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おじいさんのランプ 評論 要約 語句・漢字ノート 学習の手引き わかりやすく

 

『おじいさんのランプ』は、高校現代文の教科書で学ぶ評論文です。宇野常寛という作者によって書かれたもので、定期テストの問題などにも出題されています。

ただ、筆者の主張や言いたいことがなどが分かりにくい作品でもあります。そこで今回は、『おじいさんのランプ』のあらすじや200字要約、意味調べなどを含め簡単に解説しました。

『おじいさんのランプ』のあらすじ

 

あらすじ

①現在の僕たちを取り巻くメディア環境は、大きく変化しつつある。その中で、新美南吉の童話『おじいさんのランプ』の中で描いた、言葉を通して知を共有する文化は変わることがない、という確信を支持したい。おじいさんは、文明開化の象徴であったランプを売る商売を廃業したが、こうした知性こそ時代を切り開き、本当の意味で文化を守り育てていくのである。

②ここ十年余りの情報化の進行は、人間と言葉との関係を大きく書き換えている。有史以来、人間がここまで日常的に書き言葉でコミュニケーションを取っている時代はない。僕たちは言葉との関わり方自体をいやおうなく問い直す時代に生きていると考えた方がいい。今までは、本の中の書き言葉を摂取し、それを積み上げることが教養を得ることであり、成長だと考えられてきた。だが、今の僕たちは既に、言葉や教養、知識体系などさまざまな情報ネットワークに接続されているため、個々の情報をどこで区切るかの方が問題になっている。つまり、これまでの人間と情報の関係がほぼ逆転していることになるのである。

③『おじいさんのランプ』の主人公が始めた本屋はまだ残っているのだろうか。八十歳くらいになったおじいさんの孫が、ネット書店の倉庫に火を付けに行ったりしていないか心配だ。そんな時に限って、カーナビが故障してしまうのだろう。彼は買ってきた紙の地図を暗い車内で広げ、老眼を酷使しながら必死に探し、こうつぶやく。「紙のような古いものはいざという時に役に立たない。」と。

『おじいさんのランプ』の要約&本文解説

 

要約ここ十年余りの情報化の進行は、人間と言葉との関係を大きく書き換えている。僕たちは言葉というものとの関わり方自体をいやおうなく問い直す時代に生きている。今までは、本の中の書き言葉を摂取し、積み上げることが教養を得る事であり、成長だと考えられてきたが、現代では個々の情報をどこで区切るかの方が問題になっている。本当の意味で文化を守り育てるのは、時代に柔軟に対応していくことのできる知性なのである。(196文字)
ポイント 本文は、行空きによって三つの段落により構成されています。第一段落では「おじいさんの知性」、第二段落では「人間と言葉との関係の本質的変化」、第三段落では「紙の本の未来」について書かれています。 第一段落で書かれている「知性」のあり方こそが、筆者の一番主張したいことだと言えます。つまり、本当の意味で文化を守り育てるのは、ランプ屋を廃業したおじいさんのように、時代に柔軟に・迅速に対応していく知性である、というものです。 基本は第一段落に結論が述べられているため、第二段落で挙げられたSNSなどの身近な具体例を参考にして、筆者の「知性」に対する考え方を捉えるのが読解のポイントとなります。

『おじいさんのランプ』の語句・漢字ノート

 

