『市民のイメージ』は、高校国語の教科書に載せられている評論文です。そのため、定期テストなどにも出題されることがあります。
ただ、本文中には意味の分かりにくい言葉が多く出てきます。そこで今回は、『市民のイメージ』に出てくる重要語句や漢字の読み方などをノート形式にしてまとめました。
第一段落の語彙・漢字一覧
【総称(そうしょう)】⇒ある種類に含まれるものを一つにまとめて呼ぶこと。
【臣民(しんみん)】⇒君主国において、君主の支配の対象となる人々。明治憲法下において、天皇・皇公族以外の者。
【敗戦後(はいせんご)】⇒ここでは、日本が第二次世界大戦で敗戦した1945年8月15日以後を指す。
【流行りすたり(はやりすたり)】⇒はやることとすたること。
【無意識(むいしき)】⇒自分の欲求や期待に気づいていないこと。
【ないし】⇒あるいは。または。
【概念(がいねん)】⇒個々の観念の中から共通する性質を抜き出し、それらを総合して捉えた一般的な意味内容。
【庶民(しょみん)】⇒世間一般の人々。
【微妙に(びみょうに)】⇒ここでは、「物事の様子が複雑で、簡単には言い表せない」という意。
【自称(じしょう)】⇒自分から名乗ること。実体はともあれ、当事者が自分でこうだと称すること。
【理念的(りねんてき)】⇒物事がどうあるべきかという、根本的な考え方を示しているさま。「理念」とは「ある物事についての、こうあるべきだという根本の考え」を指す。
【付和雷同(ふわらいどう)】⇒自分にしっかりとした考えがなく、他人の言動にすぐ同調すること。ここでは、「政府権力や大企業の管理・宣伝にそのまま従ってしまうこと」を意味する。
【血縁(けつえん)】⇒血のつながりのある間柄。血すじ。
【地縁(ちえん)】⇒住む土地から生ずる縁故関係。土地をなかだちとする社会的な関係。
【利害(りがい)】⇒利益と損害。得することと損すること。
【孕む(はらむ)】⇒その中に含み持つ。
【農漁村(のうぎょそん)】⇒農村と漁村。
第二段落の語彙・漢字一覧
【漠然と(ばくぜんと)】⇒これといった理由もなくぼんやりと。
【ヤワ】⇒頼りないさま。こわれやすいさま。
【制作(せいさく)】⇒芸術的な作品などをつくること。
【ドキュメント番組(ばんぐみ)】⇒映像記録媒体に撮影された記録映像作品。「ドキュメント(document)」とは「記録・記録映画」などの意味。
【陪審員審理(ばいしんいんしんり)】⇒一般の住民から選ばれた人が参加して、刑事裁判で有罪かどうかを審理すること。
【関心(かんしん)】⇒ある物事に特に心を引かれ、注意を向けること。
【アリゾナ州(しゅう)】⇒メキシコに接するアメリカ合衆国南西部の州。
【無作為(むさくい)】⇒意図的に手を加えることなく、偶然にまかせること。
【経歴(けいれき)】⇒今まで経験してきた仕事・身分・地位・学業などの事柄。
【不適格(ふてきかく)】⇒適していないこと。ふさわしくないこと。
【傍聴(ぼうちょう)】⇒会議や公判を当事者以外の人が決められた場所で聞くこと。
【椅子(いす)】⇒イス。
【簡素(かんそ)】⇒むだをなくし、質素なこと。
【証拠物件(しょうこぶっけん)】⇒「証拠物」と同じ。物の存在・内容が証拠資料となる物体。物的証拠。検証物。
【評決(ひょうけつ)】⇒評議して決めること。「評議」とは「意見を出し合って相談すること」を意味する。
【互選(ごせん)】⇒お互いの中から選挙して選び出すこと。関係者の中から、ある役に就く人を互いに選挙して選び出すこと。
【堅苦しい(かたくるしい)】⇒形式ばっていて、きゅうくつである。
【率直(そっちょく)】⇒ありのままで隠すところがないさま。
【論理的(ろんりてき)】⇒きちんと筋道を立てて考えるさま。
【安易(あんい)】⇒気楽であること。いいかげんなこと。
【和合(わごう)】⇒仲良くすること。「和合しない」で「仲良くしない」という意味。
