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教科書 世界をつくり替えるために 要旨 200字要約 感想 テスト問題 ノート

 

『世界をつくり替えるために』は、高校現代文の教科書に出てくる評論文です。「学ぶことの意味」をテーマとした作品で、定期テストの問題や感想文などとして出題されています。

ただ、実際に本文を読むとその内容や筆者の主張が分かりにくいと感じる人も多いと思われます。そこで今回は、『世界をつくり替えるために』の要旨や語句、テスト対策などを含めなるべく簡単に解説しました。

『世界をつくり替えるために』のあらすじ

 

あらすじ

自分と世界の関係がぴったりと感じられない宿命的なズレを感じ、自分がこの世界にいることがとても不思議で奇妙なことに思えてくることがある。しかし、この感覚こそ学ぶことの根拠に触れているあかしであり、あらゆる未来の「種」を生み出す起点にほかならない。

人間は言葉を用い、世界と自分をはっきりと分けて認識している。このことが、人間が世界と自分との間にズレを感じる理由である。重要なのは、このズレがあるからこそ、人間は自足することができず、自分が生きる世界を絶えずつくり替えていかなければならないということだ。人間は、自由に世界を学び、世界を自分に合うようにつくり替える努力を積み重ねてきた。それが歴史ということだ。しかし現代において、人間が行っている世界のつくり替えは、あまりにも高度で複雑だ。学ぶことは二段階あり、自然を学ぶことが第一段階だとすれば、自然を学んだ人間がつくりだしたものを学ぶことが第二段階だ。この第二段階のために特に必要とされているのが学校である。

何かを本当に学ぶためには、好き嫌いの感覚をさしあたり停止して、どうして好きなのか、どうして嫌いなのかを正視しなければならない。好きだから、嫌いだからで終わってはいけない。また、学ぶためには、全体を見ることと同時に一点を見なければならない。皆さんに課されているのは、正解を知ることではなく、頭の働かせ方を学ぶことだ。それにより、自分自身を変え、自分の世界を自分でつくり直していくことである。

世界の中で生きていることに対する違和感、世界と自分の間に感じられる越えがたいズレの中に全ての「種」が詰まっている。学校の勉強は無味乾燥に感じるかもしれないが、その中にも「種」はある。心の中に「種」を宿しておくことがとても大切なのである。

『世界をつくり替えるために』の要約解説

 

200字要約自分と世界の関係にズレを感じ、一人で生きているという孤独を感じるからこそ、人間は世界を学び、世界を自分に合うようにつくり替える努力をしてきた。現代において、人間は自然を学ぶことと自然を学んだ人間がつくりだしたものを学ぶという二段階の学びが宿命づけられ、この第二段階のために学校が必要である。学ぶためには、好き嫌いの感覚をさしあたり停止して考えること、全体を見ながら同時に一点を見ることが重要である。(199文字)
ポイント筆者は、普段の学校生活の中で、誰もが感じるような「ズレ」の感覚や、自分がこの世界に一人で生きているという孤独感こそが、実は学ぶことの根拠だと述べています。 私たちが学ぶことには二段階あり、「自然を学ぶこと」が第一段階、「人間が作り出したもの学ぶこと」が二段階で、後者のために必要とされているのが学校ということになります。 ただ、学ぶというのは正解を知ることではなく、頭の働かせ方を学ぶことだと述べています。つまり、何かすでにわかっていることを「覚える」のではなく、自分の世界を自分の力でつくり替えることが大切ということです。

『世界をつくり替えるために』の語句・漢字ノート

 

