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努める 勤める 務める 意味 違い 使い分け 例文 類語

 

日本語には同じ読み方の漢字、いわゆる「同音異義語」と呼ばれるものがあります。その中でも、「つとめる」は代表的なものです。

努める」「勤める」「務める

どれも似たような使い方がされるため、漢字検定や入試などにも出題されやすいです。

本記事では、この「つとめる」の違いについて詳しく解説しました。

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努める・勤める・務めるの違い

 

まず、それぞれの意味を簡単に述べると次のようになります。

努める」=努力する。力を尽くす。

勤める」=職に就く。勤務する。

務める」=役割を果たす。任務を果たす。

 

「努める」は、一生懸命努力したり物事に対して力を尽くしたりすることを意味します。

そして「勤める」は、仕事や職業に就いたり勤務したりすることを意味します。最後の「努める」は何かの役割や任務を果たすことです。

基本的には、このような違いとなります。ただ、実際には使い分けが曖昧になるケースも多々あるので、それぞれの意味を詳しくみていきたいと思います。

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努めるの意味・例文

 

「努める」は、辞書だと次のように定義されています。

【努める(つとめる)】

精を出して仕事をする。努力して事を行う。「看護に―・める」「サービスに―・める」

無理をしたり、がまんしたりして行う。こらえてする。「泣くまいと―・める」

出典:デジタル大辞泉(小学館)

努める」とは「精を出して仕事をする・努力して物事を行う」という意味です。また、場合によっては「無理したり我慢したりして行う」という意味もあります。

【努めるの例文】

  • 生物医学の研究に努める
  • 受験生として勉学に努める
  • 打撃技術の向上に努める
  • 難解なパズルの完成に努める
  • 問題解決に努めることにした。
  • コロナウイルスの予防に努める
  • 絶対に泣くまいと努める

 

「努める」の「努」という字の原義は、「粘り強く力を入れること」です。

したがって、「力を尽くして働く」「一生懸命に物事を行う」などの意味を表すことになります。熟語だと「努力」という言葉が意味としては最も近いです。

努力する内容は何でもよく、その目的も何でも構いません。自分のためであったり会社のためであったり、力を尽くして努力する事であればそれは「努めること」だと言えます。

【努めるの類語】⇒「頑張る・励む・精を出す・努力する・奮闘する・一生懸命行う

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勤めるの意味・例文

 

次に、「勤める」の意味です。

【勤める(つとめる】

職に就く。官庁・会社などで職員として働く。勤務する。「商社に―・める」「検査技師として病院に―・める」

仏道に励む。勤行 (ごんぎょう)する。また、仏事を営む。「朝夕に―・める」「法事を―・める」

出典:デジタル大辞泉(小学館)

勤める」とは、「職に就く・勤務する」という意味です。簡単に言えば、「仕事につく」ということです。

その他、用例としては少ないですが、「仏道に励む・仏事を営む」などの意味もあります。

【勤めるの例文】

  • 大手の有名な企業に勤める
  • 春から建設会社に勤める予定だ。
  • 官庁に勤める役人として知られる。
  • 親戚の法事を勤めることとなった。
  • 彼は最近勤めに出ることが多い。
  • 職務質問を受け、勤め先を調べられた。

 

「勤める」の「」という字は、「こまめに働く」「精を出す」「勤(いそ)しむ」などが原義で、「勤務・勤怠・勤勉・勤労・勤続」などの熟語として用いられています。

さらに、「勤務する」「職務に従事する」という意味で、「出勤・欠勤・通勤・皆勤・夜勤」などの熟語としても用いられています。

すなわち、会社などに雇われて仕事を行う時に、「勤める」を使うのが本来の使い方ということです。

 

この仕事というのは、必ずしも会社である必要はありません。国の管轄にある官公庁や公的な団体などの仕事に就くことも、「勤める」と言います。

ただ、自分から自発的に行う仕事、例えば、自営業者などの仕事に就くことは「勤める」とは言いません。あくまで、雇用関係を前提とした労働と対価を元に報酬をもらうような仕事をする際に「勤める」を使います。

【勤めるの類語】⇒「勤務する・就労する・労働する・仕える・在勤する

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務めるの意味・例文

 

最後は、「務める」の意味です。

【務める(つとめる】

ある役割や任務を引き受けて、その仕事をする。「代理人を―・める」「主役を―・める」「相棒を―・める」

出典:デジタル大辞泉(小学館)

務める」とは、「ある役割や任務を引き受けて、その仕事をする」という意味です。

【務めるの例文】

  • テレビ番組の司会を務める
  • 結婚式の進行役を務める
  • 主婦を務めるのは大変である。
  • プロ野球選手の代理人を務める
  • キャプテンを務めることになった。
  • 彼はチームのリーダーを務める人物だ。

 

「務める」の「務」という字は「困難を克服しようと力を入れること」が原義で、「自分が引き受けた役目を行うこと」という意味があります。

この意味を表した熟語としては、「政務・公務・国務・事務・業務・任務」などが挙げられます。

つまり、「務める」というのは同じ仕事でも、「与えられた任務や役割を果たすための仕事に対して使う」ということです。

「務める」は、先ほど紹介した「勤める」のように、職場の仕事に対して使うようなことはありません。あくまで、引き受けた立場の役割を果たすような時に使います。

【務めるの類語】⇒「引き受ける・請け負う・果たす・まっとうする

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努める・勤める・務めるの使い分け

努める 勤める 務める 使い分け

 

以上の事から考えますと、それぞれの使い分けは次のように定義することができます。

努める」=努力したり力を尽くしたりするときに使う。

勤める」=会社や官庁などで働くときに使う。

務める」=役割や任務を引き受けるときに使う。

 

この内、「勤める」と「務める」は多くの人が混同しやすいので注意が必要です。「勤める」は、会社や官庁などの職場に対して使われる言葉です。対して、「務める」の方は職場ではなく、その時々の状況で与えられる役割に対して使われる言葉となります。

両者は「勤務」という言葉もあるようにお互いが似たような意味ですが、「勤」は「勤務」、「務」は「任務」としての意味を持っています。したがって、実際に勤務するような時は「務める」を、任務を引き受けるような時は「務める」を使うのです。

 

なお、全く同じ読み方で「勉(つと)める」がありますが、「勉める」とは「努力する・頑張る」などの意味です。

【勉めるの例文】

  • 接客のサービスに勉める
  • サッカーの練習に勉める
  • 今回の問題解決に勉める
  • 泣かないようにと勉める
  • 滝行で精神修養に勉める

 

例文を見ても分かるように、「勉める」と「努める」はほとんど同じ意味の使い方です。そのため、「勉める」=「努める」だと考えても問題ありません。

ただ、「勉める」の方はこの読み方が常用漢字表の中に含まれていません。したがって、受験や漢字検定などには使われない表記です。一般に使う際には「勉める」ではなく「努める」の方を使うことを推奨します。

本記事のまとめ

 

以上、本記事のまとめです。

努める」=精を出して仕事をする・努力して物事を行う

勤める」=(会社などの)職に就く。勤務する。

務める」=ある役割や任務を引き受けて、その仕事をする。

勉める」=「努める」と同義。表外読みなので、一般には使わない。

どれもよく使われている言葉ですが、元になった漢字の使い方をみれば違いがはっきりします。もしも迷った場合は、漢字本来の意味や熟語などを思い出してみて下さい。

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国語力アップ.com管理人

大学卒業後、国語の講師・添削員として就職。その後、WEBライターとして独立し、現在は主に言葉の意味について記事を執筆中。 【保有資格】⇒漢字検定1級・英語検定準1級・日本語能力検定1級など。

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