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日本語は世界をこのように捉える 段落 要旨 要約 活動の手引き

 

『日本語は世界をこのように捉える』は、高校教科書・現代の国語に載せられている評論文です。

ただ、実際に本文を読むとその内容や筆者の主張が分かりにくい部分もあります。そこで今回は、本作のあらすじや要約、活動の手引きなどを含め解説しました。

『日本語は世界をこのように捉える』のあらすじ

 

本文は、大きく分けて5つの段落から成り立っています。ここでは、各段落ごとの要旨を簡単に紹介していきます。

あらすじ

①日本語の「いる」と「ある」の違いを訊かれると、多くの人は生き物(有情)には「いる」を使い、無生物には「ある」を使うと答える。だが、よく考えると必ずしもこの区分で言い尽くすことはできない。

②いくら説明を増やしていっても、ただ辞書ふうに複数の使用実態を概念化しているだけのことであり、その理由を解き明かすことにはならないのだ。

③「いる」は、その語られている状況に自分自身がひそかに参入して、その状況と「私」とが親しく居合わせていることを表している。「私」はその状況にともに出会っているので、「いる」と語り出すことによって、その状況を「今ここ」にある自分の身体に引き寄せているのだ。

④「いる」「ある」という言葉は、語られている主格の語が、今ここで語っている主体とどれだけ生き生きと関係し合っているかによって区別されると考えるべきだ。「いる」は、単に存在を冷ややかに表す以上の何かを持っているので、そこには語り手の情緒が必ずはたらいていると考えられる。

⑤一方で、「ある」を用いる場合は、端的に存在や様態を表していると言ってよい。「ある」は、より間接的・客観的で冷ややか、「いる」は、より直接的・主観的で温もりを感じさせる表現だと言える。したがって、「ある」に比べて「いる」のほうが、ずっと「語る私」の意識に親しくつき添う意味合いで使われていることになる。

『日本語は世界をこのように捉える』の要約解説

要約日本語には「いる」「ある」という二つの言葉があるが、両者は単に有情か非情かではなく、語られている主格の語が、今ここで語っている主体とどれだけ生き生きと関係し合っているかにより区別されると考えるべきだ。「ある」は、間接的・客観的で冷ややか、「いる」は直接的・主観的で温もりを感じさせる表現だと言える。「ある」に比べて「いる」のほうが、「語る私」の意識に親しくつき添う意味合いで使われていることになる。(199文字)

『日本語は世界をこのように捉える』の意味調べノート

 

【有情(うじょう)】⇒ここでは、感情や意識などを持つ生き物のこと。

【無生物(むせいぶつ)】⇒生命がなく生活機能を持たないもの。石や水など。

【大過(たいか)】⇒大きな間違い。大変な失敗。「大過ない」で、「大きな間違いはない」という意味。

【言い尽くして(いいつくして)】⇒十分に説明しきって。

【語彙(ごい)】⇒ここでは、「言葉」とほぼ同じ意味。

【含意(がんい)】⇒表面に現れない意味を含み持つこと。その意味。

【言語哲学的に(げんごてつがくてきに)】⇒言語の本質について、より広く深く考察する言語哲学の立場から。

【主格(しゅかく)】⇒主語。主体。「雨が降っている」の文だと「雨が」の箇所。

【繋辞(けいじ)】⇒主語と述語をつなぎ、両者の関係を言い表す語。日本語の「である」、英語のbe動詞など。連辞。

【S-P構造】⇒Subject(主部)とPredicate(述部)の構造のこと。

【壮麗(そうれい)】⇒規模が大きくて立派で美しいこと。また、その様子。

【伽藍(がらん)】⇒寺や寺院の建物。

【既往(きおう)】⇒過去。また、すんでしまった事柄。

【音韻(おんいん)】⇒ここでは、言葉の持つ音の響きのこと。

【概念(がいねん)】⇒個々の事物から共通する性質を抜き出して構成される意味内容。「概念化」で「概念の形にすること」という意味。

【観念的(かんねんてき)】⇒現実の具体物から離れ、抽象的、空想的に考えるさま。

【形跡(けいせき)】⇒何か物事が行われたあと。痕跡。あとかた。

【非情(ひじょう)】⇒ここでは、感情や意識などを持たないもの、という意味。

【端的(たんてき)】⇒はっきりとしているさま。

【乖離(かいり)】⇒背き離れること。

【抵抗(ていこう)】⇒逆らうこと。反発すること。

【客観的(きゃっかんてき)】⇒特定の立場にとらわれず、物事を見たり考えたりするさま。

【主観的(しゅかんてき)】⇒自分ひとりのものの見方・感じ方によっているさま。

【所作(しょさ)】⇒振る舞い。身のこなし。しぐさ。

『日本語は世界をこのように捉える』のテスト対策問題

 

問題1

次の傍線部の仮名を漢字に直しなさい。

ゲンミツには両者は異なる。

タイカなく定年まで勤める。

ガンイを読みとる。

④これはキオウの結果だ。

⑤たき火をしたケイセキがある。

タンテキに説明をする。

ガンゼンに広がる景色。

解答①厳密 ②大過 ③含意 ④既往 ⑤形跡 ⑥端的 ⑦眼前
問題2第四段落で述べられている筆者の主張を、百字以内で要約しなさい。
解答例「いる」「ある」は、語られている主格の語と語っている主体の関係の度合いにより区別され、「いる」は語り手主体が人や生き物、自然を互いに親しく居合わせ、自分自身にとっての問題として引き寄せようとしている。(100字)
問題3第五段落で述べられている「ある」のはたらきを、説明・例示・筆者の考えに分けて整理しなさい。
解答例

説明・・・「ある」は、話し手の意識の流れに寄り添わず、そのものが無関係に「あり」続ける場合に使う。

「ある」は、間接的・客観的で冷ややかで、当のモノや人を突き放して眺めたときの、存在や様態を表す。

「ある」は、ただ事態がそうである、と客観的に記述しているだけの表現。

例示・・・そこに「ある」テーブル

「走っていく車がある」「彼は頑固である」

「店先には、いろいろなお菓子が並べてある。」

筆者の考え・・・「ある」は、間接的・客観的にモノや人の存在や様態を表す。

まとめ

 

以上、今回は『日本語は世界をこのように捉える』について解説しました。ぜひテスト対策として頂ければと思います。

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国語力アップ.com管理人

大学卒業後、国語の講師・添削員として就職。その後、WEBライターとして独立し、現在は主に言葉の意味について記事を執筆中。 【保有資格】⇒漢字検定1級・英語検定準1級・宅地建物取引士など。