初志貫徹 意味 例文 使い方 類語 英語訳

座右の銘やスローガンとして使われる四字熟語があります。一般的には「初志貫徹を貫く」「初志貫徹する」などと言います。

最近では、受験の目標やスピーチの言葉としても使われているようです。普段からよく聞く「初志貫徹」ですが、具体的にどう使えばよいのでしょうか?

本記事では、「初志貫徹」の意味や例文、類語、対義語などを詳しく解説しました。

初志貫徹の意味・読み方

 

最初に、読み方と基本的な意味を紹介します。

【初志貫徹(しょしかんてつ)】

初めに心に決めた志を最後まで貫き通すこと。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

初志貫徹」は「しょしかんてつ」と読みます。意味は「最初に心に決めた志を最後まで貫き通すこと」です。

例えば、ある人が司法試験に合格するためにずっと勉強をしていたとします。途中、くじけそうになったことも何度もありましたが、あきらめずに何とか勉強を続けました。

そして、ようやく当初の目標通り、合格という結果を勝ち取ることができたとします。このよう場面では、「彼は初志貫徹を果たした」などと言うことができます。つまり、最初に決めた志を最後まで貫き通したということです。

「初志貫徹」は、困難や苦労にめげず、初めに思い立った願望をやり通すことを表します。したがって、対象となるのは「困難に負けない」「自分を信じ抜く」といった目標を強く意識するような人となります。

逆に言えば、当初の目標を捨ててあきらめたり途中で投げ出したりするような人は「初志貫徹」とは言えないことになります。

初志貫徹の語源・由来

 

「初志貫徹」は、「初志」と「貫徹」が合わさってできた言葉です。

まず「初志」は「めの」と書くので、「最初に決めた目標のこと」を指します。そして、「貫徹」は「くことを徹底する」と書くので、「考えを変えずに保ち続けること」を意味します。

以上の事から、「初志貫徹」の本来の意味は「最初に決めた目標を変えずに、保ち続けること」だと言えます。ここから現在の「当初の志を貫き通す」という意味になるわけです。

世の中には、様々なタイプの性格の人が存在します。

  • 「根性がなく、あきらめやすい人」
  • 「飽きやすく、途中で投げ出してしまう人」
  • 「瞬発力はあるが、持続力はない人」

しかし「初志貫徹」というのはあくまで、「最初の目標をあきらめずに継続する人」を指すわけです。

なお、「初志」を「初思」や「初心」などと書くのは誤りなので注意してください。これはよく間違える人が多いので気をつける必要があります。

初志貫徹の類義語

初志貫徹 類義語 言い換え 対義語続いて、「初志貫徹」の類義語を紹介します。

首尾一貫(しゅびいっかん)】⇒考え方や方針が変わらず、筋が通っていること。「首尾」は「首から尾っぽ」、すなわち「最初から最後のこと」を指す。
意志貫徹(いしかんてつ)】⇒自分の志を貫き通すこと。「意志」とは「目標や計画に対する精神」を意味する。
終始一貫(しゅうしいっかん)】⇒最初から最後までずっと変わらないこと。「一貫」とは「一つの方法を貫くこと」を意味する。
鉄心石腸(てっしんせきちょう)】⇒困難に負けない堅固な精神のこと。「鉄心」は「鉄のような心」、「石腸」は「石のような内臓」を指す。

共通しているのは、「志や考え方を貫く」ということです。「初志貫徹」には、その人のメンタルの強さのような意味も含まれています。

したがって、「困難に負けない」といった意味では「百折不撓(ひゃくせつふとう)」なども類義語だと言えます。「百折不撓」とは「何回失敗しても、志をまげないこと」という意味の四字熟語です。

初志貫徹の対義語

 

逆に、対義語としては次のような言葉が挙げられます。

融通無碍(ゆうずうむげ)】⇒何にもとらわれず、自由であること。
朝令暮改(ちょうれいぼかい)】⇒命令や方針がすぐに変わってしまうこと。
臨機応変(りんきおうへん)】⇒その場の状況に応じて、自由自在に変えること。
君子豹変(くんしひょうへん)】⇒賢い人は、過ちに気づいた時にすぐ考えや方針を改めること。

基本的には良い意味で使うものが多いですが、「朝令暮改」だけは悪い意味で使います。「朝令暮改」とは簡単に言うと、「考え方をコロコロ変える」という意味です。

に出した命を、夕れにはめること」を由来とする四字熟語で、主に信念や節操がない人に対して使われます。

初志貫徹の英語訳

 

「初志貫徹」は、英語だと次のように言います。

carrying out original intention

achieve one’s original objectives

「carry out」は「実行する」、「achieve」は「何かを成し遂げる・達成する」などの意味です。また、 「original」は「最初の」という意味です。これに、「intention(考え)」や「objective(目的)」をつけると「最初の志」という意味になります。

例文だと、それぞれ次のような言い方です。

He is carrying out original intention.(彼は初志貫徹を果たしている。)

She achieved her original objectives.(彼女は初志貫徹を果たした。)

初志貫徹の使い方・例文

 

最後に、「初志貫徹」の使い方を例文で紹介しておきます。

  1. 初志貫徹を守り、プロ野球選手を目指すことにします。
  2. 今年の目標として、習字に「初志貫徹」と書くことにした。
  3. 初志貫徹の思いを忘れずに、勉学に励むつもりです。
  4. 初志貫徹を果たしたので、今の僕の地位があると言えます。
  5. 書き初めの四字熟語は、「初志貫徹」に決定しました。
  6. 何事も初志貫徹する人なので、彼は信頼されているようだ。

 

「初志貫徹」は、新年の目標などに使われることが多い四字熟語です。

特に書き初めなどでは今年一年の目標や願望を決めます。そのため、「決めた目標を最後まで変えない」という意味でこの言葉は使われやすいわけです。

また、受験や資格試験などの勉学に対しても使うことができます。例えば、難関大学の受験や難関資格のチャレンジなどをするような場合です。

ただ、「初志貫徹」はその人の大きな志を示すものでなので、あまり小さな目標などには使わないようにする必要があります。

まとめ

 

以上、本記事のまとめです。

初志貫徹」=最初に心に決めた志を最後まで貫き通すこと。

語源・由来」=「初めの志を貫き、徹底すること」から。

類義語」=「首尾一貫・意志貫徹・終始一貫・鉄心石腸」

対義語」=「融通無碍・朝令暮改・臨機応変・君子豹変」

英語訳」=「carrying out original intention」「achieve one’s original objectives」

人は誰しも目標を定めて行動します。ビジネスやスポーツの世界では特にそうでしょう。そんな時は、当初の気持ちを貫いて「初志貫徹」を意識してみてはどうでしょうか?