合理的とは 意味 簡単に わかりやすく 英語

「合理的」という言葉は、「合理的に話す」「合理的な考えだ」などのように用います。ただ、具体的な意味を聞かれると多くの人が答えにくいと思われます。

そこで今回は、「合理的」の意味を例を使い簡単にわかりやすく解説しました。後半では「対義語」や「類義語」「英語訳」などにも触れています。

合理的とは

 

まず、「合理的」の意味を辞書で引くと次のように書かれています。

【合理的(ごうりてき)】

道理や論理にかなっているさま。

むだなく能率的であるさま。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

合理的」には2つ意味があります。1つ目は、「道理や論理にかなっているさま」という意味です。

「道理(どうり)」とは「物事の正しい筋道」、「論理(ろんり)」とは「考えを進める上での筋道や理由など」を表します。

つまり、ちゃんとした筋道や理由があり、誰もが納得する様子のことを「合理的」と言うのです。

具体例をあげましょう。AさんとBさんは、共に大事なテストを控えていたとします。

  • Aさん:「明日はテストがあるので、勉強をしよう。」
  • Bさん:「明日はテストがあるけど、ゲームをしよう。」

Aさんは「テストがある」という理由に対して、「勉強する」という行動が合っています。よって、Aさんの考えは合理的であると言えます。

一方で、Bさんは「テストがある」にもかかわらず、「ゲームをする」という行動をとっています。

そのため、Bさんの考えは合理的とは言えません。周りから見ても、Bさんの行動は納得できないでしょう。

もう一つ例をあげます。ダイエット中のAさんとBさんがいたとします。

  • Aさん:「ダイエット中なので、甘いものは控えよう。」
  • Bさん:「ダイエット中だけど、甘いものを食べよう。」

Aさんは「ダイエット中」という理由に対して、「甘いものを控える」という行動が合っています。

一方で、Bさんは同じ理由に対して、「甘いものを食べる」という行動が合っていません。よって、Aさんの方が「合理的」な考えということになります。

そして2つ目は、「むだがないさま」という意味です。

こちらも具体例を挙げましょう。AさんとBさんは、同じ量の仕事を与えられました。

Bさんはその仕事をするのに、手書きの用紙を使い5時間かけて完成させました。一方で、Aさんはパソコンを使い、わずか1時間で完成させました。

どちらも仕事の結果は同じですが、Bさんの仕事のやり方は「むだが多い」と言えます。なぜなら、パソコンを使えばもっと早く終わるのに、わざわざ手書きで仕事をしているからです。

一方で、Aさんの仕事のやり方はむだがなく効率的だと言えます。このような場合、

  • Bさんの仕事はむだが多い。
  • Aさんは合理的に仕事をする。

などのように言うわけです。

別の言い方をすれば、この場合の「合理的」とは「余計なことをせずに、最短で動く様子」ということになります。

まとめると、

合理的」⇒①ちゃんとした筋道や理由があり、誰もが納得する様子。むだがないさま。

となります。

一般的には、①の意味は国語の評論文などでよく使われます。対して、②の方は社会人などの仕事をする人に対して使われることが多いです。

合理的の対義語

合理的 対義語 反対語

「合理的」の対義語は、「非合理的」と言います。

非合理的」とは「道理や論理に合わないさま」という意味です。すなわち、「ちゃんとした筋道や理由がないさま」ということです。

先ほどの例だと、

  • テスト前なのに、ゲームをする。
  • ダイエット中なのに、甘い物を食べる。

といった行動が「非合理的」に当てはまります。

これらの行動を一言で言うと、「感情を優先すること」だと言えます。

私たちの感情には、「楽しい」「怖い」「好き」などのような様々な種類があります。

こういった感情は、ちゃんとした理由があっても、優先してしまう場合があります。

  • 勉強をしないといけない。でも、楽しいからゲームをやる。
  • 病院に行かなければならない。でも、怖いから行かない。
  • A君よりもB君の方が仕事ができる。でもA君の方が好きなので一緒に仕事をする。

