国語の文法で、「感動詞」を学びます。ただ、この「感動詞」というのは種類が多いため理解しにくいと感じる人も多いです。
そこで今回は、「感動詞」の意味や種類・一覧などをわかりやすく解説しました。
感動詞の意味
「感動詞」とは「感動・呼びかけ・応答などを表す語」のことです。
「感動」とは文字通り「心を動かされて感じたこと」を意味します。
【例】⇒おお、すばらしい。
次に、「呼びかけ」とは「相手に話しかけること」を言います。
【例】⇒やあ、しばらくだね。
そして、「応答」とは「相手に対して返事をすること」を言います
【例】⇒うん。朝ごはんは食べたよ。
赤字の部分がすべて「感動詞」です。つまり、これらのセリフのような言葉を「感動詞」と言うわけです。
「感動詞」は、次の2つの特徴があります。
①自立語で活用しない。
②文頭に来ることが多い。
まず、「感動詞」は「自立語」です。「自立語」とは「それだけで意味が分かる語」のことを指します。
言いかえれば、単独で一つの文節になることができるのが「感動詞」ということです。
また、活用しないのも大きな特徴です。「活用」とは「単語の後ろの形(語尾)が変化すること」を意味します。
つまり、前後の言葉が何であろうが一切語尾が変わらないのが「感動詞」ということです。
そして、もう一つは「文頭に来ることが多い」ということです。「感動詞」は、文の頭に来ることが多いです。
- おお、そうだった。
- はい、わかりました。
- もしもし、どなたでしょうか?
ただし、当然例外はあります。例えば、以下のような文です。
- 投げるよ、ほら。
このように、まれに後ろにつくこともありますが、基本は文頭に来る語と考えて問題ありません。
感動詞の種類・一覧
「感動詞」は、厳密に言うと全部で5種類あります。
すでに説明した、「感動・呼びかけ・応答」も合わせて確認しておきましょう。
①感動
⇒驚き・喜び・悲しみ・怒り・疑いなどを表す。
「ああ あれ おお ほら おや まあ えっ」など。
②呼びかけ
⇒相手に話すなど誘いの気持ちを表す。
「やあ おい こら それ ねえ もしもし やい さあ」など。
③応答
⇒相手に対して返事や答えをする。
「はい いいえ うん いや ああ ええ」など。
④あいさつ
⇒相手に対してあいさつをする。
「こんにちわ・こんばんわ・おはよう・さようなら」など。
⑤かけ声
⇒勢いをつけたり、調子をとったりする。
「そら・よいしょ・どっこいしょ・ほいきた」など。
以上が、感動詞の種類となります。共通しているのは、「発言やセリフなどを表す」ということです。
基本的には、「感動詞」はどれもその人の口から発した言葉となります。
なお、「感動詞」と似たような言葉で「感嘆詞(かんたんし)」があります。
「感嘆詞」と「感動詞」はほぼ同じ意味だと考えて問題ありません。
※「感嘆」とは「感心してほめたたえること。感じ入ること」という意味です。
感動詞の例題
では、これまでの内容を理解できたか問題を解いてみましょう。以下に、簡単な問題を用意しました。
①「感動詞」は、「感動」「応答」【(ア)名前(イ)動作(ウ)指示(エ)呼びかけ】などを表す。
②「感動詞」は【(ア)自立語(ウ)付属語】で、【(ア)活用する(イ)活用しない。】
③感動詞は、【(ア)文頭(イ)文末】に来ることが多い。
①⇒(エ)②⇒(ア)・(イ)③⇒(ア)
次の下線部の「感動詞」の種類を下の項目の中から選びなさい。
①おはよう。今日もよろしく。
②やあ、これは珍しいね。
③えっ、休むの?
④違います、はい。
⑤ほいきた、当たりだよ。
【感動・呼びかけ・応答・あいさつ・かけ声】
①⇒おはよう(あいさつ)
②⇒やあ(呼びかけ)
③⇒えっ(感動)
④⇒はい(応答)
⑤⇒ほいきた(かけ声)
次の文中から「感動詞」を抜き出し、その種類も答えなさい。
①さあ、時間がきましたよ。
②おや、どうしたのですか。
③森さん、こんにちわ。どこへ行くの?
④いや、驚いたよ。
⑤ええ、落ちましたよ。
①⇒さあ(呼びかけ)
②⇒おや(感動)
③⇒こんにちわ(あいさつ)
④⇒いや(感動)
⑤⇒ええ(応答)
補足すると、「いや」のように「返答」と「感動」の両方を表す感動詞もあります。一つの感動詞が、複数の意味として使われる場合もあるので注意しましょう。
まとめ
以上、本記事のまとめとなります。
「感動詞」=感動・呼びかけ・応答などを表す語。
「特徴」=①自立語で活用しない。②文頭に来ることが多い。
「種類」=「感動・呼びかけ・応答・あいさつ・かけ声」の5種類。
「感動詞」は一見簡単そうに見えますが、実はセリフの種類が豊富です。そのため、問題を解きながらどの種類に当てはまるのかを覚えていくようにしましょう。