「流言飛語」という四字熟語をご存知ですか?
使い方としては、
「流言飛語が飛び交う」のように言いますね。
過去の例だと関東大震災などの震災時に
この言葉がよく使われたそうです。
昔から現在まで長く使われている言葉。
今回は「流言飛語」の意味や使い方・類義語などを解説しました。
さっそく、確認していきましょう。
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流言飛語の読み方
まず、読み方ですが
「流言飛語」は「りゅうげんひご」と読みます。
ポイントは「りゅうげん」と読む点ですね。
よくある読み間違いとして「りゅうごんひご」がありますが、
正しくは「りゅうげんひご」ですので気を付けて下さい。
ちなみに、「流言飛語」は
「飛」という字ではなく「流言蜚語」と書く場合もあります。
この場合も同様に「りゅうげんひご」と読み、
意味自体も全く同じだと考えてください。
流言飛語の意味
続いて、意味です。
【流言飛語(りゅうげんひご)】
⇒口づてに伝わる、根拠のない情報。
出典:デジタル大辞泉(小学館)
「流言飛語」とは、
「根拠もなく、世間に広まっているうわさのこと」を言います。
例えば、以下のような使い方です。
AとBが付き合っているという流言飛語が広まったが、実際は嘘だったようだ。
人の恋愛事情というのは必ずしも本当とは限りません。
特に芸能人などの熱愛に関するニュースは、
「やっぱりガセだった」というパターンは結構多いです。
このように、
「実際はウソだけども、さも本当かのようなうわさ」を
「流言飛語」と言うわけですね。
一言で「デマ」と覚えてもよいでしょう。
言葉の意味を補足しておくと、
「流言」は「流れる言葉」と書くので、
「人のうわさが流れること」を意味します。
そして、「飛語」は「言語が飛ぶ」と書くので、
「うわさが飛び交うこと」を意味します。
これらを合わせると、
「流言飛語」=「人のうわさが流れたり飛び交ったりすること」
という意味になることが分かるかと思います。
つまり、「流言」と「飛語」は
どちらも似たような意味を持った言葉ということですね。
あえて似た意味を合わせることにより、
「うわさが広まること」を強調しているわけです。
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流言飛語の由来
「流言飛語」という四字熟語は、
『礼記(らいき)』と『史記(しき)』が由来です。
どちらも紀元前中国の儒教を元にした書物です。
まず、規範を重んじる『礼記』には、
「根拠のないうわさを流さないこと」と説く一文が登場します。
その中に、「流言」という言葉が出てくるのです。
そして、『史記』の方には
「王を激怒させた、根拠のないうわさ」
という意味で「蜚語」が登場します。
「蜚」という字は、
「異臭を放つ稲の害虫のこと」です。
この害虫が「空中を飛ぶ様子」から
「蜚」が「飛」に変わったと言われてます。
いずれにせよ、「流言」と「蜚語」がくっつくことにより、
「根拠のないうわさ」を意味する四字熟語が作られたわけですね。
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流言飛語の類語
続いて、「流言飛語」の
「類語」を紹介します。
【造言飛語(ぞうげんひご)】
⇒根拠のない、いい加減なうわさ。
「造言」とは「作り話」や「ウソ」を表します。
【風言風語(ふうげんふうご)】
⇒根拠のないうわさ話。
「風言」と「風語」はどちらも「風のようなうわさ話」という意味です。
【妄言綺語(もうげんきご)】
⇒でたらめを言い、ウソをつくこと。
「妄言」は「妄想のようなでたらめ」
「綺語」は「偽り飾った言葉」という意味です。
【流言流説(りゅうげんりゅうせつ)】
⇒根拠のないうわさを言ったり説くこと。
「流言」も「流説」も
「根拠のないうわさを流すこと」です。
以上、4つの類語を紹介しました。
基本的には、「ウソ・デタラメ・ガセ」
といった意味が「類語」となりますね。
また、四字熟語以外では
「風評(ふうひょう)」「風説(ふうせつ)」「誤報」
なども「類語」と言えるでしょう。
逆に、「対義語」としては
「真実・事実・現実」などの言葉が当てはまりますね。
こちらは実際に起こっている「本当のこと」を表した言葉です。
流言飛語の英語訳
続いて、「英語訳」です。
「流言飛語」は「英語」だと次のように言います。
「false rumor」(誤ったうわさ)
「groundless rumor」(根拠のないうわさ)
一つずつ説明すると、
「false」=「誤った・偽の・間違った」
「groundless」=「根拠のない・事実無根の」
「rumour」=「うわさ」
となります。
例文だと、それぞれ以下のような言い方です。
The false rumor floated about the town.
(流言飛語が町中に広がった。)
It is only a groundless rumor.
(それは流言飛語に過ぎない。)
英語の場合は後ろに「rumor」をつけるのが基本の形となりますね。
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流言飛語の使い方・例文
では、最後に「流言飛語」の使い方を
例文で確認しておきましょう。
- ブログやSNSで流言飛語が出回り、一気に情報が拡散した。
- 地震や災害に襲われた時は、流言飛語に惑わされてはいけない。
- 週刊誌の記事がただの流言飛語だったことが判明した。
- 医学が発達していなかった時代は、流言飛語が飛び交うことも多かった。
- 関東大震災の時は、情報が錯綜し、多くの流言飛語が飛び交っていた。
- わが社が倒産するという噂が流れているが、流言飛語には振り回されないように。
- 流言飛語を発信しすぎると、犯罪つまり罪に問われることがある。
例文のように、「流言飛語」は
原則として悪い意味で使う四字熟語だと思ってください。
「人の話」というのは、
事実であれば特に悪い印象は与えません。
ところが、「流言飛語」は
「明確な根拠がないうわさ」という意味でした。
したがって、多くの場合
ウソの情報によって世の中を混乱させるような
ネガティブな意味として使うわけです。
まとめ
以上、内容を簡単にまとめると、
「流言飛語」=根拠もなく、世間に広まっているうわさ。
「由来」=『史記』と『礼記』に登場する言葉の組み合わせ。
「類語」=「造言飛語・風言風語・妄言綺語・流言流説」
「英語」=「false rumour」「groundless rumour」
ということでした。
覚え方としては、
「流れる言葉」&「飛ぶ言語」と考えると
理解しやすいのではないでしょうか?
今はネット全盛の時代ですので、
他人を惑わすような「流言飛語」には十分気を付けたいものですね。
では今回は以上となります。
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国語力アップ.com管理人
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