【路傍(ろぼう)】⇒道ばた。

【妨げる(さまたげる)】⇒じゃまをする。妨害する。

【身(み)にまとう】⇒身に付ける、服を着る。などの意味。

【宿命的(しゅくめいてき)】⇒もとからそのように決まっていて、変えることができないように思われるさま。

【奇妙(きみょう)】⇒珍しいこと。説明できないような不思議なこと。

【あかし】⇒証明。証拠。

【起点(きてん)】⇒物事の始まるところ。出発点。

【対象(たいしょう)】⇒認識や行為の向かう相手。

【自足する(じそくする)】⇒自分で自分の状態に満足する。

【越えがたい(こえがたい)】⇒越えることが難しい。

【体系(たいけい)】⇒さまざまな要素が関係を持ってまとまってできた知識などの全体。

【暦(こよみ)】⇒時間の流れを年・月・週・日といった単位に当てはめて数えるように体系付けたもの。

【巡る(めぐる)】⇒まわって再びもとに返る。

【ブロックする】⇒妨げる。妨害する。

【独りよがり(ひとりよがり)】⇒人の意見を聞かないで、自分一人でよいと思い込んでいること。

【さしあたり】⇒先のことはともかく、今のところ。今しばらくの間。当面。

【正視(せいし)】⇒まともに見ること。正面からまっすぐに見ること。

【矛盾(むじゅん)】⇒つじつまの合わないこと。

【距離を置く(きょりをおく)】⇒離れる。

【術(すべ)】⇒方法。やりかた。

【公理(こうり)】⇒一般に通用する道理。

【コンテクスト】⇒物事の筋道や背景。状況。

【特異点(とくいてん)】⇒他と比べて特に異なっている点。

【課(か)されている】⇒仕事や責任などを負わされている。やらなければならないこととされている。

【無味乾燥 (むみかんそう)】⇒なんの面白みも味わいもないさま。

【仕掛け(しかけ)】⇒目的のために巧みに工夫されたもの。装置。

『世界をつくり替えるために』のテスト問題対策

 

問題0

次の下線部の仮名を漢字に書き換えなさい。

①学校にチコクする。

ロボウの草むらをながめる。

③交通をサマタゲルような渋滞。

④星の運航からコヨミをつくる。

ムジュンした意見を述べる。

⑥髪をかき上げるクセ

ムミカンソウな文章。

解答①遅刻 ②路傍 ③妨げる ④暦 ⑤矛盾 ⑥癖 ⑦無味乾燥
問題1「こうした感覚は大人になると失われてしまう」とあるが、「こうした感覚」とはどういう感覚か?
解答例自分と世界の関係にズレを感じたり、「自分一人でここに生きている。」と感じたりする感覚。
問題2「鳥は、本当に自由なのだろうか。私はそうではないと思う。」とあるが、なぜ「私はそうではないと思う。」のか?
解答例言葉を用いない鳥は、人間がするようには自分の住む世界を対象として捉えることができず、世界の中に閉じ込められているから。
問題3「私たちは今、その結果としての世界を生きているのだ。」とあるが、「その結果としての世界」とは、どういう世界か?
解答例人間が自分に合うように努力を積み重ねて、つくり替えてきた世界。
問題4「こうした思考は、数学でも国語でも~」とあるが、「こうした思考」とは、どういう思考か?
解答例全体を見ながら、さまざまな要素がどう関係し、どう全体をかたちづくっているのかを見ていく思考。
問題5「その中に全ての「種」が詰まっている」とあるが、ここでの「種」とは何を指すか?
解答例自分の中の違和感やズレ、そこにはらまれた可能性のこと。

学習の手引き

問題a「鳥が空を飛んでいるように」という比喩は、どのような状態を表しているか?
解答例何の違和感もなく、自然になじんでいる状態。
補足「鳥が空を飛ぶ」という光景を、私たちはごく当たり前のものとして受け入れており、そこに何の疑問も違和感も感じない。そうしたごく自然になじんでいると感じさせる状態を、ここでは表している。
問題b「二段階」の内容を、具体例を挙げながら整理せよ。
解答例まず、星の運行から暦を作りだしたり、季節の知識を生かした耕作や狩猟をするように、自然の知識を学ぶこと。次に、数学や物理学、工学のような人間が作り出した体系を学ぶこと。
問題c「好きだから、嫌いだからで終わってはいけない」とあるが、それはなぜか?
解答例好き嫌いの感覚は独りよがりの世界を作り出し、考えることをやめてしまう恐れがあるから。
問題d「自分の世界を自分で作り直していく」には、どのようにすればよいか?
解答例好き嫌いの感覚から距離を置くことを学び、全体と一点を同時に見ることを学ぶこと。

まとめ

 

以上、本記事では『世界をつくり替えるために』について解説しました。ぜひ定期テストなどの参考として頂ければと思います。

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国語力アップ.com管理人

大学卒業後、国語の講師・添削員として就職。その後、WEBライターとして独立し、現在は主に言葉の意味について記事を執筆中。 【保有資格】⇒漢字検定1級・英語検定準1級・宅地建物取引士など。

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