この記事の読了目安: 76

長い物には巻かれろ 意味 語源 使い方 例文

 

「長い物には巻かれろ」ということわざがあります。別の言い方だと、「長い物に巻かれよ」とも言います。

この「長いもの」とはそもそも一体何を指しているのでしょうか?良い意味と悪い意味のどちらで使われるのかも気になる所です。

本記事では、「長い物には巻かれろ」の意味や由来、類語、対義語などを分かりやすく解説しました。

スポンサーリンク

長い物には巻かれろの意味・読み方

 

まず、このことわざの意味を辞書で引いてみます。

【長い物には巻かれろ(ながいものにはまかれろ)】

強い権力を持つ者や、強大な勢力を持つ者には、敵対せず傘下に入って従っておいたほうがよい、といった処世術を表す言い回し。

出典:実用日本語表現辞典

長い物には巻かれろ」とは、簡単に言うと「強い権力や勢力を持った人には、従っておいた方が得である」という意味です。

例えば、あなたが会社で働いていて、自分の上司である部長の意見が間違っていると感じたとしましょう。しかし、もしもそのまま不満をぶつけてしまうと、後々、面倒なことになる可能性もあります。

場合によっては、部長から嫌われて自分の出世や待遇にも影響してしまうかもしれません。このような時に、「長い物には巻かれろと言うので、反論しないでおこう」などのように言うわけです。

つまり、このことわざが言いたいのは以下のような主張ということです。

  • 自分より強い者に対しては、逆らわずに黙っておいた方がいい。
  • 目上の人に対しては、不満があっても言うことを聞いておくべきだ。
  • 力のある者には抵抗しても無駄なので、最初からやらない方が得である。

なお、「長い者には巻かれろ」と書くのは誤用なので気を付けて下さい。「もの」は「者」ではなく、「」と表記するようにします。

スポンサーリンク

長い物には巻かれろの語源・由来

長い物には巻かれろ 語源 由来

 

長い物には巻かれろ」ということわざは、中国の伝説で、象の鼻に巻かれた猟師の話が元になっています。

ある時、草原で狩りをしていた猟師が象に捕まって長い鼻で巻かれてしまいました。そこへ、偶然目の前に凶暴な獅子(しし)が現れ、象と猟師に対して襲い掛かってきました。

猟師は手に持っていた弓矢で瞬時に反撃し、無事、獅子を退治することに成功します。すると、その象は猟師を鼻に巻いたままジャングルの奥の方へと突き進んでいきました。

着いた先にあったのは何と象の墓場で、そこには大量の象牙(ぞうげ)が山ほどありました。結果的に、その猟師は大量の象牙を持って帰り、市場で売って大儲けしたとのことです。

つまり、この話の趣旨は猟師が象に逆らわずに従ったことで最終的に大きな得をしたということです。逆に言えば、もしも鼻に巻かれた時に暴れたり抵抗したりしていたら、その後の展開はなかったとも言えます。

ちなみに、このことわざは「蛇」とは一切関係ありません。「巻かれる」と聞くと、何となく巨大なヘビのような生き物を想像する人もいますが、実際にはそうではないのです。

そもそも、アナコンダのような巨大な蛇に巻かれてしまうと、自分の方が絞め殺されてしまうというオチになってしまいます。このことわざが言いたいのは、長い物が単に凶暴で怖い存在なのではなく、自分を保護して守ってくれるような存在にもなり得るということです。

スポンサーリンク

長い物には巻かれろの類義語

長い物には巻かれろ 類義語 対義語

 

続いて、「長い物には巻かれろ」の「類義語・言い換え表現」をご紹介します。

太きには呑まれよ(ふときにはのまれよ)】⇒自分の手に負えないものには、いっそ従った方がいい。
大きな物には呑まれよ(おおきなものにはのまれよ)】⇒勢力や権力の大きいものには、従っておいた方がいい。
寄らば大樹の陰(よらばたいじゅのかげ)】⇒同じ頼りにするなら、勢力のある人の方が良いこと。※身を寄せるならば、大木の下が安全であるため。
付和雷同(ふわらいどう)】⇒自分の考えが一切なく、他人の言動にすぐ合わせること。
唯々諾々(いいだくだく)】⇒人の言いなりになり、何でもはいはいと従うこと。

「長い物には巻かれろ」と似たことわざは多くありますが、この中では「太きには呑まれよ」と「大きな物には呑まれよ」がかなり近い意味です。この二つは言っていることはほぼ同じなので、同義語と定義しても構いません。

その他、四字熟語だと「付和雷同」と「唯々諾々」も類義語に含まれます。

ただし、上記2つの四字熟語は原則として否定的な意味として使う点がわずかな違いだと言えます。文脈次第ではありますが、「長い物には巻かれろ」という言葉自体に特に否定的な意味は含まれません。