これらの考えや行動は、いずれも「非合理的」だと言えます。なぜなら、ちゃんとした理由よりも自分の感情の方を優先しているからです。

勉強をしないといけないのに、楽しいという理由だけでゲームをしていては誰も納得することができません。

「非合理的」とはこのように、「人の感情を優先するさま」を表すことになります。

合理的の類義語・言い換え

合理的 類義語 言い換え表現

「合理的」は、次のような類義語で言い換えることが可能です。

論理的(ろんりてき)】⇒筋道がちゃんとしているさま。論理にかなっているさま。
科学的(かがくてき)】⇒考え方や行動の仕方が、実証的で筋道が立っているさま。
効率的(こうりつてき)】⇒効率が良いさま。むだがないさま。
能率的(のうりつてき)】⇒能率が良いさま。むだなくはかどるさま。
理性的(りせいてき)】⇒本能や感情に左右されず、冷静に理性に従う様子。

論理的とは

論理的」とは「筋道がちゃんとしているさま」という意味です。

「論理的」は、「合理的」の①の意味「道理や論理にかなっているさま」と似たような使い方ができます。

ただ、厳密には「論理的」の方が「合理的」よりもきちんと筋道を立てて順序立てて考えていくという特徴があります。

また、「論理的」には「合理的」の2つ目の意味である「むだがなく効率的なさま」という意味までは含まれていません。この点が両者の違いと言えます。

科学的とは

科学的」とは「実証的で筋道が立っているさま」という意味です。

「実証」とは「実際に証明すること」を表しています。

すなわち、「科学的」という言葉は、具体的な数字やデータなどを使って理由を説明する時に使うのです。

「合理的」や「論理的」については、必ずしも数字やデータを使うとは限りません。この点が「科学的」との違いとなります。

効率・能率的とは

効率的」と「能率的」は、どちらも「むだがないさま」という意味です。

両者とも「合理的」の②の意味と一致するため、類義語に含まれることになります。

ただし、厳密に言うと両者は以下のような違いがあります。

効率的」=「働いた労力に対して得られる成果が良いさま」

能率的」=「決められた時間内で働いたときの成果が良いさま」

つまり、「能率的」の方は「働く時間が定められる」という条件が付くことになります。

理性的とは

理性的」とは「本能や感情に左右されず、冷静に理性に従うさま」という意味です。

「理性的」という言葉自体には、「むだを省くさま」のような意味は含まれていません。この点がまず、「合理的」との違いです。

また、「合理的」よりも「理性的」の方が物事を冷静にそして、客観的に判断するような時に使います。

「合理的」にもそのような意味はありますが、理性的の方がさらに感情に左右されないといったイメージです。

合理的の英語訳

 

「合理的」は、英語だと次のように言います。

  • rational(合理的な・理性のある・道理をわきまえた)」
  • logical(論理的な・論理上の・筋の通った)」
  • reasonable(合理的な・筋の通った・正当な・高くない)」
  • efficiently(効率的に)」

例文だと、それぞれ次のような言い方です。

The system is not rational.(このシステムは合理的ではない。)

His argument was logical.(彼の主張は論理的だった。)

That was a reasonable excuse.(それは筋の通った言い訳だった。)

She advanced that conference efficiently.(彼女は効率的にその会議を進めた。)

合理的の使い方・例文

 

最後に、「合理的」の使い方を例文で紹介しておきます。

  1. インフルエンザで学校を休むのは、合理的である。
  2. 人がよく通る所にお店を出すのは、合理的な考えだ。
  3. 合理的な思考によって、数学の問題を解くようにする。
  4. 非合理的なものを排除したものが、科学である。
  5. 合理的な意見を述べれば、相手に納得してもらいやすいだろう。
  6. 合理的な順番で作業をしたので、時間を短縮できた。
  7. 彼の仕事のやり方は無駄が多く、合理的とは言えない。
  8. AIは仕事の合理化を目指した結果、生まれたものである。

 

1~5は「道理や論理にかなっているさま」という意味です。そして、6~8は「むだがなく、能率的であるさま」という意味です。

どちらで使われているかは文脈によって判断する必要があります。

なお、「合理化」とは「むだをなくすこと」という意味です。「合理的」は「むだをなくすさま・様子」ですが、「合理化」だと後ろが「こと」という名詞としての意味になります。

まとめ

 

以上、本記事のまとめとなります。

合理的」=①ちゃんとした筋道や理由があり、誰もが納得する様子。むだがないさま。

対義語」=「非合理的」

類義語」=「論理的・科学的・理性的・効率的・能率的」

英語訳」=「rational」「logical」「reasonable」「efficient」「efficiently」

「合理的」は、様々な場面で使われている言葉です。これを機にぜひ正しい意味を理解して頂ければと思います。覚え方としては、「由に対して、行動がっている」と考えると分かりやすいでしょう。