この記事の読了目安: 431

作動 動作 違い 使い分け 意味

 

「作動」と「動作」にはどのような違いがあるのでしょうか?

どちらも機械が動く時に使われている言葉ですが、両者の使い分けに迷うという人も多いと思われます。

そこで今回は、「作動」と「動作」の違いについて詳しく解説しました。

作動の意味

 

まずは、「作動」の意味からです。

【作動(さどう)】

機械や装置の運動部分が働くこと。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

作動」とは「機械や装置の運動部分が働くこと」を意味します。簡単に言うと、「機械が動くこと」を表した言葉ということです。

主な使い方としては、次のようになります。

  • ロボットを作動させる。
  • パソコンを作動させる。
  • コピー機を作動させる。

「作動」は、人の行為によって動くのが特徴です。例えば、「ボタンを押す」「スイッチを押す」などの何かしらの行為によって初めて動きます。

したがって、基本的には人が機械を動かし始める際に使われる言葉となります。

動作の意味

 

続いて、「動作」の意味です。

【動作(どうさ)】

何かをしようとして、からだを動かすこと。また、そのときのからだの動き。

機械類が作動すること。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

動作」には二つ意味があります。

一つ目は、「何かをしようとして体を動かすこと・その時の動き」という意味です。この場合は人間や動物が動く時に使われます。

  • 動作が遅い。
  • 動作が速い。
  • 素早い動作。

簡単に言うと、「生き物の動き」ということです。

そして二つ目は、「機械類が動くこと」という意味です。

  • 機械の動作がおかしい。
  • ロボットの動作が遅い。
  • エンジンの動作を確認する。

この場合は主に動きが継続しているような際に使います。言いかえれば、「動いてる状態」に対して使われるということです。

作動と動作の違い

作動 動作 違い 使い分け

 

ここまでの内容を整理すると、

作動」=機械が動くこと。

動作」=体を動かすこと・動き。機械類が動くこと。

ということでした。

両者の違いは、二つの点から比較すると分かりやすいです。

一つ目は、「生き物に対して使うかどうか」です。

「作動」は生き物に対しては使いません。原則として機械にのみ使います。一方で、「動作」は人などの生き物に対しても使います。むしろ、「動作」は人に使うことの方が多いです。

そのため、実際の使い分けとしては「作動」は機械に使い、「動作」は人間に使うと覚えても問題ありません。

二つ目は、「動き方の違い」です。

どちらも一応は機械に対して使うことができますが、「作動」の方は機械を動かし始める時に使います。一方で、「動作」の方は機械が動いている状態の時に使います。

つまり、作動」は止まっている状態から動かすことなのに対して、「動作」はそもそもすでに動いてる状態を表すということです。

したがって、両者の使い方としては、「作動」は「機械作動する」のように前に目的語を取るのが一般的です。対して、「動作」の方は「機械を動作する」とは言いません。

なぜなら、すでに動いてる状態だからです。この場合は「動作を確認する」のように名詞として使うのが一般的です。

以上、まとめますと、

作動」=機械にのみ使う。(動かし始める時)

動作」=主に人間に使う。(動いている状態の時)

となります。

補足すると、両者は英語に訳すと、なお分かりやすいです。

「作動」は英語で、「operation(オペレーション)」と言います。「operation」とは「運転・操作」などの意味です。つまり、車やリモコンなどの機械を動かすようなイメージです。

一方で、「動作」は英語で「motion(モーション)」と言います。「motion」とは「動き・運動・身振り」などの意味です。

前者は「機械の動き」に対して使い、後者は「人の動き」に対して使う言葉である事が分かるかと思います。このように、英語訳も比較しておくと本来の意味が理解しやすくなるでしょう。

使い方・例文

 

最後に、それぞれの使い方を具体的な例文で紹介しておきます。

 

【作動の使い方】

  1. コンピューターを作動させて、仕事に取りかかる。
  2. エアコンを作動させ、部屋の温度を少し下げた。
  3. 新しい冷蔵庫がちゃんと作動し始めたか確認した。
  4. スイッチを押して車のエンジンを作動させる。
  5. モーターが自動的に作動するように設定する。

【動作の使い方】

  1. 彼女のダンスには無駄な動作が一切ないのが分かる。
  2. 彼はすべての動作がゆったりとして落ち着いている。
  3. 目にも見えない速い動作だったので、よく分からなかった。
  4. 単純な動作を繰り返すだけなので、自分にもできそうだ。
  5. 運転中の機械が誤動作をした結果、流れ作業に影響が出た。

 

「誤作動」と「誤動作」の違いも整理しておきます。

誤作動」とは「停止中の機械が誤って動き始めること」です。一方で、「誤動作」とは「動作の流れの中で、機械が誤った動きをすること」です。

最後の例文5の場合だと、「運転中(すでに動いてる状態)」とあります。したがって、この場合は「誤動作」を使うことになります。

まとめ

 

以上、本記事のまとめとなります。

作動」=機械や装置の運動部分が働くこと

動作」=何かをしようとして体を動かすこと・その時の動き機械類が動くこと

違い」⇒「作動」は動かし始める時に使う(機械のみ)。「動作」は動いている状態の時に使う(主に人間)。

「作動」と「動作」は前後の漢字を入れ替えた言葉ですが、意味は異なります。ポイントは「生き物に使うか」「動き方の違い」の二点を押さえることだと言えるでしょう。

The following two tabs change content below.

国語力アップ.com管理人

大学卒業後、国語の講師・添削員として就職。その後、WEBライターとして独立し、現在は主に言葉の意味について記事を執筆中。 【保有資格】⇒漢字検定1級・英語検定準1級・宅地建物取引士など。

最新記事 by 国語力アップ.com管理人 (全て見る)