勇往邁進 意味 使い方 例文 類義語 英語訳

「勇往邁進」という四字熟語をご存知でしょうか?書道や書き初め、年賀状などにも書かれている言葉で、最近では座右の銘にしている人も多いようです。

ところが、この言葉を良い言い方として使っていいのか迷う人も多いようです。そこで今回は、「勇往邁進」の意味や使い方、由来、類語などを分かりやすく解説しました。

勇往邁進の意味・読み方

 

最初に、読み方と基本的な意味を紹介します。

【勇往邁進(ゆうおうまいしん)】

目標に向かって、わきめもふらず勇ましく前進すること。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

勇往邁進」は「ゆうおうまいしん」と読みます。意味は「目標に向かって、脇目もふらず勇ましく進むこと」です。

例えば、会社の中で売上一位を達成するためにとにかく突き進んでいる人がいたとしましょう。

具体的に言いますと、

  • 「他のことには目もくれないほど、仕事に集中する」
  • 「失敗を恐れずに、とにかく成果を出すことに力を注ぐ」
  • 「一位を達成するためなら、どんな努力も怠らない」

といったことです。

このような人は、目標に向かって脇目もふらず勇ましく突き進んでいます。よって、「勇往邁進」と言うことができます。

他には、ビジネス以外だとスポーツ選手が優勝するために勇ましく練習することや受験生が合格に向けて脇目もふらず努力することなども「勇往邁進」だと言えます。

つまり、「勇往邁進」とは目標や目的に対して恐れずにまっすぐ突き進む様子を表す四字熟語ということです。

勇往邁進の語源・由来

 

「勇往邁進」は、「勇往」と「邁進」の二つから成る言葉です。

まず、「勇往」は「ましく来する」と書くので、「勇気を出して、ためらわずに進むこと」を意味します。そして、「邁進」とは「恐れることなく、一途にぐんぐんと進むこと」を表します。

「邁」は見慣れない字かもしれませんが、「どこまでも進んでいく・どんどんと過ぎ去っていく」などの意味があるので上記のような意味となります。

以上、両者を合わせますと、「勇往邁進」=「勇気を出して進むこと」+「恐れることなく進むこと」となります。

つまり、どちらも同じような意味を持った言葉ということです。同じ意味の語を重ねることにより、「勇ましく進むこと・ためらわずに突き進むこと」を強調している四字熟語ということになります。

勇往邁進の良い言い方

 

「勇往邁進」には「目標に対して一直線に進む」というその人の強い方向性が表れています。言いかえれば、努力の宣言のようなものです。

したがって、この言葉は原則として良い意味で使うと考えて問題ありません。

使い方としては、「困難に負けない様子」もしくは「目標に向かってまっすぐ進む様子」を伝える場面が望ましいでしょう。例えば、年賀状に手書きでメッセージを入れるとします。

  • 今年は成長の年となるよう、勇往邁進いたします。
  • 勇往邁進のごとく、目標に突き進むつもりです。

年賀状というのは、上司や同僚・親戚などに対して新年の挨拶をするものです。この時に「今年一年の抱負を宣言する」という意味で、勇往邁進はとても使いやすいと言えます。

なぜなら、年賀状などの正式な文面では漢字を使った方が場が改まるからです。

単に「がんばります」と書くよりも「勇往邁進いたします」と書いた方が、改まった雰囲気や知的なイメージを相手に与えることができます。

これは年賀状に限らず、ビジネスメールなどにも当てはまる話です。社会人になると自らの目標を公的に表明するような機会は多いです。そのため、「勇往邁進」はこのような場面で大変使いやすい四字熟語と言えるのです。

