三々五々 意味 使い方 例文 類義語 英語訳

「三々五々」という四字熟語をご存知でしょうか?主に「三々五々に集まる」「三々五々に解散する」などのように用います。

数字だけを見るとシンプルな言葉に見えるかもしれません。ただ、この四字熟語は飲み会やパーティーなど改まった場でよく使われています。

本記事では、そんな「三々五々」の意味や読み方、例文、英語訳などを解説しました。

三々五々の意味・読み方

 

最初に、基本的な意味と読み方を紹介します。

【三々五々(さんさんごご)】

あちらに三人、こちらに五人と、人が行き交ったり、集まっているさま。また、物や人があちこちに点在しているようす。

出典: 学研 四字熟語字典

三々五々」は「さんさんごご」と読みます。意味は、「人が集まる様子」もしくは「あちこちに散らばる様子のこと」です。

一言で、「あちこち」「ばらばら」などと言い換えても構いません。

例えば、新しくお店をオープンしたとして、開店初日に人が集まる様子などは「三々五々」と言えます。また、飲み会が終わった後にそれぞれのグループがバラバラに解散する様子なども「三々五々」と言えます。

つまり、「三々五々」とは、人が集まったり解散したりする様子を端的に表した四字熟語ということです。

ここでいう「三」や「五」という数字は、必ずしも3人もしくは5人という厳密な人数を表しているというわけではありません。

「2人であれば2人組」「4人であれば4人組」などのように少人数のグループであれば対象となります。

ただし、あまりにも多い人数、例えば、10人や20人といった人数に対しては通常は使いません。あくまで少人数の集団が、行ったり来たりするような時に使う四字熟語です。

なお、場合によっては「モノが集まってくる・散らばる」という意味で使うこともあります。

【例】⇒ここは全国の荷物が三々五々に集まる場所である。

いずれにせよ、少数のまとまりが散らばったり集まったりする様子を「三々五々」と言うわけです。

三々五々の語源・由来

 

「三々五々」は、中国盛唐時代の詩人である「李白」の書いた「採蓮曲(さいれんきょう)」という詩が由来です。

採蓮曲の中の一節に、次のような記述があります。

「岸上 誰が家の遊冶郎ぞ/三三五五 垂柳に映ず」

これを簡単に訳すと、

岸辺を行くのはどこの誰だろうか?三人のグループが来たと思えば、今度は五人のグループが来た。

となります。

「李白」の作品では、岸辺で蓮(はす)の花を摘む美しい女性がいました。そして、彼女に対して若い男性達(3人・5人)が声をかけようとあちこちから来たり帰ったりします。

どことなく感傷的な気分になりますが、注目すべきは「三」と「五」が表している対象です。ここでも「三々五々」は「少人数のまとまりのこと」を表しています。

つまり、この男性たちの人数が元になり、現在の意味になったということです。

ちなみに、「三々五々」は元々は「三三五五」と記述されていました。したがって、「三三五五」と書いても誤りではありません。

現在ではどちらも使われていますが、一般的には「三々五々」と書くことの方が多いようです。

三々五々の類義語

 

続いて、「三々五々」の「類義語」をご紹介します。

三々両々】⇒あちこちに散らばっている様子。「両々」とは「あれとこれも・両方とも」という意味。
四分五散】⇒ばらばらになること。調和が崩れて乱れること。主に「秩序」などが乱れる時に使う。
散(ち)り散(ぢ)りばらばら】⇒あちこちに散って、離れ離れになること。
まちまち】⇒散らばっていて、数にまとまりがないこと。意見が異なる場合などにも使う。
ぽつぽつ】⇒人や物が少しずつ散らばっていくこと。「ぽつぽつと家が建つ」などのように使う。
思い思いに】⇒それぞれが思うように行動すること。「思い思いに集まる」などのように使う。

「三々五々」を言い換えた表現はいくつかありますが、この中では「三々両々」が最も意味が近いです。

「三々五々」と「三々両々」はほぼ同じ意味なので、同義語と考えても問題ありません。

基本的にはその他の類義語も「ばらばら・分散」といった意味を持つ言葉がほとんどです。

三々五々の英語訳

 

「三々五々」は、「英語」だと次のように言います。

by twos and threes(2~3人(個)で)」

in groups(少人数で・グループで)」

英語で少人数を表す場合は、「2人~3人」という単位で使うのが基本です。この場合は、「3」や「5」を直接的に表す「three」や「five」を使うというわけではありません。

また、「group」には「集まり・群れ・小党派」などの意味があります。「in」は「~の中に」という意味の前置詞なので、「少数のまとまり」という訳になります。

例文だと、それぞれ次のような言い方です。

The students began to left by twos and threes.(生徒達は、三々五々出発し始めた。)

Please go to the station in groups.(三々五々、駅へ向かってください。)

三々五々の使い方・例文

 

最後に、「三々五々」の使い方を例文で紹介しておきます。

  1. パーティー終了後は、三々五々、解散するようにしましょう。
  2. 新宿駅に集まった生徒たちは、三々五々に自宅へ帰って行った。
  3. これで本日の飲み会は終了です。三々五々、各自ご帰宅ください。
  4. 約束の時間になると、三々五々にメンバーたちが集まってきた。
  5. ゲームの時間になると、三々五々、子供たちが群がってきます。
  6. ようやく他のチームの出場者も、三々五々到着したようです。
  7. 繁忙期である宅配業界は、この時期は三々五々でとても忙しい。

 

「三々五々」の使い方としては、①「解散する場合」と②「集合する場合」の2つに分けて考えると分かりやすいです。

前者は少人数の集まりが特定の場所から散り散りに解散するような時に使います。一方で、後者は少人数の集まりが各方面からどんどんと集まってくるような場合に使います。

どちらも少人数が移動する時に使えますが、一般的には解散する場合の方が使う頻度は多いです。

また、使う場面としては飲み会やパーティーなどが使いやすいです。これらのイベントでは、「解散」と「集合」を繰り返し行うので、ビジネスシーンでも「三々五々」はよく使われています。

まとめ

 

以上、本記事のまとめです。

三々五々」=あちこちに散らばる(集まる)様子。ばらばらに。

語源・由来」=男性(3人・5人)が美女に話しかける様子から。「李白」の「採蓮曲」が由来。

類義語」=「三々両々・四分五散・散り散りばらばら・まちまち・ぽつぽつ」など。

英語訳」=「by twos and threes」「in groups」

「三々五々」は一見すると簡単なイメージですが、なかなか奥が深い四字熟語です。この記事をきっかけに、ぜひ普段の生活や仕事などにおいて使ってみてはどうでしょうか?