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人柄 意味 例文 使い方 性格 違い 類義語は

 

「人柄」という言葉は、普段からよく使われています。主に「人柄に触れる」「人柄がにじみでる」といった使い方が多いです。

ただ、似たような言葉で「性格」や「人格」などもあるため、違いが分かりにくいです。そこで今回は、「人柄」の意味や例文・類語・英語訳などを含め詳しく解説しました。

人柄の意味

 

まず、「人柄」を辞書で引くと次のように書かれています。

【人柄(ひとがら)】

自然に感じ取られる人の性質や品格。じんぴん。

品格がすぐれている・こと(さま)。

出典:三省堂 大辞林

人柄」とは「自然に感じ取られるような人の性質」という意味です。例えば、以下のように使います。

  • 第一印象で人柄が良いと感じた。
  • 人柄の良さそうな好人物。

ポイントは、「自然に感じられる」という点です。

「人柄」は、その人の見たままの特徴を表します。要するに、表向きの性質を表すということです。

逆に言えば、本音や性根・深層心理などのその人の根っこの性質を表すものではありません。

なお、「人柄」にはもう一つ意味があり、それは「品格がすぐれている」という意味です。

上の辞書の説明だと②に当てはまります。この場合は、素直に相手を褒めるような時に使います。

ただ、大抵の場合は①の意味として使われることがほとんどです。

性格の意味

 

似たような言葉で、「性格」があります。

【性格(せいかく)】

その人が生まれつきもっている感情や意志などの傾向。

ある物事に特有の傾向や性質。

③〘心〙 その人特有の行動の仕方、ならびにそれを支える心理的な特性。特に感情的・意志的な側面をいうことが多い。キャラクター。

出典:三省堂 大辞林

「性格」には3つ意味がありますが、一般的には①の意味として使うことが多いです。

すなわち、「その人が生まれつき持っている性質や傾向」という意味です。

「性格」は良い意味でも悪い意味でも使います。

【例】

  • 彼は社交的な性格だ。
  • 凶暴な性格の犬。

また、「性格」は先天的な性質を表すことが多いですが、必ずしもそうとは限りません。場合によっては、その人の後天的な性質を表す場合もあります。

さらに言うと、「性格」は、その人の本音や深層心理を表す時に使うことが多いです。

例えば、「自分の性格を分析する」「彼女の裏の性格は怖い」などといった用例です。「性格」は、表も裏も含め、その人の心理をすべて含んだ言葉となります。

人柄と性格の違い

人柄 性格 違い 使い分けは

 

ここまでの内容を整理すると、

人柄」=自然に感じ取られるような人の性質。

性格」=その人が先天的・後天的に持っている性質。

ということでした。

両者の違いを簡単に言うと、「性格の中に人柄が含まれる」と言うことができます。例えるなら、スポーツというカテゴリーの中に野球が含まれるようなイメージです。

「人柄」というのは、その人が表に醸し出すような目に見える性格です。もちろん、この場合は人前に晒すことになるので、良い特徴を指すことが多いです。

一方で、「性格」というのは、その人が表に出す特徴、そして中に秘めている感情などを総合的に含んだ広い言葉です。したがって、こちらは良い意味でも悪い意味でも使うのが特徴です。

極端な話、性格が非常に悪くても表面上良い人を装っていれば、「あの人は人柄が良い」などと呼ばれることもあるでしょう。このような人を、「偽善者」と呼んだりもします。

「性格」というのは直そうと思っても簡単には直せませんが、「人柄」の方はうまく装うと思えばある程度装うことが可能なのです。

なお、「性格」の方は、人以外にも血液型の話題、星座の話題など様々な場面で登場します。これは「性格」の方が「人柄」よりも広い意味を持った言葉だからだと言えます。

人柄の類義語

 

