相互作用  使い方 語源 由来 類義語

「相互作用」という四字熟語をご存知でしょうか?

ビジネスや心理学、薬学など様々な場面で用いられている言葉です。ただ、どのように使うのか分かりにくいと感じる人も多いようです。

そこで本記事では、「相互作用」の意味や語源、具体例などを含めなるべくわかりやすく解説しました。

相互作用の意味・読み方

 

最初に、「相互作用」の意味を辞書で引いてみます。

【相互作用(そうごさよう)】

互いに働きかけ、影響を及ぼすこと。交互作用。

物体どうしが互いに万有引力や電気力の影響を及ぼし、それぞれの運動状態を変えていくこと。基本的には素粒子にみられる。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

相互作用」は「そうごさよう」と読みます。意味は、「互いに働きかけ、影響を及ぼすこと」です。

例えば、ビジネスにおける企業のM&A(合併・買収)や業務提携などは「相互作用」の具体例だと言えます。それぞれの会社がお互いに働きかけ、お互いに影響を及ぼすことで新たな事業が生まれているからです。

また、薬の成分と食品の栄養成分がお互いに影響を及ぼしあうことも「相互作用」の例だと言えます。薬剤の成分が牛乳などのカルシウムと結合することで、薬の吸収を阻害させてしまうようなことです。

つまり、「物と物、現象と現象などがお互いに作用し、影響を及ぼしあうこと」を「相互作用」と呼ぶわけです。

「相互作用」は辞書の説明の②のように物理学としての意味も持っています。ただ、一般にはビジネスや薬学、心理学などの意味として使われることが多いです。

相互作用の語源・由来

 

「相互作用」は、「相互」と「作用」の二語から成る四字熟語です。

まず「相互」とは「お互い・両方」などの意味があります。「相互の仲を深める」「相互に依存する」などの用例がこの意味でのものです。

そして、「作用」とは「他のものに力を及ぼして影響を与えること」を表します。また、「他に力を及ぼすその働き自体」を指すこともあります。「作用」の使い方としては「薬の副作用」などが主なものです。

以上、両者を合わせますと、「相互作用」=「お互いが力を及ぼして影響を与えること」となります。転じて、「物や現象などがお互い影響を及ぼしあうこと」という意味になるわけです。

「相互作用」は元々日本で作られた言葉ではなく、ラテン語を訳した語が広まったものだと言われています。

ラテン語だと、「相互」を意味する接頭辞 「inter-」 に、「行う」を意味する動詞 agō の派生形 「āctiō」 を足すと「相互に行う」という意味の語となります。

そしてこのラテン語がヨーロッパ系の言語に訳され、「interaction(英語・フランス語)」、「Interaktion(ドイツ語)」などと表記されるようになりました。

現在使われている「相互作用」は、このヨーロッパ系の言語を日本語訳にしたものだと言われています。

相互作用の類義語

相互作用  類義語 言い換え 同義語は

続いて、「相互作用」の「類義語」を紹介します。

相乗効果(そうじょうこうか)】⇒二つ以上の要因が同時に働き、個々の要因がもたらす以上の結果を生じること。
相互交流(そうごこうりゅう)】⇒二つ以上のものがお互いに交流し合うこと。互いに行き来すること。
交互作用(こうごさよう)】⇒ 二つまたは二つ以上の事物が、代わる代わる他に対して作用を及ぼし合うこと。
共存共栄(きょうぞんきょうえい)】⇒二つ以上のものが敵対することなく、互いに助け合って栄えていくこと。
一蓮托生(いちれんたくしょう)】⇒相手と運命や行動を共にすること。

類義語は「両者がお互いに作用を及ぼしあうこと」を表したものとなります。ただ、全く同じ意味の言葉(同義語)というのはありません。

相乗効果」は「効果」とあるように何か良い結果が生じた時に使われる言葉です。また、「相互交流」は「交流」とあるように、「互いに交流し合うこと・行き来すること」を表した言葉です。

交互作用」に関しては、「相互作用」よりももっと理論的な内容を表す際に使われます。例えば、グラフや図を使い、二つの対象を比較することで、お互いの与える効果を証明するような場面です。

その他、ビジネスで使われる類義語としては「シナジー」「インタラクション」などが挙げられます。

「シナジー」は「相乗効果」をカタカナにしたもので、「シナジー効果」などと呼ばれることもあります。「インタラクション」も同様に「相互作用」をカタカナ表記にしたものです。

相互作用の英語訳

 

「相互作用」は、英語だと「interaction」と言います。主な用例としては次のようなものがあります。

close interaction(密接な相互作用)」

unilateral interaction(一方的な相互作用)」

他には、「interaction」の前に「mutual」を付けて「mutual interaction」のように用いることもあります。「mutual」は「お互いの・相互の」などの意味を持つ形容詞です。

相互作用の使い方・例文

 

最後に、「相互作用」の使い方を例文で紹介しておきます。

  1. 今回の事業は、販売部門と広告部門の相互作用により上手くいったものだ。
  2. 二種類の薬を合わせて飲むことで、相互作用を得ることができるだろう。
  3. 複数のメンバーの連携が、チーム全体への大きな相互作用をもたらしている。
  4. 来週のイベントは、AとBの相互作用により多くの集客が見込まれる予定だ。
  5. アプリ―ケーション間の相互作用により、弊社のシステムは運用されています。
  6. 今の心理状態は、彼の脳内にもよくない相互作用をもたらしているだろう。

 

「相互作用」は、良い作用・悪い作用の両方に対して使うことができます。

ただ、一般的には良い作用に対して使われることが多いです。特に、企業などの事業やシステムがお互いに働きかけることで、よい効果を得られうような時に用いられます。

なお、文法的には「相互作用に~」「相互作用を~」などの言い回しが多い四字熟語だと言えます。

まとめ

 

以上、本記事のまとめです。

相互作用」=互いに働きかけ、影響を及ぼすこと。

語源・由来」=「相互」は「お互い」、「作用」は「他のものに力を及ぼして影響を与えること」。

類義語」=「相乗効果・相互交流・交互作用・共存共栄・一蓮托生」

英語訳」=「interaction」

「相互作用」は、ビジネス以外にも様々な場面で用いることができます。意味を覚えたからには、ぜひ普段の文章でも使って頂ければと思います。