人の心理を表す四字熟語があります。一般的には「半信半疑で聞く」「半信半疑の面持ち」などのように用います。
有名な言葉なので、一度は聞いたことがあるかもしれません。ただ、具体的な使い方や語源などが気になる人も多いと思われます。
そこで本記事では、「半信半疑」の意味や使い方、類語、反対語などを詳しく解説しました。
半信半疑の意味・読み方
最初に、基本的な意味と読み方を紹介します。
【半信半疑(はんしんはんぎ)】
⇒半分は信じているが、半分は疑っている状態。うそか本当か判断に迷う様子。
出典: 三省堂 新明解四字熟語辞典
「半信半疑」は「はんしんはんぎ」と読みます。
意味は「半分は信じているが、半分は疑っている状態」のことです。また、「嘘か本当か分からず、判断に迷う様子」を表すこともあります。
例えば、あなたの友人が少しできすぎた話をしていたとします。
具体的に言うと、「あまり現実味がない話」「どこかで聞いたような話」「ドラマのような嘘くさい話」といったものです。
このような場面では、親しい友人の話であっても嘘か本当か分からず判断に迷ってしまいます。よって、あなたの心理は「半信半疑である」と言うことができます。
つまり、相手のことを信じきれず、どこか疑っているような心理ということです。
私たちの日常は、疑わしい人・疑わしい話などであふれています。
- 人が良すぎる人
- 話が上手すぎる人
- 笑顔が嘘くさい人
そんな人と出会った時に、「本当に信頼できるだろうか?」「何か怪しい・・・」「もしかして裏があるのでは?」などと思った経験は誰しもあるでしょう。
「半信半疑」とは、そのような「ウソか本当か分からない迷った心理」を表す四字熟語ということです。
半信半疑の語源・由来
「半信半疑」は、「半身」と「半疑」に分けることができる四字熟語です。
まず「半信」は「半分信じる」と書くので、「相手のことを半分だけ信じる様子」を表します。そして「半疑」は「半分疑う」と書くので、「相手のことを半分だけ疑うこと」を意味します。
この事から、「半信半疑」は「信じること」と「疑うこと」が半分半分な様子であることが分かります。
つまり、両者の心理がちょうど拮抗した状態を表す四字熟語が「半信半疑」ということです。
ただ、実際に使われる際は必ずしも両者の心理が半分半分というわけではありません。
例えば、信じる気持ちが6割、疑っている気持ちが4割などであっても「半信半疑」が使われます。場合によっては、疑う心理が2、3割であっても使われることもあります。
「半分」というのはあくまで比喩であるため、嘘か本当か分からない心理であればそれは「半信半疑」ということになります。
半信半疑の類義語
続いて、「半信半疑」の「類義語」を紹介します。
四字熟語や慣用句で、全くの同義語というものはありません。この中では「疑心暗鬼」が最も近い意味だと言えます。
一般的な言葉だと、「疑心」「疑い」「猜疑(さいぎ)」「不信感」なども類語に含まれます。
半信半疑の対義語
「半信半疑」の「対義語」と呼べるような四字熟語はありません。ただ、四字熟語以外だと次のような言葉が対義語に含まれます。
- 「信頼」
- 「信用」
- 「確信」
- 「妄信」
「半信半疑」は、2つの心理が混合したような状態です。したがって、一つの心理状態のみを表すのが「反対語」だと言えます。
半信半疑の英語訳
「半信半疑」は、英語だと次のように言います。
「half in doubt」
「dubious」
「half」は「半分」という意味です。「half」に「疑い」を表す「doubt」が加わることで、「半分疑う」という意味になります。また、「dubious」は「疑っている・疑わしい」という意味の形容詞です。こちらはもっと簡易的な言い方となります。
例文だと、それぞれ次のような言い方です。
He was half in doubt.(彼は半信半疑だった。)
I feel dubious about this matter.(私はこの件に関して半信半疑だ。)
なお、「believe」を使って「only half believe(半分だけ信じる)」などの表現もあります。こちらは「疑う」ではなく「信じる」という意味の単語を使ったものです。複数の言い方があるので、場面によって使い分けるようにしてください。
半信半疑の使い方・例文
最後に、「半信半疑」の使い方を例文で紹介しておきます。
- うさんくさい話なので、半信半疑で聞いておこう。
- 最初は半信半疑だったが、彼の実力が本物だと気づいた。
- 初対面なので、半信半疑の気持ちで相手の話を聞いてみよう。
- 私は占いに対して半信半疑です。全てが当たるとは思っていません。
- 営業マンが売り込みにきた?半信半疑で聞いといたほうがいいよ。
- 本当に成功するのか、彼らはずっと半信半疑な気持ちだった。
「半信半疑」は、「信じること」と「疑うこと」が半分半分の状態ということでした。そのため、人の心の中で「ウソか本当かどっちか?」と判断しかねるような時に使います。
ただし、先述したように実際の用例としては必ずしも正確な半分というわけではありません。あくまで、「相手のことを疑っている状態」を指す言葉です。
したがって、「うそじゃない?」「本当なの?」という心理であれば基本的に使える四字熟語ということになります。
まとめ
以上、本記事のまとめです。
「半信半疑」=半分は信じているが、半分は疑っている状態。ウソか本当か分からない状態。
「語源・由来」=「半分だけ信じる様子」と「半分だけ疑う様子」から。
「類義語」=「疑心暗鬼・杯中蛇影・眉に唾をつける・人を見たら泥棒と思え」
「対義語」=「信頼・信用・確信・妄信」など。
「英語訳」=「half in doubt」「dubious」
もちろん、時には相手を信用することも大事でしょう。しかし、人間は疑うことによって未来のリスクを回避してきました。この四字熟語によって「まずは相手を疑うこと」を試してみるのもよいかもしれません。