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折り合いをつける 意味 語源 類語 例文 英語

 

「折り合いをつける」という慣用句を聞いたことがありますか?

競馬に詳しい人は、「折り合い」という言葉自体は聞いたことがあるかもしれません。実はこの言葉は、普段の生活からビジネスまで幅広い場面で使われています。

今回は、「折り合いをつける」の意味や使い方、語源・類義語などを詳しく解説しました。

折り合いをつけるの意味・読み方

 

最初に、読み方と基本的な意味を紹介します。

【折り合いをつける(おりあいをつける)】

交渉において、互いにある程度譲り合って双方が納得できる妥協点を定めること。互いに意見や立場が対立しないポイントを見出すこと。

出典:実用日本語表現辞典

折り合いをつける」は、「おりあいをつける」と読みます。

意味は「交渉においてお互いが納得できる妥協点を見つけること」です。「妥協点」とは「お互いが譲り合った点」のことを指します。

簡単あん具体例を出しましょう。

Aさんは、自分のゲーム機を2万円で売りたいと考えていました。一方で、Bさんはそのゲーム機を1万円で買いたいと考えていました。

どちらも自分の希望価格で売買したいと考えていますが、このままだと取引が成立しません。そこで、お互いが譲り合い最終的に「1万5千円」で売買することが決まりました。結果的に、AさんとBさんの取引はお互いが歩み寄ることにより成立しました。

もう理解できた方もいるとは思いますが、この場合の妥協点というのは「1万5千円」のことです。

つまり、最初は金額が合わなかったものの、交渉することによりお互いの妥協点である「1万5千円」で落ち着いたということです。

ポイントは、「お互いが譲り合う」という点にあります。「折り合いをつける」は、片方の人間だけが譲るような場合は使いません。お互いが譲り合い、双方のバランスが整った時に初めて使われる言葉なのです。

折り合いをつけるの語源・由来

 

折り合い」という言葉は、「折る」と「合う」の二語からできています。

「折る」は「骨を折る」「木の枝を折る」などの使い方が一般的ですが、必ずしもこの使い方をするとは限りません。

実は「折る」には「主張を引っ込める」「負けてくじける」などの意味もあります。

元々、「」という字は「オノで草木を切断する様子」を表す象形文字でした。要するに、「バラバラにされること」が本来の意味だったのです。

この「折」に「合う」を付けると、「お互いがバラバラに切断される」つまり、「お互いが負けてくじけること」になります。

転じて、「折り合いをつける」⇒「お互いが主張を引っ込めて妥協点を見つける」という意味になったわけです。ここでの、「つける」は「見つける」という意味で考えればよいでしょう。

折り合いをつけるの類義語

 

折り合いをつける 類義語 言い換え

 

続いて、「折り合いをつける」の類義語をご紹介します。

 

  • 譲り合う
  • 譲歩し合う
  • 歩み寄る
  • 互いに折れる
  • 着地させる
  • 妥協し合う

 

いずれもお互いが譲ったり折れたりする様子を表す言葉です。

一点だけ注意すべきは、「妥協する」は必ずしも同じ意味とは限らないということです。

なぜなら、「妥協する」という言葉自体は双方ではなく片方だけが譲る場合もあるからです。

「折り合い」は「お互いが譲り合うこと」を意味します。したがって、厳密に言えば「妥協する」ではなく「妥協し合う」が「折り合いをつける」の言い換えとして正しいことになります。

折り合いをつけるの英語訳

 

「折り合いをつける」は英語だと次のように言います。

 

reconcile

come to terms

 

「reconcile」は「一致させる・調和させる」、「come to terms」は「折り合う・屈伏する」という意味です。

「term」には「期間・学期」などの意味以外に「終わり」という意味もあります。ここから、「(交渉の)終わりがくる」という意味で「折り合いをつける」という訳になります。

例文だと、それぞれ以下のような形です。

She reconciled work and family.(彼女は仕事と家庭に折り合いをつけた。)

We had come to terms at a low price.(安い値段で折り合いがついた。)

折り合いをつけるの使い方・例文

 

最後に、「折り合いをつける」の使い方を例文で確認しておきましょう。

 

  1. 取引先との商談は、大筋で折り合いをつけることができた。
  2. 人生経験を積む内に、折り合いをつける力が身についてくるものだ。
  3. 子育てや育児に関しては、ある程度折り合いをつけることが大事だ。
  4. 苦渋の決断だが、うまく折り合いをつけないといけないのも事実である。
  5. 転職のキャリアに傷がつきそうなので、そろそろ折り合いをつけることにした。
  6. 看護の仕事は大変なので、どこかで折り合いをつけることもしないといけない。
  7. 彼は恩師から気持ちに折り合いをつける方法を学び、ビジネスにも生かしたようだ。

 

例文を見ても分かるように、「折り合いをつける」は様々な場面で使われています。特に多いのが、実際の仕事を行うビジネスの現場でしょう。

ビジネスでは、「自分と相手」あるいは「自分と仕事」という関係を維持することは非常に重要です。そのため、「双方のバランスを程良く保つ」という意味でこの言葉をよく使うわけです。

なお、最後の例文の「気持ちに折り合いをつける」とは「気持ちを整理すること」だと考えてください。言い換えれば、「自分の心の中の様々な感情を上手くまとめる」ということです。

用例としては少ないですが。「折り合いをつける」はこのように人の気持ちや感情などに対して使われることもあります。

まとめ

 

以上、本記事のまとめです。

折り合いをつける」=交渉においてお互いが納得できる妥協点を見つけること。

語源・由来」=お互いが負けてくじけることから。「折」はオノで草木を切断する様子を表す。

類義語」=「譲り合う・歩み寄る・互いに折れる・妥協し合う」など。

英語訳」=「reconcile」「come to terms」

人との交渉事で大事なのは、妥協点を見つけることです。この記事をきっかけに、ぜひ話の中で決着点を見い出すことを意識して頂ければと思います。

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国語力アップ.com管理人

大学卒業後、国語の講師・添削員として就職。その後、WEBライターとして独立し、現在は主に言葉の意味について記事を執筆中。 【保有資格】⇒漢字検定1級・英語検定準1級・宅地建物取引士など。