「きわめる」という言葉は、
3つの漢字が使われていますね。
「混雑を極める」
「学問を究める」
「困難を窮める」
上記の「きわめる」は、
一体どう使い分ければいいのでしょうか?
さっそく、確認していきましょう。
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極めるの意味
まずは、「極める」の意味からです。
【極める(きわめる)】
⇒限界・頂点に達すること。最上に至ること。
「極める」とは、
「これ以上ない状態まで進むこと」を意味します。
例えば、以下のような使い方です。
- 栄華を極める。
- 山頂を極める。
- 混雑を極める。
- ぜいたくを極める。
- 失礼極まりない態度。
※「栄華(えいが)」とは、権力や財力によって栄えることです。
「極める」の「極」は、
「極度」「極限」などの言葉があるように、
「頂上や限界地点まで達する様子」を表しています。
そして、一番上の頂点に限らず、
一番下の頂点に達するという意味も含んでいます。
したがって、「失礼極まりない」のように
悪い意味での度合いの大きさを表すような時にも使うのです。
究めるの意味
続いて、「究める」の意味です。
【究める(きわめる)】
①よく調べたり研究したりして、本質をつかむこと。
②物事を奥深い所まで明らかにすること。
「究める」とは、
「物事を深く突き詰めていくこと・明らかにすること」を意味します。
例えば、以下のような使い方です。
- 学問を究める。
- 真相を究める。
- 心理を究める。
- 経済学を究める。
- 技術を究める。
「究める」の「究」は、
「追究」「研究」「探究」などの言葉と同じ漢字です。
つまり、「究」という字は
「学問などを深く研究し、突き詰めていく」
という意味があるのです。
よって、
学問的・精神的なことを明らかにする時に、
「究める」を使うわけです。
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窮めるの意味
最後に、「窮める」の意味です。
【窮める(きわめる)】
①行き詰まること。
②突き詰めること。
「窮める」とは、
「物事が行き詰(づ)まること」を言います。
例えば、以下のような使い方です。
- 困難を窮める。
- 貧困を窮める。
- 進退窮まる。
※「進退窮まる」とは、
「困難な状態におちいること」だと考えて下さい。
「窮める」の「窮」は、
「困窮(こんきゅう)」「窮屈(きゅうくつ)」などの言葉からきています。
要するに、
「状況が行き詰まる様子」を表した言葉ということです。
一般的には、「窮める」は
ネガティブな意味で使うことが多いです。
ただし、
場合によっては「突き詰めること」
という良い意味で使うこともあります。
例えば、
「真理を窮める」のような使い方です。
この場合は、
「究める」の②の意味と同じだと考えて下さい。
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極める・究める・窮めるの違い
ここまでの内容を整理すると、
「極める」=これ以上ない状態まで進む。
「究める」=物事を深く突き詰めていく。明らかにする。
「窮める」=物事が行き詰まる。突き詰める。
ということでした。
それぞれの違いを簡単にまとめると、
「極める」=「極限・極度」の意味の場合に使う。
「究める」=「追究・探究」の意味の場合に使う。
「窮める」=「困窮・窮屈」の意味の場合に使う。
となります。
基本的には、
上記のような理解で問題ありません。
ただし、「窮める」に関しては、
「真理を窮める」「学を窮める」のように使うこともあります。
この場合は、「極める」「窮める」の
両方とも使えるので注意しましょう。
ちなみに、3つの使い分けをもっと簡単に言うと、
「学問的・精神的な意味で使うかどうか」と覚えてもよいです。
「究める」は、基本的に
学問的・精神的なものを対象にします。
一方で、「極める」や「窮める」は、
「何かを追究したり、本質を明らかにしていく」という意味はありません。
したがって、
「究める」⇒学問的・精神的なもの。
「極める・窮める」⇒それ以外。
と覚えれば区別しやすくなるということです。
まとめ
以上、今回の内容をまとめると
「極める」=これ以上ない状態まで進む。(極限・極度のイメージ)
「究める」=物事を深く突き詰めていく。明らかにする。(追究・探究のイメージ)
「窮める」=物事が行き詰まる。突き詰める。(困窮・窮屈のイメージ)
ということでした。
「究める」のみ学問的・精神的なものに使うので、
そこは忘れずに覚えておくとよいでしょう。
では今回は以上です。
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国語力アップ.com管理人
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