今回は、
「表示」と「標示」
の違いを解説していきます。
「ひょうじ」という言葉は、
2通りの言い方がありますね。
「成分をひょうじする」「指示ひょうじ」
これらの「ひょうじ」は、
どう使い分ければいいのでしょうか?
さっそく、確認していきましょう。
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表示の意味
まずは、「表示」の意味からです。
【表示(ひょうじ)】
①はっきりと表し示すこと。
②図表にして示すこと。
③きざし。兆候。
出典:デジタル大辞泉(小学館)
「表示」とは、簡単に言うと
「外部に表し示すこと」を意味します。
「示す」とは、
「何らかの方法によって相手へ伝える」という意味だと思ってください。
一般的には、
「文字や記号などを使って相手に伝えること」を指すことが多いです。
例えば、以下のような使い方です。
食品の裏面に、原材料を表示する。
スーパーやコンビニの食品には、
必ず原材料が書かれていますよね。
その理由は、文字などを使い、
商品の中身が分かるように外部へ示すためです。
このように、
何らかの情報を使い、外部へ表し示すことを
「表示」と言うわけです。
補足すると、
「表示」には「図表にして示すこと」「兆候」などの意味もあります。
この意味で使われることは少ないですが、念のため覚えておきましょう。
標示の意味
続いて、「標示」の意味です。
【標示(ひょうじ)】
⇒目印になるもので人にあらわし示すこと。また、その目印の文字・記号・絵など。
出典:デジタル大辞泉(小学館)
「標示」とは、
「目印によって、外部に表し示すこと」を言います。
また、単に「その目印自体」を指すこともあります。
「目印」とは、
「マークやサインのこと」ですね。
使い方としては、以下の通りです。
安全のために、道路標示をしっかりと確認する。
「標示」は、主に道路や地面に対して使われます。
道路には、
「通行禁止」や「止まれ!」
などのマークがたくさんありますよね?
あなたも道を歩いていたら、
アスファルトの下や道の曲がり角などに様々なマークを
発見したことがあるかと思います。
このようなマークのことを、
「標示」と呼ぶわけです。
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表示と標示の違い
ここまでの内容を整理すると、
「表示」=外部に表し示すこと。
「標示」=目印によって、外部に表し示すこと。目印。
ということでした。
両者の違いを簡単に言うと、
「表す範囲の大きさ」となります。
「表示」は、文字や目印・線・ランプなど、
あらゆる方法によって外部に表す場合に使います。
したがって、
表す範囲としては大きいです。
一方で、
「標示」は「目印をつける」
という限定された方法でしか使いません。
したがって、
表す範囲としては小さいのです。
つまり、
「表示は標示を含んだ言葉」ということですね。
もっと簡単に言うと、
「標示」の方は「道路に関係する場合のみ使う」
と覚えてもらっても構いません。
「標示」は、道路交通法の条文によく出てきます。
- 道路標示
- 規制標示
- 指示標示
- 標示板
これらの「標示」は、
ペンキや鋲(びょう)によって作成されたものです。
意味としては、
「通行の許可・禁止」「通行の開始・終了」などがあります。
このような道路の注意書きのマークに対して、
「標示」を使うわけですね。
まとめると、
「表示」=あらゆる方法によって表す場合に使う。
「標示」=目印によって表す場合のみ使う。(道路に関係する時)
となります。
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使い方・例文
では最後に、それぞれの使い方を
例文で確認しておきましょう。
【表示の使い方】
- おにぎりの裏側の表示を見て、カロリーを確認する。
- 君たちには、もう少し意思表示をしてもらいたい。
- パソコンに表示されたパスワードをメモしておく。
- エレベーターの表示ランプが故障しているようだ。
- 表示圏外からの着信が来たので、拒否する。
【表示の使い方】
- 運転免許をとるために、規制標示の意味を覚える。
- 見通しの悪いカーブなため、道路標示があって助かった。
- その道路は工事中であったため、標示板が置かれていた。
- 新しく道路が新設されたため、路面標示の工事を行う。
- 標示杭の位置を確認してから、道路工事を始める。
「表示」の方は、日常生活からビジネスまで
様々な場面で使われていることが分かるかと思います。
対して、「標示」の方は
道路や土木に関連する場面限定での使い方ですね。
似たような言葉ですが、
使われる場面は全く異なりますので注意してください。
ちなみに、
似たような言葉として
「表記」と「標記」があります。
こちらの意味も混同しやすいため、
以下の記事を確認しておきましょう。
まとめ
以上、今回の内容をまとめると、
「表示」=(あらゆる方法によって)外部に表し示すこと。
「標示」=(目印によって)外部に表し示すこと。(道路に関係する時)
ということでした。
一般的には、広い意味の「表示」をよく使います。
そのため、
「標示」の方は限定的に使うと覚えておきましょう。
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国語力アップ.com管理人
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