「添付」と「貼付」
この2つの言葉は、
会社の書類やメールを作成するときによく目にすると思います。
「メールに添付してください。」
「写真を貼付してください。」
どちらも似たようなイメージですが、
一体どう使い分ければいいのでしょうか?
さっそく、確認していきましょう。
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添付の意味・読み方
まず、「添付」の意味を調べると
次のように書かれています。
【添付(てんぷ)】
⇒書類などに、付け添えること。
出典:デジタル大辞泉(小学館)
「添付(てんぷ)」とは、
「書類などに付け添(そ)えること」を意味します。
「つけそえる」とは、
「つけ加える・補足する」などの意味だと思ってください。
つまり、それだけじゃ足りない時に何かを付け加えるようなことを
「添付」と言うわけですね。
主な使い方としては、以下の通りです。
「提出する書類に、免許証のコピーを添付する。」
この場合、
提出すべき書類が何枚かあることが想定されます。
例えば、5枚なら5枚といった形です。
しかし、この5枚だけでは足りなく、
免許証のコピーも提出する必要があると分かりました。
その場合に、「免許証のコピーも付け足す」
という意味で「添付する」と言うわけです。
一般的には、「添付」の方法としては、
提出書類と補足資料をクリップなどで止めて
まとめて出すことが多いようですね。
また、書類だけでなく、
「メールに添付する」という言い方もします。
この場合は、メール本文とは別に、
「画像ファイルとして書類を付け加える」という意味だと考えてください。
要するに、別の独立したデータとして
相手に補足資料を送るということです。
貼付の意味・読み方
続いて、「貼付」の意味です。
【貼付(ちょうふ)】
⇒はりつけること。
《慣用読みで「てんぷ」とも》
出典:デジタル大辞泉(小学館)
「貼付」は、「ちょうふ」と読みます。
上の説明だと「てんぷ」とも書かれていますが、
この読み方は「慣用読み」と呼ばれるものです。
「慣用読み」とは、
元々は間違った読み方が皆が使う内に
なぜか定着した読み方のことです。
したがって、本来の読み方としては、
「ちょうふ」が正しいということになります。
そのため、
「貼付」は「ちょうふ」と読むようにしましょう。
意味としては、「貼り付けること」を表します。
例えば、以下のような使い方です。
「履歴書に写真を貼付する。」
社会人の方なら、誰しも履歴書に自分の写真を貼った経験があるかと思います。
「糊(のり)」などを使って
一生懸命ずれないようにして貼り付けたでしょう。
このように、何かをペタっと貼り付けることを
「貼付」と言うのです。
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添付と貼付の違い
ここまでの内容を整理すると、
「添付」=書類などに付け加えること。補足すること。
「貼付」=貼り付けること。
ということでした。
両者の違いを簡単に言うと、
「添付」は「付け加えること」
「貼付」は「貼り付けること」
だと言えるでしょう。
一言で、
「補足か貼り付けか」と覚えても構いません。
まず、「添付」の方は、
付け加えたり補足したりする行為全般を指します。
したがって、対象となるものは、書類やデータなど
補足できるあらゆるものが対象となります。
一方で、「貼付」の方は、
「貼り付ける」という行為です。
よって、こちらは書類や切手・写真など
ペタっと貼り付けられるものが対象となるのです。
このように比較すると、
両者は似ているようで全く違う意味の言葉
ということが分かるかと思います。
気を付けないといけないのは、「貼付」の読み方です。
「貼付」のことを、「添付」と同じ読みの「てんぷ」
と読む人も少なからずいます。
これが両者をごっちゃにしてしまう原因の一つかと思われます。
正しくは、「添付」⇒「てんぷ」「貼付」⇒「ちょうふ」です。
間違って読む人がいても、惑わされないようにしましょう。
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使い方・例文
では、最後にそれぞれの使い方を
例文で紹介しておきます。
【添付の使い方】
- 完成した見積書をメールに添付して送る。
- 会社の経費申請書に領収書を添付して提出する。
- 本に添付されていたハガキで応募をする。
- 添付ファイルは容量が大きすぎると相手に送れない。
- 現地までの道が分かるように書類に地図を添付しておく。
【貼付の使い方】
- 大学の入学願書に自分の写真を貼付する。
- 切手を貼付し忘れたため、自分の元に戻ってきた。
- 車のボンネットに初心者マークを貼付する。
- 受験票の指定された場所に、証明写真を貼付する。
- 忘れないように機械にシールを貼付しておいた。
「添付」と「貼付」は、
どちらもビジネスで使われます。
なので、両者を混同しないように
適切に使い分ける必要があります。
もしもどちらを使うか迷った場合は、
それぞれの「類語」と「英語訳」を思い出すとよいです。
「添付」の「類語・英語訳」は、次の通りです。
【類語】⇒「補足」「付加」「付録」
【英語】⇒「plus(プラス)」「attachment(アタッチメント)」
一方で、「貼付」の「類語・英語訳」は次の通りです。
【類語】⇒「接着」「糊付け」
【英語】⇒「paste(ペースト)」「stick (スティック)」
このように、様々な点から比較しておけば
両者の違いをイメージしやすいでしょう。
まとめ
以上、内容を簡単にまとめると、
「添付(てんぷ)」=書類などに付け加えること。補足すること。
「貼付(ちょうふ)」=貼り付けること。
「貼付」は「てんぷ」とも読める漢字だが、本来の読みとしては「ちょうふ」が正しい。
ということでした。
どちらも社会人としてよく使う言葉です。
この記事をきっかけに両者を正しく覚えて頂ければと思います。
では、今回は以上です。
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国語力アップ.com管理人
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