【審議(しんぎ)】⇒物事について詳しく検討し、そのもののよしあしなどを決めること。
【不能(ふのう)】⇒できないこと。不可能。
【苛立つ(いらだつ)】⇒気持ちがいらいらして、じっとしていられなくなる。
【過度に(かどに)】⇒度が過ぎて。程度が過ぎて。
【感情的(かんじょうてき)】⇒理性を失って感情をむきだしにするさま。
【告発(こくはつ)】⇒犯罪とは直接関係のない者が、捜査機関に犯罪事実を申告し、その犯人の処罰を求めること。これに対し、犯罪の被害者およびそれに準じる者などが、捜査機関に犯罪事実を申告し、その犯人の処罰を求めることを「告訴」と言う。
【合理的な疑念(ごうりてきなぎねん)】⇒物事の筋道にかなった疑いの気持ち。「合理的」とは、論理や筋道にかなっているさま。
【ネイティブ・アメリカン】⇒アメリカ先住民。
【任意抽出(にんいちゅうしゅつ)】⇒自由に引き出すこと。
第三段落の語彙・漢字一覧
【討議(とうぎ)】⇒ある物事について、互いに意見を交わし合うこと。
【丹念(たんねん)】⇒心を込めて丁寧に行うさま。
【釈放(しゃくほう)】⇒自由を拘束されている者、特に刑事施設に拘禁されている者の拘束を解くこと。
【パネル・ディスカッション】⇒集団討論形式の一つ。意見の異なる者が聴衆の前で議論を交わす方法。
【企画会議(きかくかいぎ)】⇒あるテーマに基づいて意見を出し合うこと。
【次元(じげん)】⇒物事を考えたり行ったりするときの立場。また、その程度や水準。
【公正(こうせい)】⇒公平で偏っていないこと。
【極限(きょくげん)】⇒行きついたぎりぎりのところ。それ以上はないところ。
【変貌(へんぼう)】⇒人の姿や物事の様子がすっかり変わってしまうこと。
【事態(じたい)】⇒物事の状態、成り行き。
【判事裁判制度(はんじさいばんせいど)】⇒地方裁判所や高等裁判所などの裁判官によって裁判をする制度。
【誤審(ごしん)】⇒裁判において、間違った判定を下すこと。ミスジャッジ。
【開拓者時代(かいたくしゃじだい)】⇒アメリカにおける1860年代から1890年代までのフロンティア消滅までの西部開拓時代。
【良心(りょうしん)】⇒善悪を判断し、正しく行動しようとする心の働き。
【重罪(じゅうざい)】⇒重い罪。重大な罪。
第四段落の語彙・漢字一覧
【露出(ろしゅつ)】⇒あらわれでること・あらわしだすこと。「自分を露出する」で、ここでは「自分の生の感情を意識的に抑えたりせず、表に出すこと」を意味する。
【上位のレベルの現実(じょういのれべるのげんじつ)】⇒通常の生活では見えない、合理的な論理性によって支えられている現実の一面。
【地縁血縁共同体(ちえんけつえんきょうどうたい)】⇒同じ地域に住んでいる、もしくは同じ血でつながっているという強い意識に基づいて形成される集団。
【情念(じょうねん)】⇒心に湧く感情や心に起こる思念。
【濃密(のうみつ)】⇒密度が濃くてこまやかなさま。「情念の濃密さ」で、ここでは「物事に対してわき上がる思いに、強いこだわりが感じられること」を表す。
【抽象的(ちゅうしょうてき)】⇒現実から離れて具体性を欠いているさま。
【虚構的(きょこうてき)】⇒事実ではないことを事実らしくつくり上げるさま。「虚構」とは「事実でないことを事実であるように仕組んだもの。「虚構的に感じられる」で、ここでは「市民社会が地縁血縁共同体に比べるとつくりものにさえ感じられる」という意味。
【普遍的(ふへんてき)】⇒広く行き渡るさま。極めて多くの物事にあてはまるさま。「普遍的に開かれた」で、ここでは「広くすべての物事に共通するものとして開かれている」という意味。
【一時的(いちじてき)】⇒その場かぎりで、長続きしないさま。その時かぎり。
まとめ
以上、本記事では『市民のイメージ』の漢字や重要語句を簡単にまとめました。ぜひノート代わりにして確認して頂ければと思います。 なお、本文の要約やあらすじ、テスト対策については以下の記事で解説しています。