「縦横無尽」という四字熟語を
聞いたことがあるでしょうか?
「縦横無尽の活躍」「縦横無尽に駆け回る」などと言いますね。
実はこの言葉は新聞やニュースなどでもよく使われるのです。
特に、スポーツ関連ではよく使われています。
一体どのような意味なのか気になる所ですね。
さっそく、確認していきましょう。
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縦横無尽の意味・読み方
まずは、基本的な意味と読み方です。
【縦横無尽(じゅうおうむじん)】
⇒自由自在に物事を行うさま。思う存分に。
出典:デジタル大辞泉(小学館)
「縦横無尽」は「じゅうおうむじん」と読みます。
意味としては、
「自由自在に物事を行う様子のこと」だと思ってください。
例えば、以下のような使い方です。
あのフォワードの選手は動きがすごいね。まさに縦横無尽に走り回っているよ。
例文では、
「サッカー選手が自由自在に動き回る様子」
を表した文章となっています。
よくサッカーのシーンで、ボールをうまく操り、
相手のディフェンスを翻弄する選手がいますよね?
相手選手を一気に抜き去るシーンなどは、
「まさに誰も止められない」と言った感じです。
このように、
「自分の思う通りに自由に行動する様子」を
「縦横無尽」と言うわけですね。
ここで一点だけ注意点があります。
それは、
「縦横無尽」は否定的な意味では使わない
ということです。
辞書の説明だけを読むと、
「好き放題やる」などの悪いイメージにも見えてしまいます。
しかし、悪い意味の場合は、
「傍若無人(ぼうじゃくぶじん)」という四字熟語を使います。
「縦横無尽」は良い意味で使うのが基本なので、
両者を混同しないように気を付けて下さい。
縦横無尽の語源・由来
続いて、この言葉の語源を確認していきましょう。
まず「縦横」は「縦と横」、
すわなち「四方八方全ての方向」を指します。
そして、
「無尽」は「尽(つ)きることが無い」と書くので、
「限界がないこと」を意味します。
よって、両者を合わせると
「縦横無尽」=「四方八方全てに限界がない様子」となります。
ここから、
「制限なく、自由自在に行動する」
という意味になるわけですね。
考えてみれば、私たちの身の周りは
束縛や制限がついてくることが多いです。
しかし、ひとたびその束縛を取り除けば、
誰にも妨害されず自由に行動できます。
そういう意味では、「縦横無尽」は
「人間本来が持つ自由」を象徴した言葉とも言えるでしょう。
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縦横無尽の類語
続いて、「縦横無尽」の
「類語」を紹介します。
【自由自在(じゆうじざい)】
⇒思う存分に振るまうさま。
「自在」とは、
「縛りがなく自由な状態」を指します。
【縦横自在(じゅうおうじざい)】
⇒思ったことを、自由にすること。
【縦横無碍(じゅうおうむげ)】
⇒妨げるものがなく、自由自在なさま。
「無碍」とは、
「妨げられないこと」を意味します。
【三面六臂(さんめんろっぴ)】
⇒一人で多方面に渡って活躍する様子。
「三面」とは「3つの顔」
「六臂」とは「6つの腕」という意味です。
以上、4つの「類語」を紹介しました。
この中でも「自由自在」と「縦横自在」はほぼ同じ意味なので、
「同義語」と言ってよいでしょう。
「縦横無尽」に似た意味の言葉は多くありますが、
基本的には「自由」を意味する言葉であれば類語と呼べます。
その他、一般的な表現では、
「思いのまま」「好き勝手に」などの言い方もできます。
逆に、「対義語」としては、
「手枷足枷(てかせあしかせ)」が挙げられるでしょう。
「手枷足枷」とは、
「行動の自由を束縛するもの」という意味です。
「枷(かせ)」は、
首や手足にはめて動けないようにする道具のことです。
転じて、
「人の自由を制限するもの」を表す言葉となりました。
縦横無尽の英語訳
続いて、英語訳です。
「縦横無尽」は「英語」だと次のように言います。
「freely」⇒「思い通りに」
「right and left」⇒「あらゆる方向へ」
直訳すると、
「freely」は「自由に」「right and left」は「右へ左へ」という意味ですね。
英語だと、「縦横無尽」はそこまで難しい表現は使いません。
例文だと、それぞれ以下のような言い方です。
He freely attacked the enemy.
(彼は縦横無尽に敵を攻撃した。)
She ran about the field right and left.
(彼女は縦横無尽に野原を走り回った。)
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縦横無尽の使い方・例文
では、最後に「縦横無尽」の使い方を
例文で確認しておきましょう。
- 縦横無尽の活躍に、周囲の人間は圧倒されていた。
- リードを放すと、そこには縦横無尽に走る犬の姿があった。
- 敵チームは、縦横無尽に駆け回る戦法を得意としている。
- 決勝戦は、縦横無尽の戦いをしたチームが勝った。
- 彼は俳優としてデビュー後、縦横無尽の活躍をしている。
- 東京の地下鉄は、縦横無尽のように広がっている。
すでに説明した通り、「縦横無尽」は
原則としてポジティブな意味で使います。
例えば、
スポーツや戦いなどで活躍した人を表現するような場合ですね。
これらの人を称賛の意味も込めて
「縦横無尽な人」などと言ったりもします。
ただし、場合によっては最後の文のように
「単にあらゆる方向へ広がる」
という意味で使うこともあります。
この意味で使うことは少ないですが、
念のため用例だけは覚えておきましょう。
まとめ
以上、内容を簡単にまとめると、
「縦横無尽」=自由自在に物事を行う様子。
「語源」=四方八方、全ての方向に限界がないことから。
「類語」=「自由自在・縦横自在・縦横無碍・三面六臂」など。
「英語」=「freely」「right and left」
ということでした。
「縦横無尽」は、四字熟語の中でも比較的使うことが多いです。
この記事をきっかけに、
ぜひ正しい使い方を覚えていただければと思います。
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国語力アップ.com管理人
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