スポンサーリンク

長い物には巻かれろの対義語

 

逆に、「対義語」としては以下のようなことわざが挙げられます。

鶏口となるも牛後となるなかれ(けいこうとなるもぎゅうごとなるなかれ)】⇒大きな集団で下にいるよりも、小さな集団で上にいた方がいい。※鶏の口を小さな集団の長、牛の尻を大きな集団の下っ端に例えている。
鯛の尾より鰯の頭(たいのおよりいわしのあたま)】⇒大きな集団で下にいるよりも、小さな集団で上にいた方がいい。※鯛の尾を大きな集団の末端、鰯の頭を小さな集団のトップに例えている。

反対語の場合は「権力のある者に従わない」、すなわち自分自身がトップに立つような意味のことわざとなります。どちらも意味自体は同じで、生き物とその体の一部を使うことにより表現したものです。

特に、前者の「鶏口となるも牛後となるなかれ」はよく使われることわざなので覚えておくことをおすすめします。

長い物には巻かれろの英語訳

 

「長い物には巻かれろ」は、英語だと次のように言います。

 

wrap it around a long one

 

「wrap around」は、「巻きつく・包み込む」、「a long one」は「長い物」という意味の熟語です。合わせることで、「長い物をそれに巻きつかせろ」⇒「長い物に巻かれろ」という意味になります。

例文だと、以下のような言い方です。

Let’s wrap it around one long thing here.(ここは一つ長い物には巻かれておこう。)

Don’t argue here because you’re told to wrap it around a long object.(長い物には巻かれろというからここは反論せずにいなさい。)

その他、次のような表現も可能です。

If you can’t beat them, join them.(相手を打ち負かせないのであれば、手を結べ。)

It is no meddling with our betters.(目上の人々に逆らうことはしない。)

「meddling」は「干渉・おせっかい」という訳なので、「私たちを良くするには、(目上への)干渉はいらない」⇒「目上に従う」という意味になります。

スポンサーリンク

長い物には巻かれろの使い方・例文

 

最後に、「長い物には巻かれろ」の使い方を例文で紹介しておきます。

 

  1. 上司にいつも盾突いていないで、長い物には巻かれろの精神も少しは持つべきだ。
  2. 彼は仕事ができて長い物に巻かれるタイプの人間だ。恐らく出世も早いだろうね。
  3. 選手はコーチや監督に逆らわない方がいい。長いものには巻かれろということだ。
  4. 何でもかんでも長い物に巻かれろと言うのはよくない。自分の意見も時には言うべきだ。
  5. ここは一つもめごとを起こさずに「長い物には巻かれろ」で丸くおさめてくれないか?
  6. いくら不満があると言っても彼は社長だ。長い物には巻かれろというからここは黙っておこう。

 

「長い物には巻かれろ」ということわざは、会社内での人間関係を表す際によく使われます。特に、社長や取締役、部長などの権力のある者を「長い物」に例えて用いられることが多いです。

その他には、例文3のようにスポーツの組織に対して使うことも可能です。いずれの場合も良い意味・悪い意味の両方で使われることがあります。

長い物に巻かれる人の心理としては、「強い者に好かれたい」「楽に出世したい」など負の一面もあります。一方で、長い物に巻かれない人の心理としては、「自分の信念を持っている」「周りに左右されない」といった良い面もあります。

そのため、一概に良い悪いなどの判断はできないのです。あくまでこのことわざは「強い者に従っておいた方が得である」という教訓を伝えているだけだと考えて下さい。

まとめ

 

以上、本記事のまとめとなります。

長い物には巻かれろ」=強い権力や勢力を持った人には、従っておいた方が得である

語源・由来」=中国の猟師が象に逆らわずに巻かれたことで最終的に得をしたことから。

類義語」=「太きには呑まれよ・大きな物には呑まれよ・寄らば大樹の陰・付和雷同・唯々諾々」

対義語」=「鶏口となるも牛後となるなかれ・鯛の尾より鰯の頭」

英語訳」=「wrap it around a long one」

「長い物に巻かれろ」ということわざは、初めて聞く人にとっては意味が分からず戸惑うかもしれません。しかし、実際にはビジネスシーンでよく用いられています。この機会にぜひ正しい使い方を理解しておきましょう。

スポンサーリンク

The following two tabs change content below.

国語力アップ.com管理人

大学卒業後、国語の講師・添削員として就職。その後、WEBライターとして独立し、現在は主に言葉の意味について記事を執筆中。 【保有資格】⇒漢字検定1級・英語検定準1級・日本語能力検定1級など。

最新記事 by 国語力アップ.com管理人 (全て見る)