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世相 世情 違い 意味 使い方 例文 類語

 

「世の中のありさま」を表すことを「世相」と言ったり「世情」と言ったりします。

「世相を斬る」「世情を鑑みて」などのようにどちらもよく用いられている言葉です。ただ、この場合どのように使い分ければいいのか?という問題があります。

そこで本記事では、「世相」と「世情」の違いや例文、読み方、類義語などを含め詳しく解説しました。

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世相の意味・読み方

 

まず読み方ですが、「世相」は「せそう」と読みます。「世相」とは「世の中のありさま・社会の様子」を表した言葉です。

主な用例としては、次の通りです。

【例】⇒「乱れた世相。明治の世相。戦後の世相。現代の世相。世相が悪い。世相に表れている。世相の一面を見る。悪のはびこる世相」

この場合の「世」は字訓が「よ」で、「世の中」という意味を持っています。「世事・世人・俗世・出世」などのように用いる「世」がまさにこれです。

そして、「相」は「様相・異相・死相」などの熟語があるように「かたち・すがた・ありさま」などの意味があります。したがって、「世相」とは「世の中の外に現れた形」を表す言葉であることが分かります。

世情の意味・読み方

 

次に「世情」についてです。「世情」は「せじょう」と読みます。

世情」とは「世の中のありさま・様子」という意味です。こちらも主な例を紹介しておきます。

【例】⇒世情に通じる。世情に明るい。世情に暗い。世情を観察する。世情の表れ。

「世情」の「世」は、同じく字訓が「よ」で「世の中」という意味です。そして、「情」は字訓が「なさけ」であるように、本来は「人の持つ心」を表しています。

よって、「情」を物について用いる場合は、そのものが持つ「おもむき・あじわい」の意味になり、特に「内に含まれた様子」という意味になります。

「事情・実情・下情・情勢」などの熟語として用いるのがこの「情」です。

したがって、「世情」というのは「世の中の内に込められた様子」を表すことになります。

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世相と世情の違い

世相 世情 違い 使い分け

 

「世相」と「世情」は、どちらも「世の中のありさま」という意味を持つ点では共通しています。

ただ、そのありさまを「外面的にとらえるか?」それとも「内面にまで立ち入ってとらえるか?という点では異なってきます。

例えば、「道徳の乱れ」について話をするとします。

この場合、道徳の乱れについて現状をそのまま外面的にとらえるなら、「道徳の乱れが世相に表れている」などのように用います。一方で、そのような世相をもたらした元になる内面的なものまでとらえようとするなら、「道徳の乱れ」そのものが「世情」になるということです。

「世相」の方はあくまで外面的・表面的に感じる世の中のありさまを表した言葉です。それに対して、「世情」の方は簡単には感じ取れないような内側としての世の中のありさまを表した言葉です。

したがって、「世情」の方が「世相」よりも特に関心を持たなければ知ることができない存在ということになります。

このように、「世相」と「世情」は同じ事柄であってもその捉え方が異なるため、実際に使う際にはそれぞれの観点から使い分けが必要となるわけです。

なお、それぞれの「類義語」としては「社会情勢・社会環境・世論・風潮・潮流」などが挙げられます。「類義語」に関してはそこまで明確に違いや使い分けを意識する必要はありません。

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使い方・例文

 

最後に、「世相」と「世情」の使い方を実際の例文で確認しておきます。

 

【世相の使い方】

  • 明治時代の世相は、江戸時代の閉鎖的なありさまから大きく変化したと言える。
  • 彼は歯に衣着せぬ発言をして、世相を斬るジャーナリストとして有名である。
  • 今回起こった事件は、まさに現代の世相を反映するものだと言えるだろう。
  • 世界恐慌の後、急速に不景気になっていく世相を当時の人は目の当たりにした。
  • 不動産や株価の異常な値上がりは、バブル景気の世相を反映していたものであった。

【世情の使い方】

  • 彼は世情に明るい教育評論家なので、各所から仕事のオファーが来る。
  • 彼女は最近起こっているニュースを全く知らない世情に暗い人物である。
  • 緊迫した世情のせいもあり、国内全体の経済が停滞した雰囲気に陥ることとなった。
  • コロナが流行っているという世情を鑑みて、イベントは中止されることになった。
  • 世情をしっかりと観察して、安定してきてから今後のビジネスを始めることにします。

「世相」の方は、現代や過去などそれぞれの時代における社会全体の雰囲気を表すような時に使われることが多いです。例えば、「江戸時代の世相」「明治時代の世相」「バブル時代の世相」といった用例です。これは時代そのもののイメージを表面的・外面的にとらえる場面が多いからだと言えます。

一方で、「世情」の方は時代そのもののイメージというよりは、その中身について言及する際に使われることが多いです。例えば、「コロナが流行っている」「経済が停滞している」などの様子は社会全体に実際に起こっているありさまです。このような、同じ世の中の様子でもその中身について述べる際は「世情」を用いることになります。

まとめ

 

以上、本記事のまとめです。

世相(せそう)」=(外面的な)世の中のありさま・社会の様子

世情(せじょう)」=(内面的な)世の中のありさま・様子

違い」=「世相」は世の中の外に現れた外面的な様子を表すのに対し、「世情」は世の中の内に込められた内面的な様子を表す。

類義語」=「社会情勢・社会環境・世論・風潮・潮流」

「世相」と「世情」はどちらも社会情勢などを表す際によく使われます。ただ、その使う場面によって使い分けが必要となります。外面的なありさまを指す時は「世相」を、内面的なありさまを指す時は「世情」を使うようにして下さい。

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国語力アップ.com管理人

大学卒業後、国語の講師・添削員として就職。その後、WEBライターとして独立し、現在は主に言葉の意味について記事を執筆中。 【保有資格】⇒漢字検定1級・英語検定準1級・日本語能力検定1級など。

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