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ひよこの眼  教科書 現代文 感想 語句 漢字 ノート

 

『ひよこの眼』は、高校国語・現代文の教科書に載せられている小説文です。学校の授業などにおいても学びます。

ただ、実際に本文を読むと話の流れや登場人物の心理などが分かりにくいと感じる人も多いと思われます。そこで今回は、『ひよこの眼』のあらすじやテスト対策、語句・漢字の読み方などを解説しました。

『ひよこの眼』のあらすじ

 

あらすじ

中学三年生だった私は、転校生である相沢幹生の何を見ているか解らない目に懐かしさを感じた。彼の超然とした雰囲気は、女子生徒に大人っぽいと受け止められるが、私は彼の瞳に懐かしさを感じたことが不思議でならなかった。

相沢幹生が転向してきた日から、私は彼の瞳の懐かしさの理由が解らず、彼を見詰め続けるようになった。そんな私を見て、クラスの皆は私が幹生のことを好きなのではと噂する。私には不本意な噂であったが、私は自分があまりにも無防備であったことに舌打ちをしたい気分だった。

そんな中、秋の学園祭の実行委員をクラスの中で決める際に、私と幹生が選ばれてしまう。それは私たちへのからかいの気持ちから出た結果だったが、幹生は動じることなく私に直接話しかけ、一緒に帰ろうと誘ってきた。しばらく無言で歩いて、私は幹生にあの時の目について話したが、お互いの真意が解らず、私には彼が大きなものを背負っている人に見えた。

私が幹生に対して気のおけない友人として振る舞ううちに、幹生も上の空の様子が影を潜めるようになり、お互いに好きだと告白することになった。私はあの時の目のことは解らないままだが、幹生と身体を寄せ合い、手を握り合い、自分の将来に対する幹生の気持ちも前向きになり、幸せを感じた。

私が家に帰ると、妹がうさぎを飼いたいとだだをこねていたことがきっかけで、以前飼っていたひよこが死んだときの目と、幹生の目が同じだったことに気づく。その目に潜んでいた諦観に自分は引かれていたのだ。恐ろしい予感を抱きながら、私は次の日に学校へ行ったが、彼は学校に来なかった。予感は的中してしまい、幹生には二度と会えなかった。私は悔しくて泣き続けた。

『ひよこの眼』の語句・漢字ノート

 

