教科 科目 違い 単元 英語 体育 高校

英語や数学、体育などのことを「教科」もしくは「科目」と言います。さらに、場合によっては「単元」と呼ぶこともあります。

これらの言葉はどう使い分ければよいのでしょうか?今回は、「教科」と「科目」の違い、さらに「単元」についても解説しました。

教科の意味

 

まずは、「教科」の意味からです。

【教科(きょうか)】

学校教育で、児童・生徒が学習する知識や技術を系統立てて組織した一定の分野。国語・社会・算数・理科など。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

教科」とは「学校教育で、児童・生徒が学習する知識や技術を系統立てて組織した一定の分野」を意味します。簡単に言えば、「学生が学ぶ知識や技術を大まかにまとめたもの」と考えればよいです。

例えば、小学校で学ぶ主な「教科」としては、「国語」「算数」「理科」「社会」「体育」などが挙げられます。このような大まかに区分けされた知識や技術のことを「教科」と言うわけです。

なお、「教科」は中学校であれば「算数」⇒「数学」、「体育」⇒「保健体育」のように若干名称が異なることになります。

科目の意味

 

続いて、「科目」の意味です。

【科目(かもく)】

学問の区分。特に、学校で教科を分野別に分類したもの。課目。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

科目」とは「学問の区分。特に学校で教科を分野別に分類したもの」を意味します。

つまり、「学校で学ぶ教科を分類ごとに分けたもの」です。例えば、以下のようなものが挙げられます。

  • 「国語」⇒「現代文・古文・漢文
  • 「数学」⇒「数学I・数学II・数学III・数学A・数学B・数学C
  • 「理科」⇒「化学I・化学II・物理I・物理II・生物I・生物II
  • 「公民」⇒「現代社会・倫理・政治経済
  • 「地理歴史」⇒「世界史A・世界史B・日本史A・日本史B・地理A・地理B

このように、「教科」をさらに細分化したものを「科目」と言うわけです。

先ほど説明した「教科」は、主に小学校・中学校における義務教育で使うものでした。一方で、「科目」は主に高校に入ってから使う言葉となります。

教科と科目の違い

教科 科目 違い 使い分けは

ここまでの内容を整理すると、

教科」=学生が学ぶ知識や技術を大まかにまとめたもの。

科目」=学校で学ぶ教科を分類ごとに分けたもの。

ということでした。

両者の違いを一言で言うと、「学問の範囲」ということになります。

「教科」というのは、学問の範囲が広いです。「理科」であれば「生物」「物理」「化学」など幅広い知識を学びます。この時に、「教科」は細かく専門的な知識は学ばないのが特徴です。

一方で、「科目」というのは学問の範囲が狭いです。

例えば、「世界史B」という「科目」であれば、「地理」や「政治経済」などは基本的に学びません。その代わり、「科目」の方はじっくりと深く学ぶのです。

要するに、「科目」の方がより専門的な学問ということになります。そのため、「科目」は高校に入ってから選択科目として学ぶのが一般的な流れとなります。

単元の意味

 

似たような言葉で、「単元」があります。

【単元(たんげん)】

一定の教育目的のためにひとまとめにされた学習計画。教材や学習活動を主題ごとに関連をもたせて組織したもの。カリキュラムの構成単位。学習単元。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

単元」とは「一定の教育目的のためにひとまとめにされた学習計画。教材を主題ごとに関連を持たせて組織したもの」を意味します。

簡単に言えば、「教材の中身をテーマごとに分けたもの」と考えれば問題ありません。

例えば、数学の教科書であれば「ベクトル」「確率」「微分・積分」などの各テーマがあります。また、日本史の教科書も「縄文時代」「江戸時代」「明治時代」などの各テーマがあるでしょう。

このような各教材の中のテーマを「単元」と呼ぶわけです。つまり、「教科」や「科目」の内容をさらに細かくしたものが「単元」ということになります。

「単元」は基本的に教科書の目次のように並べられているため、一年を通して順番に学ぶことになります。

英語訳

 

最後に、それぞれの英語訳を紹介しておきます。

教科」=「subject(サブジェクト)

科目」=「subject(サブジェクト)

単元」=「unit(ユニット)

「教科」と「科目」は、どちらも「subject」と言います。したがって、英語では原則的にどちらも同じ単語を使うことになります。

ただし、場合によっては「教科」を「curriculum(カリキュラム)」、「科目」を「course(コース)」などと言うこともあります。その理由は、「curriculum」には「教科課程・履修課程」、「course」には「過程・進路」などの意味もあるためです。

「選択科目」などはまさに進路を決めるために選ぶものなので、「course」を使う場合もあるということです。

まとめ

 

以上、本記事のまとめとなります。

教科」=学生が学ぶ知識や技術を大まかにまとめたもの。

科目」=学校で学ぶ教科を分類ごとに分けたもの。

単元」=教材の中身をテーマごとに分けたものの。

違い」⇒「教科」は学問の範囲が広く、「科目」は学問の範囲が狭い。「単元」は「教科」や「科目」をさらに細かくしたもの。

この中でも「教科」と「科目」はよく使われます。「教科」は広く浅く学ぶ学問なのに対して、「科目」は狭く深く学ぶ学問だと覚えておきましょう。