「作動」と「動作」
どちらも何かが動く時に使われているというイメージですね。
「機械を作動する」
「機械が誤動作する」
普段から何気なく使っている言葉ですが、
一体どんな違いがあるのでしょうか?
今回は「作動」と「動作」の使い分けについて解説しました。
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作動の意味
まずは、「作動」の意味からです。
【作動(さどう)】
⇒機械や装置の運動部分が働くこと。
出典:デジタル大辞泉(小学館)
「作動」とは、
「機械や装置が働くこと」を意味します。
簡単に言うと、
「機械が動くこと」ですね。
使い方としては、以下の通りです。
- ロボットを作動させる。
- パソコンを作動させる。
- コピー機を作動させる。
「作動」は、
人間の行為によって動くのが特徴です。
例えば、「スイッチを押す」「ボタンを押す」
などの人の行為によって初めて動きます。
したがって、基本的には
人が機械を動かし始める場合に使う言葉だと考えてください。
動作の意味
続いて、「動作」の意味です。
【動作(どうさ)】
①何かをしようとして、からだを動かすこと。また、そのときのからだの動き。
②機械類が作動すること。
出典:デジタル大辞泉(小学館)
「動作」には2つ意味があります。
1つ目は、
「体を動かすこと・動き」という意味です。
この場合は人間や動物が動く時に使われます。
- 動作が遅い。
- 動作が速い。
- 素早い動作。
簡単に言うと、
「生き物の動き」ということですね。
そして2つ目は、
「機械が動くこと」という意味です。
この場合は主に動きが継続している時に使います。
- 機械の動作がおかしい。
- ロボットの動作が遅い。
- エンジンの動作を確認する。
言いかえれば、
「動いてる状態」に対して使われるということです。
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作動と動作の違い
ここまでの内容を整理すると、
「作動」=機械が動く。
「動作」=体を動かす・動き。機械が動く。
ということでした。
両者の違いは、2つの点から
比較すると分かりやすいです。
1つ目は、
「生き物に対して使うかどうか」です。
「作動」は、機械にのみ使います。
一方で、
「動作」は人などの生き物に対しても使うのです。
むしろ、「動作」は、
人に使うことの方が圧倒的に多いです。
したがって、実際の使い方としては
「作動」=機械に使う。
「動作」=人間に使う。
と覚えても問題ないと言えるでしょう。
2つ目は、
「動き方の違い」です。
どちらも一応は機械に対して使うことができます。
しかし、「作動」の方は
機械を動かし始める時に使います。
一方で、「動作」の方は、
機械が動いている状態の時に使うのです。
簡単に比較すると、
「作動」=止まっている状態から動かす。
「動作」=すでに動いてる状態。
ということです。
そのため、両者の使い方としては、
「作動」は、「機械を作動する」
のように前に目的語を取るのが一般的です。
対して、
「動作」の方は「機械を動作する」とは言いません。
なぜなら、すでに動いてる状態だからです。
この場合は、「動作を確認する」
のように名詞として使うのが一般的です。
以上、まとめると、
「作動」=機械にのみ使う。(動かし始める時)
「動作」=主に人間に使う。(動いている状態の時)
となります。
補足すると、
両者は英語に訳すと分かりやすいです。
「作動」は英語で、
「operation(オペレーション)」と言います。
「operation」とは「運転・操作」などの意味です。
つまり、
車やリモコンなどの機械を動かすようなイメージです。
一方で、「動作」は英語で
「motion(モーション)」と言います。
「motion」とは、
「動き・運動・身振り」などの意味です。
よって、こちらは
「人の動きに対して使う言葉」ということが分かるかと思います。
このように、英語訳も比較しておくと、
本来の意味が理解しやすくなるでしょう。
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使い方・例文
では、最後にそれぞれの使い方を例文で確認しておきます。
【作動の使い方】
- コンピューターを作動させて、仕事に取りかかった。
- エアコンを作動させ、部屋の温度を下げる。
- 新しい冷蔵庫がちゃんと作動し始めたか確認した。
- スイッチを押して車のエンジンを作動させた。
- モーターが自動的に作動するように設定する。
【動作の使い方】
- 彼女のダンスには無駄な動作が一切ない。
- 彼は全ての動作がゆったりとしている。
- 目にも見えない速い動作だったので、よく分からなかった。
- 単純な動作を繰り返すだけなので、自分にもできそうだ。
- 運転中の機械が誤動作をした結果、流れ作業に影響が出た。
「誤作動」と「誤動作」の違いも整理しておきましょう。
「誤作動」とは、
「停止中の機械が誤って動き始めること」です。
一方で、「誤動作」とは、
「動作の流れの中で、機械が誤った動きをすること」です。
最後の例文5.の場合だと、
「運転中(すでに動いてる状態)」とあります。
したがって、
この場合は「誤動作」を使うわけですね。
まとめ
以上、今回の内容をまとめると、
「作動」=動かし始める時に使う。(機械のみ)
「動作」=動いている状態の時に使う。(主に人間)
ということでした。
ポイントは、
「生き物に使うかどうか」「動き方の違い」
この2点を押さえることだと言えるでしょう。
では今回は以上となります。
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国語力アップ.com管理人
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