この記事の読了目安: 524

ポスト真実時代のジャーナリズム 解説 現代の国語 意味調べノート テスト問題

 

『ポスト真実時代のジャーナリズム』は、教科書・現代の国語に収録されている文章です。ただ、本文を読むとその内容が分かりにくいと感じる人も多いと思われます。

そこで今回は、『ポスト真実時代のジャーナリズム』のあらすじや要約、語句の意味などを簡単に解説しました。


『ポスト真実時代のジャーナリズム』のあらすじ

 

本文は、内容により3つの段落に分けることができます。ここでは、各段落ごとのあらすじを簡単に紹介していきます。

あらすじ

①ポスト真実の時代とは、真実よりも自分の感情に寄り添う情報のほうを信頼してしまう時代のことだ。それに反する意見には耳を傾けないどころか、排除してしまう。偏った情報ばかりに接していると、多様な考え方を知る機会が減り、人々の間に情報の分断、お互いの排除が起きてくる。いま、社会はその傾向を強めている。

②この傾向が強まっていくと、社会では経済格差の拡大とそれがもたらす不公平感の高まりが起こる。これまでは、伝える側のメディアの人間は、いかに物事の本質に迫れるかという努力をしてきた。だが、受け手が真実や事実にこだわることを放棄し、感情による一体化ができる情報を取り込むようになると、メディアもそれに寄り添い、受け手の共感を得やすい情報を流すようになる。そうなると、その感情に乗れない人にまで同調圧力をかけて、感情の一体化を促すことにつながる。

③社会が分断されると、課題解決に向けた合意形成はますます難しくなる。そして、急速に進む技術革新によっても、個人が自分の生き方を選択していくことは困難になってくる。だからこそ、長期的で多角的な情報を得て、自分の置かれた状況を俯瞰し、社会的合意形成に向けた対話に積極的に参加しなければならない。メディアやジャーナリズムは、異質なもの、自分とは異なる人や思想に出会う場として、今後も機能してほしい。そこから多くの問いが生まれ、社会的対話が活発に行われることを願う。

『ポスト真実時代のジャーナリズム』の要約&本文解説

 

200字要約真実よりも自分の感情に寄り添う情報を信頼してしまうポスト真実の時代では、伝える側の人間が受け手の共感を得やすい情報を流し、感情の一体化を促すことになる。すると、社会は分断され、課題解決に向けた合意形成はますます難しくなる。メディアやジャーナリズムは、異質なもの、自分とは異なる人や思想に出会う場として機能してほしい。そして、そこから多くの問いが生まれ、社会的対話が活発に行われることを強く願う。(197文字)

「ポスト真実の時代」とは、人々が真実よりも自分の感情に寄り添う情報を信頼してしまう時代のことです。

筆者は、ポスト真実の時代になったことで、今の社会は自分とは異なる多様な考え方があることを知る機会が減り、人々の間に情報の分断やお互いの排除が起きるようになったと述べています。

例えば、テレビや新聞などのメディアは、受け手が嫌がるような真実を報道せずに、受け手が喜ぶような感情に寄り添った情報を流すことがあります。

こういった正確性を欠いた情報が流れると、事実や真実を得たいと思っている人にまで正確な情報が届かなくなり、私たちは正しい判断を下すことができなくなります。

すると、社会が分断され、財政難や経済格差といった目の前にある多くの課題を解決することは難しくなります。

そうならないためにも、メディアは、異質なもの、自分とは異なる人や思想に出会う場として機能してほしいと筆者は結論付けているわけです。

『ポスト真実時代のジャーナリズム』の意味調べノート

 

【メディア】⇒媒体。特に、新聞・雑誌・テレビ・ラジオなどの媒体。

【客観的(きゃっかんてき)】⇒特定の立場にとらわれず、物事を見たり考えたりするさま。

【世論形成(よろんけいせい)】⇒ある社会集団の成員が、ある程度一致した意見を作り出すこと。

【取るに足らない(とるにたらない)】⇒問題として取り上げる価値もない。ささいなことである。

【ジャーナリズム】⇒テレビ・ラジオ・新聞・雑誌などで、時事的な問題の報道・解説・批評などを行う活動。

【事態(じたい)】⇒事柄のありさま。事のなりゆき。※よくないことに使う場合が多い。

【健全(けんぜん)】⇒物事が正常に機能して、しっかりした状態にあること。調和がとれている状態。

【いささか】⇒ほんの少し。わずか。

【青臭い(あおくさい)】⇒未熟な。

【排除(はいじょ)】⇒おしのけ取りのぞくこと。

【能動的(のうどうてき)】⇒自ら他へ働きかけるさま。

【無縁(むえん)】⇒縁のないこと。関係のないこと。

【先入観(せんにゅうかん)】⇒前もっていだいている固定的な観念や見解。

【偏見(へんけん)】⇒偏った見方・考え方。

【放棄(ほうき)】⇒投げ捨ててかえりみないこと。

【危惧(きぐ)】⇒危ぶむこと。警戒して、用心すること。

【翻弄(ほんろう)】⇒思うままにもてあそぶこと。手玉にとること。

【多角的(たかくてき)】⇒いくつかの方面にわたるさま。

【俯瞰(ふかん)】⇒広い視野で物事を見たり考えたりすること。また、ある事柄や状況に対して客観視すること。

【熟議(じゅくぎ)】⇒十分に論議を尽くすこと。

【風潮(ふうちょう)】⇒時代の流れによって変わる世の中のありさま。

【腑に落ちない(ふにおちない)】⇒納得がいかない。合点がいかない。

【社会的対話(しゃかいてきたいわ)】⇒社会のなかにある課題について、それぞれの立場の意見を交換して、考えていく対話。

『ポスト真実時代のジャーナリズム』のテスト対策問題

 

問題1

次の傍線部の仮名を漢字に直しなさい。

ショウゲキを与える。

②情報をテイキョウする。

③障害物をハイジョする。

シンセンな情報。

⑤時代のフウチョウに逆らう。

解答①衝撃 ②提供 ③排除 ④新鮮 ⑤風潮
問題2『メディアの視聴者や読者は、いまや”楽”であるからだけでなく、より積極的、能動的に、自らの感情や思いに沿ったものだけを、メディアが提供する情報のなかから選ぶようになったのだ。』とあるが、ここでの「楽」とはどのようなことか?
解答例積極的でも能動的でもなく、簡単に情報を得ることができるということ。
問題3『受け手自身が、真実や事実にこだわることを放棄してしまったのならば、~』とあるが、その場合、情報の伝え手はどのように変化すると筆者は述べているか?
解答例受け手の感情に寄り添うように、受け手の共感を得やすい情報を積極的に流すように変化する。
問題4『長期的で多角的な情報を得て、自分の置かれた状況を俯瞰することが必要であり、多くの課題解決を目指した社会的合意形成に向けた対話に積極的に参加していかなくてはならない』とあるが、「社会的合意形成」において、筆者はどのような役割をメディアに期待しているか?
解答例個人が社会的合意形成に向けた対話に積極的に参加でき、その対話が活発に行われるように、”異質なものの提示”、”多様性の提示”をするような役割。

まとめ

 

以上、今回は『ポスト真実時代のジャーナリズム』について解説しました。ぜひ定期テストの対策として頂ければと思います。

The following two tabs change content below.

国語力アップ.com管理人

大学卒業後、国語の講師・添削員として就職。その後、WEBライターとして独立し、現在は主に言葉の意味について記事を執筆中。 【保有資格】⇒漢字検定1級・英語検定準1級・宅地建物取引士など。