【メディア】⇒媒体。手段。特に、新聞・雑誌・テレビなどの媒体。

【淘汰(とうた)】⇒不必要なもの、不適当なものを除き去ること。

【冷淡(れいたん)】⇒物事に熱心でないこと。興味や関心を示さないこと。

【本質的(ほんしつてき)】⇒物事の根本的な性質にかかわるさま。

【隠蔽(いんぺい)】⇒事の真相などを故意に覆い隠すこと。

【童話(どうわ)】⇒こどものために作られた話。

【普及(ふきゅう)】⇒行き渡らせること。

【存亡(そんぼう)】⇒存在するか消滅するかということ。

【逆恨み(さかうらみ)】⇒人の好意を悪くとって、逆に恨むこと。

【独りごちる(ひとりごちる)】⇒ひとりごとを言う。

【廃業(はいぎょう)】⇒それまでの商売をやめること。

【白眉(はくび)】⇒多数あるもののうち、最もすぐれているものや人のたとえ。

【エピローグ】⇒詩歌・小説・戯曲などの結びの部分。

【時は下り(ときはくだり)】⇒時間が経過し。

【害悪(がいあく)】⇒害となる悪いこと。

【需要(じゅよう)】⇒もとめること。

【象徴(しょうちょう)】⇒抽象的な思想・観念・事物などを、具体的な事物によって理解しやすい形で表すこと。また、その表現に用いられたもの。シンボル。

【技術革新(ぎじゅつかくしん)】⇒生産技術が画期的に革新されること。

【合理性(ごうりせい)】⇒道理にかなった性質。

【散文(さんぶん)】⇒韻律や定型にとらわれない通常の文章。⇔韻文。

【原型(げんけい)】⇒もとの型。

【慣習(かんしゅう)】⇒ある社会で古くから受け継がれてきている生活上のならわし。しきたり。

【ひいては】⇒ある事にとどまらず、さらに進んで。

【活字離れ(かつじばなれ)】⇒人々が本や新聞などの活字を読まなくなった傾向のこと。

【デジタル化】⇒ITの進化により様々な情報がつながることで、競争優位性の高い新たなサービスを実現すること。

【有史以来(ゆうしいらい)】⇒文字や文献などにより歴史が記されるようになってから。「有史」とは「歴史で文字による記録があること」という意味。

【雑感(ざっかん)】⇒雑多な感想。まとまりのない思いついたままの感想。とりとめのない感想。

【いやおうなく】⇒有無を言わせず。承知も不承知もなく。

【布教(ふきょう)】⇒ある宗教を一般に広めること。

【共同体(きょうどうたい)】⇒家族や村落など、血縁や地縁に基づいて自然的に発生した閉鎖的な社会関係、または社会集団。

【必然的(ひつぜんてき)】⇒必ずそうなるさま。

【更新(こうしん)】⇒すっかり新しく改めること。

【趣味人(しゅみじん)】⇒趣味を生きがいとする人。

【骨董品(こっとうひん)】⇒希少価値あるいは美術的価値のある古道具・古美術品。ここでは、「古いだけで役に立たなくなったもの」という意味も含まれている。

【膨大(ぼうだい)】⇒きわめて数量の多いさま。

【集積(しゅうせき)】⇒集めて積み上げること。

【所与(しょよ)】⇒与えられているもの。

【パッケージング】⇒包装、荷造り。または、そのやり方。

【摂取(せっしゅ)】⇒取り入れて自分のものとすること。

【思い余る(おもいあまる)】⇒思い悩んで、心の中だけで処理できない。

【酷使(こくし)】⇒こき使うこと。手加減をせずに厳しく使うこと。

『おじいさんのランプ』のテスト問題対策

 

問題1

次の傍線部の仮名を漢字で書きなさい。

ドウワを読み聞かせる。

ハイギョウを決意する。

ケイゾクは力なり。

④記録をコウシンする。

⑤古いカンシュウを破る。

キョクタンな考え方。

⑦栄養をセッシュする。

解答①童話 ②廃業 ③継続 ④更新 ⑤慣習 ⑥極端 ⑦摂取
問題2

次の内、本文の内容を表したものとして適切でないものを選びなさい。

(ア)ランプが時代を象徴する力を失うと同時に廃業したおじいさんのような知性こそが、本当の意味で文化を守り育てていくのである。

(イ)有史以来、人間がここまで普段から書き言葉を使い、日常的にコミュニケーションを取っている時代はないと言える。

(ウ)私たちは言葉との関わり方自体を問い直す時代に生きており、その大きな変化の一部分として本や雑誌の問題があると考えるべきである。

(エ)書き言葉とは基本的に自分の外側にある特別なものなので、個々の情報を自分で収集し、それを積み上げて教養を得ることが自身の成長となる。

解答(エ)私たちは、個々の情報をどこで区切るかの方が問題になっている。と筆者は述べている。

まとめ

 

以上、今回は宇野常寛『おじいさんのランプ』について解説しました。本作は教科書の評論文としてよく取り上げられています。ぜひ定期テストなどの対策としてもらえればと思います。

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国語力アップ.com管理人

大学卒業後、国語の講師・添削員として就職。その後、WEBライターとして独立し、現在は主に言葉の意味について記事を執筆中。 【保有資格】⇒漢字検定1級・英語検定準1級・宅地建物取引士など。

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