「交友」という言葉をご存知でしょうか?主に「交友関係が広い」「交友関係を広げる」などのように用います。
この「交友」ですが、同じ「こうゆう」と読む「交遊」との違いも気になるところです。本記事では、「交友」の意味や使い方、例文、類義語などを詳しく解説しました。
交友の意味・読み方
最初に、「交友」を辞書で引いてみます。
【交友(こうゆう)】
⇒友人として交際すること。また、その友人。「あの人とも交友がある」「交友関係」
出典:デジタル大辞泉(小学館)
「交友」とは「友人として交際すること」もしくは「交際している友人」という意味です。主に「交友関係」という言葉で用いられることが多く、「交友関係が広い」「交友関係が狭い」などのように言います。
「交友関係が広い」とは、「友人として交際している関係を持つ人が、幅広く存在する」という意味です。例えば、芸能人であれば、政治家や起業家、スポーツ選手、外国人など、色々なタイプの友人を持っている人という意味になります。
逆に、「交友関係が狭い」だと特定の人としか関係性を持っていない人という意味になります。政治家であれば政治家しか友人にいない、スポーツ選手であればスポーツ選手しか友人にいないといったことです
「交友」は「友人」の「友」という字が入っているように、友人と交際するような際に使われる言葉です。ただ、「友」という言葉はかなり広い意味を持っているので注意が必要です。
一般には、「友」=「仲が良い人・親しくしている人」という意味で使われますが、「同じ集団に属する人」「目的を同じくする人」などの意味で使われることもあります。
【友(とも)】
①いつも親しく交わっている相手。友人。朋友 (ほうゆう) 。ともだち。「良き友に恵まれる」
②志や目的を同じくする人。仲間。同志。「学問の友」「類は友を呼ぶ」
③ふだん好んで親しんでいるもの。「音楽を友とする」
出典:デジタル大辞泉(小学館)
つまり、「交友関係」というのは、必ずしもお互いの仲が良い関係性を表すものではないということです。場合によっては、「目的が同じなだけであって、実はそこまで仲が良くない」「お互いの打算があり、本当は嫌い合っている」などのケースもあります。
したがって、当人同士の思いがどうであれ、客観的にみて「関係がある」「繋がりがある」と思われれば、それは「交友関係がある」と言うことができます。
交友と交遊の違い
「交友」と同じ読み方の言葉で「交遊」があります。
【交遊(こうゆう)】
⇒人と親しく交際すること。「家族ぐるみで交遊する」「不純異性交遊」
出典:デジタル大辞泉(小学館)
「交遊」とは「人と親しく交際すること」です。
「交遊」は「交わって遊ぶ」と書くように「遊ぶこと」に焦点が当てられた言葉です。そのため、「交友」よりも親しい交際、絆が深い関係性に対して使われます。
また、「交遊」の場合は「友」という字が入っていないので、必ずしも友人を対象とするわけでありません。使われる対象としては、友人に限らず、家族や恋人など多岐に渡ります。
相手と遊ぶことであればそれは「交遊」だと言えます。例えば、「家族と交遊する」「女性と交遊する」「上司と交遊する」などのような使い方です。一般的には、その中でも特に異性と遊ぶ際に使われることが多いです。
異性と遊ぶ際によく使われるのが、「不純異性交遊」という言葉です。「不純異性交遊」とは、結婚前の男女がしてはいけないとされている行為をすることを表します。「交友」の方には、このような男女の遊び的な意味は含まれていません。
以上の事から考えますと、両者の違いは次のように定義することができます。
- 「交友」は友人のみに使うのに対し、「交遊」は友人以外の人にも使う。
- 「交遊」の方は「遊び」という意味が強調されるため、「交友」よりも親しい交際に対して使う。
交友の類義語
「交友」は、次のような類義語で言い換えることができます。
- 友人
- 友達
- 仲間
- 同志
- 知己
- 良友
- 交際
- 交わり
- 社交
- 付き合い
類義語は「友人」や「友達」などを表した言葉、もしくは「交際・付き合い」を表した言葉となります。「交友」は、その両方の意味を持った言葉なので、全く同じ意味の言葉(同義語)というのはありません。
なお、「交友関係」だと次のような類義語となります。
- 交際関係
- 人間関係
- 友好関係
- 交流の輪
- 蜜月関係
- コミュニティー
こちらは親しい関係性であったり仲の良いグループを指す言葉となります。
交友の英語訳
「交友」は、英語だと次のように言います。
「friend」(友人・友達)
「acquaintance」(知人・知り合い)
「be acquainted with~」(~と知り合いである、面識がある)
「friend」は「友人・友達」以外に「仲間・同士」など様々な訳を持っているので、「交友」と同じ意味で使うことができます。
「acquaintance」は「知人・知り合い」という意味で、「friend」よりは関係性が薄い間柄に使う単語です。こちらも「交友」に近い意味として使うことが可能です。
「acquaint」は、「~を知らせる」という意味の他動詞です。熟語にすることで、「~と知り合いである」と訳すことができます。
例文だと、それぞれ次のような言い方です。
She has friends with many people.(彼女は多くの人と交友を持っている。)
He has a wide acquaintance.(彼は交友関係が広い。)
I am acquainted with his brother.(私は彼の兄と知り合いである。)
使い方・例文
最後に、「交友」と「交遊」の使い方を例文で紹介しておきます。
【交友の使い方】
- 彼女は明るく社交的なため、交友関係が広い。
- 大学に入ってからは、交友関係を広げるつもりでいます。
- 一度信頼を失った相手から交友関係を築くのは難しいだろう。
- 彼とは学生時代に交友があったが、今は連絡先すら知らないです。
- 学校は勉強のためだけでなく、交友を深めるためにも通うものだ。
- 私は人と付き合うのが面倒臭いので、交友関係はかなり狭いです。
【交遊の使い方】
- 幼い頃から知っている友人と久々に交遊するつもりです。
- 彼女とは昔から仲が良く、家族ぐるみで交遊をするような関係です。
- お互いが引っ越しをしたことで、私たちは交遊することがなくなった。
- 彼女は夫の交遊を知らないのかもしれない。今度伝えてあげよう。
- 不純異性交遊が発覚したため、彼は外出禁止命令が下された。
- 飲み会で出会った女性と、数か月前から交遊を重ねています。
「交友」は、「友人と交際をする」または「交際した友人」という意味でした。使い方としては、「交友関係が広い」「交友関係を広げる」「交友関係を築く」といった言い回しが多いです。
学校や大学の友人、プライベートな場で出会った友人などあらゆる場面で使うことができます。ただ、先述したように目的が同じなだけでそこまで仲の良くない仲間などに対しても使うことが可能です。
「交遊」の方は「交友」よりももっと密接な関係、間柄に対して使います。もちろん、友人に対しても使うことができますが、「交遊」の場合はどちらかというと異性との間柄に対して使うことが多いです。「交遊」は「遊ぶ」と書くように、お互いが遊びながら楽しむような場面で使うのが適切だと言えます。
まとめ
以上、本記事のまとめとなります、
「交友」=友人として交際すること。交際している友人。
「交遊」=人と親しく交際すること。
「違い」=「交友」は友人限定だが、「交遊」は友人以外の人にも使う。また、「交遊」の方は「遊ぶ」という意味が強調される。
「類義語」=「友人・友達・仲間・交際・交わり・付き合い」など。
「英語訳」=「friend」「acquaintance」「be acquainted with~」
「交友」と「交遊」は同じ読み方なので、違いが分かりにくいです。ただ、どちらも多くの場面で用いられている言葉です。この機会にぜひ使い分けをできるようにして頂ければと思います。