奇々怪々 意味 使い方 例文 類語 英語 語源 由来

「奇々怪々」という四字熟語をご存知でしょうか?

別の漢字だと「奇奇怪怪」とも書き、普段の文章の中でよく目にするものです。また、漫画やアニメ、小説などの架空の世界でも用いられることがあります。

本記事では、そんな「奇々怪々」の意味や語源、例文、類義語などを詳しく解説しました。

奇々怪々の意味・読み方

 

最初に、基本的な意味と読み方を紹介します。

【奇奇怪怪(ききかいかい)】

常識では理解できない不思議なさま。非常に怪しく不思議なさま。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

奇々怪々」は、「ききかいかい」と読みます。辞書の表記だと「奇奇怪怪」とありますが、どちらを使っても意味と読み方は同じだと考えて問題ありません。

奇々怪々」とは「常識では理解できないほど不思議なさま・非常に怪しく不思議なさま」などを表した言葉です。

例えば、誰もいない部屋なのに勝手にとびらのドアが開いたりする現象などは「奇々怪々」だと言えます。また、部屋に置いている人形の位置が、知らない間に勝手に動いていたりすることなども「奇々怪々」です。

このように、普通では考えられないほど不思議な様子、怪しい様子を表した言葉が「奇々怪々」ということです。よく言われるような心霊現象などは、まさにこの四字熟語の本来の意味を表したものだと言えるでしょう。

奇々怪々の語源・由来

 

「奇々怪々」は、「奇々」と「怪々」が合わさってできた四字熟語です。

まず「」という字は「奇妙」「奇行」などの熟語があるように、「あやしい・不思議な」という意味があります。

そして、「」という字は「怪談」「怪盗」などの熟語があるように「あやしい・信用できない・不思議な」という意味があります。

つまり、どちらも似たような意味を持った漢字ということです。似たような意味の語を合わせることにより、「非常に不思議な様子・きわめてあやしい様子」を表した四字熟語ということになります。

実際に、「奇怪」という言葉もあるように両者を組み合わせた熟語も存在します。そういう意味では、「奇怪」を分けて繰り返し、意味を強めた四字熟語が「奇々怪々」とも言うことができます。

なお、「奇々怪々」という言葉自体は、中国唐代の文人韓愈による「送窮文」が元々の出典です。

奇々怪々の類義語

奇々怪々 類義語 言い換え 対義語

「奇々怪々」の「類義語」は以下の通りです。

奇奇妙妙(ききみょうみょう)】⇒きわめて奇妙なこと。また、そのさま。「奇妙」のそれぞれの字を重ねて意味を強めた語。
奇怪千万(きかいせんばん)】⇒普通では考えられないほど不思議なさま。また、ひどくけしからぬこと。「せんばん」とは「程度が甚だしいこと」を表す。
奇絶怪絶(きぜつかいぜつ)】⇒きわめて奇怪なこと。この上なく珍奇なさま。「奇絶」とは「きわめて珍しいさま」、「怪絶」とは「きわめて怪しいさま」を表す。
奇想天外(きそうてんがい)】⇒思いもよらない奇抜な考えや発想。「奇想」は「奇抜な考えや思いつき」、「天外」は「はるかかなたの空の意」を表す。
不可思議(ふかしぎ)】⇒常識では考えられないこと。異様なこと。元は仏教用語で「不思議」は「不可思議」の略。

「奇々怪々」と似た言葉はいくつかありますが、いずれもそこまで多く使われるものではありません。普段の文章では、「奇々怪々」を使うことの方が多いです。

この中だと、「奇想天外」「不可思議」などは比較的使われる方だと言えます。四字熟語以外だと、「奇妙」「怪異」「不気味」なども類義語に含まれるでしょう。

奇々怪々の対義語

 