勇往邁進の類義語

勇往邁進 類義語 言い換え 対義語

続いて、「勇往邁進」の「類義語」をご紹介します。

直往邁進(ちょくおうまいしん)】⇒ためらわずに、まっすぐ突き進むこと。「直往」は「まっすぐ進むこと」、「邁進」は「恐れずに進むこと」を表す。
勇猛邁進(ゆうもうまいしん)】⇒勇気を出して、恐れずに進むこと。「勇猛」とは「勇気があって強いこと」を表す。
獅子奮迅(ししふんじん)】⇒勇ましく強く戦う様子。また、激しい勢いのこと。「獅子」は「ライオン」、「奮迅」は「激しく奮い立つこと」を表す。
奮闘努力(ふんとうどりょく)】⇒勇気を出して、全力で行うこと。「奮闘」は「全力で戦うこと」、「努力」は「全力で頑張ること」を表す。
猪突猛進(ちょとつもうしん)】⇒向こう見ずに激しい勢いで突き進むこと。「猪突」は「イノシシがまっすぐ進むこと」、「猛進」は「勢い激しく突き進むこと」を表す。

以上、五つの類義語を紹介しました。いずれも共通しているのは、「恐れずに進む・勇ましく進む」といった言葉です。

基本的にはどれも良い意味を含んだ言葉ですが、「猪突猛進」だけは良い意味としては使いません。「猪突猛進」は思慮の浅さ、融通のなさなどを含んだ否定的な意味合いとして使うのが一般的です。

勇往邁進の対義語

 

逆に、「対義語」としては次の二つが挙げられます。

小心翼々(しょうしんよくよく)】⇒気が小さく、びくびくしている様子。「小心」は「気が小さいさま」、「翼々」は「慎み深いさま」を表す。
戦戦恐恐 (せんせんきょうきょう)】⇒不安や恐怖でひどくおびえている様子。「戦いに対し、恐れているさま」から。

こちらは何かに対しておびえたりびくびくしたりする様子を表す四字熟語です。勇気がない様子を表した言葉が反対語となります。

勇往邁進の英語訳

 

「勇往邁進」は、英語だと次のように言います。

push forward(前に進む)」

dash and go(突進して行く)」

「push」は「押し出す」、「forward」は「前へ」という意味なので、「前へ押し出す」⇒「前に進む」という訳になります。

また、「dash」には何かに向かって「突進する」という意味があるので、「go」を付けることで「突進して行く」という訳として使えます。

例文だと、それぞれ以下のような言い方です。

I’ll push my work forward this year.(今年は勇往邁進して仕事を行うつもりです。)

He is full of dash and go.(彼は勇往邁進に富んでいる。)

勇往邁進の使い方・例文

 

最後に、「勇往邁進」の使い方を例文で紹介しておきます。

  1. 大学合格という目標に向かい、勇往邁進していくつもりです。
  2. 高校球児は、全国制覇を目指して日々勇往邁進している。
  3. 勇往邁進、少しでも実績を上げることに尽力してください。
  4. 上場するためには、社員一人一人が勇往邁進する必要がある。
  5. 彼がプロ選手になれたのは、幼少期から勇往邁進していたからだ。
  6. 勇往邁進して、自分の信じた道を進み続けることが大切です。
  7. ビジネスで成功するには、「勇往邁進」の精神が欠かせない。

 

勇往邁進は、目標を設定する幅広い対象に対して使うことができます。

元々は、軍隊の兵士が勇ましく攻める様子として使われていました。しかし、現在では軍隊よりもビジネス(年賀状・メール)やスポーツ・学業などに対して使うことが多いです。

ビジネスでは、すでに説明した通り今年一年の抱負やスローガンを述べるような時に使います。また、スポーツや学業では、全国制覇、大学合格など何か大きな目標を達成するために使うことが多いです。

いずれの場合も、勇往邁進は良い意味として使えますので、状況に応じてうまく使い分けるようにしてください。

まとめ

 

以上、本記事のまとめです。

勇往邁進」=目標に向かって、脇目もふらず勇ましく進むこと。

語源」=勇気を出して、恐れることなく進むことから。

類義語」=「直往邁進・勇猛邁進・獅子奮迅・奮闘努力・猪突猛進」

対義語」=「小心翼々・戦々恐々」

英語訳」=「push forward」「dash and go」

人は大きな行動をする前に必ず目標を決めます。そして、目標を達成するために様々なアプローチを試みます。勇往邁進とはその中でも最短距離でまっすぐ勇ましく突き進む様子を表す四字熟語ということです。