【端を発する(たんをはっする)】⇒(それがきっかけになって)物事が始まる。

【咄嗟に(とっさに)】⇒その瞬間に。

【せつない】⇒胸がしめつけられるようでつらい。

【霧のように胸を覆い(きりのようにむねをおおい)】⇒最初の疑問が晴れないつらさが広がっているさま。

【教壇(きょうだん)】⇒教室で授業をするときに教師の立つ壇。

【動じない(どうじない)】⇒落ち着いている。

【上の空(うわのそら)】⇒他の事に心が奪われて、そのことに注意が向かないこと。

【咳払い(せきばらい)】⇒存在を示そうと、わざと咳をすること。また、その咳。

【怪訝(けげん)】⇒不思議で納得がいかないさま。

【超然(ちょうぜん)】⇒物事にこだわらず、平然としているさま。「超然とした雰囲気」で、ここでは「皆が気にすることを気にしていない様子」を表す。

【目配せ(めくばせ)】⇒目を動かして、意思を伝えたり合図をしたりすること。

【ひょうひょうとした】⇒周囲を気にせず、自分のペースで動いている様子。「超然とした雰囲気」と共通する。

【遭遇(そうぐう)】⇒不意に出あうこと。偶然にめぐりあうこと。

【つたない記憶(きおく)】⇒下手な記憶。あるかないかの(評価に足りない)記憶。

【もどかしく】⇒思うようにならなくていらいらして。「もどかしい」とは「思うようにならずいらいらする。じれったい。」などの意味。

【歯噛み(はがみ)】⇒悔しくて、歯をかみしめること。

【呆然(ぼうぜん)】⇒あっけにとられているさま。

【心を引かれる(こころをひかれる)】⇒好意を寄せる。思いを寄せる。

【不本意(ふほんい)】⇒自分の本当の望みとは違っていること。

【冷や汗をかく(ひやあせをかく)】⇒はらはらする。ひやひやする。

【平静を装う(へいせいをよそおう)】⇒内心は動揺しているものの、それを外面に出さないように普段どおり落ち着いた振りをする。

【無防備(むぼうび)】⇒攻撃を防ぐ準備がないこと。

【憮然(ぶぜん)】⇒失望してぼんやりするさま。失望や不満でむなしくやりきれない思いでいるさま。

【感嘆(かんたん)】⇒感心してほめたたえること。

【どぎまぎ】⇒うろたえあわてるさま。

【困惑(こんわく)】⇒どうしたらよいかわからず、困ること。

【口をつぐむ(くちをつぐむ)】⇒口を閉じてものを言わない。 黙る。

【些細(ささい)】⇒とるに足らない。わずかなさま。

【心を砕く(こころをくだく)】⇒あれこれと心配すること。

【不意(ふい)】⇒思いがけないこと。突然であること。

【許容(きょよう)】⇒許すこと。大目にみること。

【周知(しゅうち)】⇒広く知れわたっていること。

【影を潜める(かげをひそめる)】⇒表に出なくなる。見られなくなる。

【呑気(のんき)】⇒性格や気分がのんびりとしていること。

【やるせない】⇒心のやりどころがない。思いを晴らす方法がない。

【気のおけない(きのおけない)】⇒遠慮や気兼ねをする必要がないこと。

【術(すべ)】⇒手段。方法。

【夕暮れ(ゆうぐれ)】⇒日の暮れるころ。

【とがめる】⇒過ちや欠点などを取り上げて責める。非難する。

【諦観(ていかん)】⇒あきらめて、こだわりの気持ちを捨てること。

【知る由もなかった(しるよしもなかった)】⇒知る方法もなかった。「由」は、ここでは「手段・方法」の意。

【大事を取る(だいじをとる)】⇒慎重に物事を運ぶ。軽々しく物事を行わない。

【まことしやかに】⇒いかにも本当のことらしく。

【黙祷(もくとう)】⇒黙って心の中で祈りを捧げること。

【雑踏(ざっとう)】⇒多人数でこみあうこと。ひとごみ。

【衝動に駆られる(しょうどうにかられる)】⇒急(せ)きたてられるような衝動を覚えること。

『ひよこの眼』のテスト対策問題

 

問題0

次の文の下線部の漢字を、送り仮名を含め答えなさい。

①友人に対してナイショの話をする。

②常にヘイセイを保つように心がける。

③急な来客の訪問にアワテル

アキラメルことはしません。

⑤彼はテイカンの境地に達した。

⑥まるでゲンエイを見ているようだ。

レイギ正しい態度に感心する。

ザットウの中にまぎれこむ。

解答①内緒 ②平静 ③慌てる ④諦める ⑤諦観 ⑥幻影 ⑦礼儀 ⑧雑踏
問題1

「私」と幹生の関係はどのように変化していくか、次の二点からまとめなさい。

①「私」の「幹生」への気持ち

②「幹生」の「私」への態度。

解答例

①私は初めて幹生の目を見た時に懐かしい気持ちになったが、その理由はわからなかった。その理由を知りたいという思いから彼を一日中盗みるようになったが、特に好きだという気持ちはわかなかった。しかし、彼と親しくするうちに、彼が自分に気を許し始めていると感じ、私は楽しく思うようになった。次第に、私は初めての恋というものを実感するようになった。

②初めて私と直接話すようになった時、いつも私が彼を見詰めていたことを知っており、私が好意を抱いているわけではないことも知っていた。私が他の女子生徒のように幹生を大人っぽいと言うと、ほんの一瞬、唇を噛んだ。私と親しくするうちに、上の空の影も潜めるようになり、よく笑った。依然として自分の領域を守っているようであったが、私の幹生を心配する気持ちに答えて、「好きだ」と言い、私を抱き寄せた。そして、高校受験についても前向きになっていくようだった。

問題2「私が、幹生の瞳に出会った時、私の記憶を疼かせたのは、あのひよこの目だったのだ」とあるが、どういうことか?
解答例私はかつて、ひよこが自分の死を予期しているかのように見開いていた「澄んだ瞳」を見詰めていたことがあった。その目は何もかも映しているようで、何も見ていない目だった。今から思えば、諦観とも言うべき瞳だった。そして、私が幹生の瞳に出会って記憶が疼いたのも、あの時の「ひよこの目」と同じ目をしていた、ということ。
補足 この後に続く「ひよこの目」の説明で、「何もかも映しているようで、何も見ていない目」とある。これは、幹生の「上の空の目」と対応していることから、私は「幹生の目」と「ひよこの目」の類似性を感じ取ったことが分かる。
問題3「それから、‥‥もしや、あなたは、死というものを見詰めているのではありませんか、と。」の部分は、現在の「私」のどのような思いを表しているか?
解答例街の雑踏の中あるいは電車の中で、偶然ひよこの目に出会うと、幹生を失った時の喪失感と、何もできなかったという無力感に襲われるような思い。
補足問題文の中に「片手を握りしめながら」という箇所がある。これは「私は、力を込めて彼の手を握り返した。幸せだった。」「私は、さっきまで握られていた手を、手の平に爪が食い込む程、握り締めた。」という表現と一致している点がポイントとなる。

まとめ

 

以上、本記事では『ひよこの眼』のあらすじや語句の説明、テスト対策などを解説しました。この小説は定期テストなどにもよく出題されます。ぜひノート代わりにして見直して頂ければと思います。

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国語力アップ.com管理人

大学卒業後、国語の講師・添削員として就職。その後、WEBライターとして独立し、現在は主に言葉の意味について記事を執筆中。 【保有資格】⇒漢字検定1級・英語検定準1級・宅地建物取引士など。

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