「奇々怪々」の「対義語」としては、次のような言葉が挙げられます。

平平凡凡 (へいへいぼんぼん)】⇒普通の人と同じで、特に優れた点や変わった点がないこと。平々凡々。「平凡」とは「特にこれといった優れた点がないこと」を表す。
尋常一様(じんじょういちよう)】 ⇒ごく当たり前で、他と特に変わらないさま。「尋常」とは「特別でなく、普通であること」、「一様」とは「すべて同じであるさま」を表す。
平穏無事(へいおんぶじ)】⇒特に変わったこともなく、穏やかなさま。「平穏」は「穏やか」、「無事」は「変わったことのないこと」を表す。

こちらは主に「変わったことがないさま」を表した四字熟語です。何も不思議な点や怪しい箇所などがない様子であれば、それは反対語だと言えます。

奇々怪々の英語訳

 

「奇々怪々」は、英語だと次のような言い方があります。

  • very strange」(奇妙な)
  • very mysterious」(謎めいた)
  • inscrutable」(不可解な)
  • amazing」(驚くべき)

「strange」は「変な・不思議な・奇妙な」、「mysterious」は「怪しげな・神秘的な」などの意味を持つ単語です。それぞれ、前に「very」を付けることにより「非常に奇妙なさま」を表す意味として使うことができます。

また、「inscrutable」は「不可解なさま・謎めいたさま」、最後の「amazing」は「驚くべきさま・びっくりするさま」を表す単語です。

例文だと、それぞれ次のような言い方となります。

It was a very strange sight.(それはとても奇妙な光景でした。)

He witnessed a very mysterious incident.(彼はとても不可思議な事件を目撃した。)

It was an inscrutable mystery.(それは不可解な謎でした。)

Yesterday I saw an amazing phenomenon in my room.(昨日、私は部屋で驚くべき現象を目にしました。)

奇々怪々の使い方・例文

 

最後に、「奇々怪々」の使い方を例文で紹介しておきます。

  1. 世の中には、奇々怪々な出来事が数多くある。未だ謎のままである都市伝説などはまさにそうだろう。
  2. 子供の頃、奇々怪々な怖い話を父親から聞かされたことがあります。私にとってそれは今でもトラウマです。
  3. 彼女は奇々怪々で予測できないような行動をすることがあるね。心配だから注視しておいた方がいいよ。
  4. ゲームにはRPG、アクションなど様々なジャンルがあるが、奇々怪々なホラーゲームも一部の人にっては人気がある。
  5. 最近、新しい映画をみたけどなんか奇々怪々なエンディングだったよ。どういう意図があったのか結局よく分からなかったね。
  6. 彼はごく普通のサラリーマンで、金銭トラブルもなく家庭円満だ。でも、一か月以上も行方知らずだなんで奇々怪々だよ。
  7. ついこの間まであらゆる政策に対立していた彼らが連立政権を作るとは、政治の世界はよく分からないね。まさに奇々怪々だよ。

 

「奇々怪々」は、日常生活の中で極めて不思議だと感じられる出来事を表す際に使う四字熟語です。私たちにとって身近なものであれば、怖い話や怖いゲームなどが分かりやすいかと思われます。

また、人の性格や行動の性質などを表すような時に使われることもあります。この場合は、周囲にとって理解できないようなその人の行動、読みにくい性格などを表す際に使われます。

ただ、日常的な用法では、冗談半分の軽いニュアンスを含む誇張表現となることもあります。必ずしも、ホラー映画のような怖い話に限定されて使われる言葉というわけではありません。

まとめ

 

以上、本記事のまとめです。

奇々怪々」=常識では理解できないほど不思議なさま・非常に怪しく不思議なさま。

語源・由来」=「あやしい・不思議な」という意味の語を合わせたことから。

類義語」=「奇奇妙妙・奇怪千万・奇絶怪絶・奇想天外・不可思議」

対義語」=「平平凡凡・尋常一様・平穏無事」

英語訳」=「very strange」「very mysterious」「inscrutable」「amazing」

私たちが住んでいるこの世界は、だいぶ科学が発達してきています。しかし、それでも常識では説明できないほど不思議な現象が起こることは多々あります。そんな時に「奇々怪々」を用いるのが、本来の正しい使い方だと言えるでしょう。