。

「要領」の方は、
「物事を処理する方法・処理の仕方」という意味でも使えます。

一方で、「要綱」の方はこのような使い方はしません。

【例】

要綱が悪い。×

要領が悪い。

」という字は、
「領土」「統領」などがあるように
「物事をうまく治める・まとめる」などの意味もあります。

ゆえに、物事を行う時の方法や処理の意味で使う時は
「要領」を使うのです。

スポンサーリンク

要項の意味・使い分け

 

似たような言葉で、「要項」があります。

「要項」の意味も確認しておきましょう。

【要項(ようこう)】

大切な事柄。必要な事項。また、それを記した文書。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

要項」とは、
大切なこと・必要なこと」という意味です。

よくある使い方が「募集要項」です。

「募集要項」とは、
入試の受験時などに学校側が書く項目となります。

内容としては、

  • 受験科目
  • 受験会場
  • 募集人数
  • 試験時間

といったものです。

 

意味としてはほぼ同じようなイメージですが、
「要項」の場合は「要領」と同様に細かく具体的なものとなります。

この時点で、大まかな指針や方針をまとめたものである
「要綱」とは異なる言葉ということが分かるでしょう。

また、「要領」との違いですが、
「要項」は項目ごとに箇条書きになるのが一般的です。

一方で、「要領」の場合は、
必ずしも箇条書きになるとは限りません。

「要領」は、箇条書きに限定されるわけではなく、
具体的な方法や方針・目的など「要項」よりも幅広い意味で使われるのです。

使い方・例文

 

では、最後にそれぞれの使い方を
例文で確認しておきましょう。

 

【要綱の使い方】

  1. 各市町村が定めている税金の指導要綱に従う。
  2. 市町村の建築指導課に建物に関する要綱を質問した。
  3. 国土交通省より宅地開発指導要綱が発表された。
  4. GHQから渡された当時の憲法改正要綱を確認する。
  5. 市が発表している委員会設置要綱を以下の通りである。

 

【要領の使い方】

  1. 文部科学省から学習指導要領が発表された。
  2. 幼稚園における教育要領に基づいた指導を行う。
  3. 消防庁が発表している予防実施の要領を守る。
  4. 要領が良い人と悪い人には決定的な差がある。
  5. 君の仕事の仕方は要領が悪いので改めたほうがいい。

 

【要項の使い方】

  1. 宅建の資格を受けるために募集要項を確認する。
  2. 早稲田大学の各学部の募集要項をチェックする。
  3. 今回の参考要項は、参加者全員に伝えられているようだ。

 

関連:>>措置と処置の違いとは?意味や使い分けを解説

関連:>>趣旨と主旨の違いとは?意味や使い分け・類語も解説

まとめ

 

以上、今回の内容をまとめると、

要綱」=大切なことを(大きく)まとめたもの。

要領」=大事な点を細かくしたもの。処理する方法。

要項」=大事な点を細かく箇条書きにしたもの。

ということでした。

ポイントは、
漢字の成り立ちを記憶しておくことです。

  • 」⇒「ロープなので大きい」
  • 」⇒「領土のように分ける」
  • 」⇒「細かい項目に分ける」

このように覚えておけば、違いを忘れることはないでしょう。

スポンサーリンク

The following two tabs change content below.

国語力アップ.com管理人

大学卒業後、国語の講師・添削員として就職。その後、WEBライターとして独立し、現在は主に言葉の意味について記事を執筆中。 【保有資格】⇒漢字検定1級・英語検定準1級・日本語能力検定1級など。

最新記事 by 国語力アップ.com管理人 (全て見る)