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残滓 残渣 違い 意味 使い分け 類語

 

「あとに残ったかす」という意味で、「残滓」もしくは「残渣」と言ったりします。ただ、具体的にどのような違いがあるのか分かりにくいと感じる人も多いと思われます。

そこで今回は、「残滓」と「残渣」の使い分けを詳しく解説しました。後半では、「類義語」についても触れています。

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残滓の意味・読み方

 

まずは、「残滓」の意味と読み方からです。

【残滓(ざんし)】

容器などの底に残っているかす。残りかす。

出典:三省堂 大辞林

残滓」は「ざんし」と読みます。

意味は「容器などの底に残っているかす」を表します。一言で言うなら、「残りかす」のことです。

例えば、「豆の残滓」であれば「豆をしぼった後の残りかす」を指すことになります。

「かす」は、一般的に「液体や固体をこしたあとに残ったもの」を表します。ただし、場合によっては「(こさずに)取り除いた後の残り」という意味で使うこともあります。

身近な例だと、食事で焼き魚が出てきて頭やしっぽ・骨などを残した場合、「残った魚の部分」を「魚の残滓」などと言うわけです。

つまり、「残されたもの」という意味でも使えるのが、「残滓」ということになります。この意味の場合は、食べ物だけではなくあらゆる残り物に対して使えるのが特徴と言えます。

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残渣の意味・読み方

 

続いて、「残渣」の意味と読み方です。

【残渣(ざんさ)】

溶解・濾過(ろか)などのあとに残った不溶物。残りかす。

出典:三省堂 大辞林

残渣」は「ざんさ」と読みます。

意味は「溶解や濾過をした後に残った不溶物」のことです。こちらも一言で「残りかす」と定義することもできます。

「溶解」とは簡単に言うと「溶けること・溶かすこと」を意味します。例えば、食塩を水に溶かすような場合に、「食塩を溶解する」などと言います。

また、「濾過」とは「液体をこして不純物を取り除くこと」を意味します。これは先ほど説明した「こす」と同じ意味だと考えてください。

つまり、溶かしたり、こしたりした後の残りかすを「残渣」と呼ぶわけです。

使い方としては、「実験によって植物の残渣を抽出する」などのように用います。この場合の「残渣」とは「植物を溶かした後の残りかす」という意味です。

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残滓と残渣の違い

残滓 残渣 違い 使い分け

 

ここまでの内容を整理すると、

残滓」⇒容器などの底に残っているかす。残りかす。残されたもの。

残渣」⇒溶解や濾過をした後に残った不溶物。残りかす。

ということでした。

両者の違いを簡単に言うと、「化学的な意味が強調されるかどうか?」ということになります。

どちらも「残りかす」であることに変わりはありません。しかし、「残滓」には「溶かす」という化学的な意味は含まれていません。

「残滓」は、化学的なものというよりは、残りかすや残されたもの全般に対して使います。そのため、「残滓」の方は何かを残り物に例えるような使い方もできるのです。

一方で、「残渣」は主に化学的な物質を溶かす場合に使います。したがって、「残渣」は何かを例えるような使い方はできないのです。

以上の事から考えますと、「残滓」の方が「残渣」よりも広い意味を持った言葉ということになります。

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残滓・残渣の類義語

 

「残滓」と「残渣」の類義語は以下の通りです。

残余(ざんよ)】⇒残っているものあるいは余っているもの。
残留物(ざんりゅうぶつ)】⇒残って留まっているもの。
余分(よぶん) 】⇒余った分。残りや余り。
余り物(あまりもの)】⇒不必要になった物。いらない物。
取り残し(とりのこし)】⇒何かをとった後に残っているもの。
零れ物(こぼれもの)】⇒こぼれたもの。残りもの。余りもの。
名残(なごり)】⇒物事が過ぎ去った後に、その気配や影響が残っていること。

類義語は、何かをとったあとに「残されたもの・余ったもの」を表した言葉となります。この中でも「余分」や「余り物」は、普段の文章や日常会話においてもよく用いられるものです。

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残滓・残渣の使い方・例文

 

最後に、それぞれの使い方を例文で紹介しておきます。

 

【残滓の使い方】

  1. コップの底についている残滓を取り除く。
  2. ローマ時代の建物の残滓が随所にみられた。
  3. 今の政治は旧体制の残滓のままだと言えるだろう。
  4. 彼は忘れやすいため、昔の記憶の残滓はないようだ。
  5. 数十年間忘れ去られていた記憶は、もはやその残滓すらない。

【残渣の使い方】

  1. 石油を蒸発させた後の残渣を素早く処理した。
  2. 植物の残渣は、エタノールとして使うことができる。
  3. サトウキビの残渣から日常生活に役立つものを作った。
  4. 製品に含まれている触媒残渣を除去するために洗浄する。
  5. 現在は溶解残渣から鉄を回収する方法を研究しています。

 

「残滓」は「記憶の残滓はない」のような使い方もできます。この場合は、「記憶が残っていない」「記憶の名残りはない」などの意味と解釈すればよいでしょう。

なお、「残滓が残る」という言い方は二重表現となるので注意して下さい。よくある間違いなので気をつけましょう。

まとめ

 

以上、本記事のまとめとなります。

残滓」⇒容器などの底に残っているかす。残りかす。残されたもの。

残渣」⇒溶解や濾過をした後に残った不溶物。残りかす。

使い分け」⇒「残滓」は残りかす含め、残されたもの全般を例える使い方もする。「残渣」は化学的な意味の場合のみ使う。

「残滓」は「残りかす」や「残されたもの全般」を表す広い意味の言葉です。対して、「残渣」は「溶かしたりこしたりした後の残りかす」を表す狭い意味の言葉です。両者の違いを理解してうまく使い分けて頂ければと思います。

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国語力アップ.com管理人

大学卒業後、国語の講師・添削員として就職。その後、WEBライターとして独立し、現在は主に言葉の意味について記事を執筆中。 【保有資格】⇒漢字検定1級・英語検定準1級・日本語能力検定1級など。