続いて、「人柄」の類義語を紹介します。

性質】⇒持って生まれた気質。人間の特徴以外に物の状態などにも使う。
人格】⇒個人の持つ一貫した広い特性。性格と似ているが、もっと深い意味での人間の本質を表す時に使う。
個性】⇒個人を特徴づけている性質・性格。性質や性格の中でも、他にはないオリジナリティーを表す時に使う。
本性】⇒心の中で隠している性質。多くは、その人の悪い気持ちを表す時に使う。
気質】⇒個人が本来持っている性質。「性格」と似ているが、「気質」は先天的な特徴にだけ使う。
気性】⇒生まれつき持っている性格。激しかったり強かったりする性質のみに使う。
性分】⇒生まれつきの性質。天性。先天的な性質限定で、基本的に悪い性質に対して使う。
天性】⇒天から与えられた性質。性質の中でも、「天から与えられた優れた才能」という意味で使う。

どれも似たような意味を持っていますが、類義語は「先天的に形成される性質」を表すものが多いです。上記の中だと、「性質」「気質」「気性」「性分」「天性」はいずれもその人が本来持っているものです。

また、表面的な性質のみを表す「人柄」とは異なり、「人の奥深くの性質」を表す言葉が多いです。例えば、「人格」というのは、「彼は人格を備えている」などのように、その人の本質を表す際に使います。

人柄の英語訳

 

「人柄」は、英語だと次の2つの言い方があります。

 

personality

character

 

「personality」には「個性・性格・魅力・有名人・タレント」など多くの訳がありますが、一般的には個人の「人柄」を表すときに使います。

元々、「personality」は「person(人)」から派生した語で、人の性質に焦点を当てた言葉です。したがって、その人自身の特徴や対人傾向を表すようなときにこの言葉を使うのです。

また、「character」も「人柄」という意味で使うことができます。ただ、「character」に関しては「性格・性質・気質・人格・個性」など様々な訳があり、この中でも「個性」という意味で使われることの方が多いです。

すなわち、人の性質の中でも特に「他者に比べ際立って目立つもの」に対して使われるということです。

例文だと、それぞれ以下のような言い方をします。

He has a really nice personality.(彼は人柄が本当にいいです。)

She is quite a character.(彼女はかなり個性のある人です。)

人柄の使い方・例文

 

最後に、「人柄」の使い方を実際の例文で紹介しておきます。今回は「性格」の使い方も合わせて紹介しました。

 

【人柄の使い方】

  1. 人間の持つ表面的な特徴のことを、「人柄」と呼ぶ。
  2. 人柄が良い人に見えても、人間性が優れているとは限らない。
  3. 就職活動の面接では、就活生の人柄が重視される傾向にある。
  4. 人柄がにじみ出るような挨拶に、初対面だが感心しました。
  5. 女性の何気ない動作から、人柄がうかがえる方法を見つけた。

【性格の使い方】

  1. あいつとは残念ながら性格が合わないだろう。
  2. 生まれつき人見知りな性格なので苦労しています。
  3. 社交的な性格と言われるが、子供の時はそうでもなかった。
  4. あなたの短気な性格はよくないので直したほうがいい。
  5. 人柄がいい人に見えるが、本当の性格は悪いに違いない。

 

まとめ

 

以上、本記事のまとめとなります。

人柄」=自然に感じ取られるような人の性質。

性格」=その人が先天的・後天的に持っている性質。

【両者の違い】⇒「性格の中に人柄が含まれる」人柄」は表向きの性質を表し、「性格」は主に本音や深層心理を表す。

類義語」=「性質・人格・個性・本性・気質・気性・性分・天性」など。

英語訳」=「personality」「character」

相手と接する時に、「人柄」を判断することは大事です。ただ、もっと大事なのはその人が本来持っている「性格」を知りえることだと言えるでしょう。

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国語力アップ.com管理人

大学卒業後、国語の講師・添削員として就職。その後、WEBライターとして独立し、現在は主に言葉の意味について記事を執筆中。 【保有資格】⇒漢字検定1級・英語検定準1級・宅地建物取引士など。

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