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言質を取る意味 例文 使い方 類語

 

ビジネスでの交渉事・約束事などに使う慣用句があります。

一般的には、
言質を取る」「言質を与える」などと言いますね。

「何となく聞いたことがある」という人も多いかもしれません。

ただ、具体的な使い方や由来まで
知っている人は少ないのではないでしょうか?

そこで今回は、
この「言質を取る」について詳しく解説しました。

さっそく、確認していきましょう。

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言質を取るの意味・読み方

 

まず、この言葉の意味を調べると、
次のように書かれています。

【言質を取る(げんちをとる)】

交渉事などで、後で証拠となるような言葉を相手から引き出すこと。

出典:三省堂 大辞林

言質(げんち)を取る」とは、
交渉事などで、相手から証拠となる言葉を引き出すこと」を意味します。

後で詳しく説明しますが、
「言質」とは、「証拠となる言葉のこと」だと思ってください。

 

使い方としては、以下の通りです。

不動産営業マンの彼は、お客から「3000万円なら買う」という言質を取った

この場合は、営業マンが
「お客が発した言葉の証拠をしっかりと押さえ、価格交渉をまとめた」という意味ですね。

不動産のような高額な商品は、
「言った、言わない」となると後々面倒なことになります。

それを防ぐためにも、
「ちゃんといくらで買う」という言質をあらかじめとっておくわけです。

 

また、場合によっては
次のような使い方をすることもあります。

その政治家は、記者から言質を取られないように発言だけは十分気をつけた。

この場合はつまり、
「政治家が失言しないように気を付けた」という意味ですね。

政治家というのは、少しでも失言をすると、
大きなニュースになってしまいます。

場合によっては、
自分の発した一言で職を失ってしまう可能性すらあるでしょう。

そうならないためにも、
言葉の証拠を取られないように気を付けるわけです。

 

このように、「言質」は、
「言質を取る人」と「言質を取らせない人」のどちらも対象とする言葉だと考えて下さい。

なお、よくある読み間違えとして、
「言質」を「げんしつ」や「げんしち」と
と読んでしまう人がいますので注意しましょう。

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言質を取るの語源

言質を取る 語源

 

次に、この言葉の語源を確認していきます。

 

まず、「言質」の「」は、
「言葉」の「」からきています。

これは、「話し言葉」や「書き言葉」などを表す漢字ですね。

そして、「」は
貝+斦(ぎん)」から成り立つ象形文字です。

注目すべきは、「」という字です。

「貝がら」というのは、昔は物々交換のアイテムとして使われ、
硬貨や紙幣などお金の代わりを担っていました。

そのため、今でもお金に関する漢字には、
「貝」という字が使われているのです。

(例)⇒貨幣・買・貯金など。

 

なので、この場合の「貝」はお金を表していると考えて下さい。

 

そして、右側の「」は、
割符(わりふ)」を意味します。

「割符」とは、文字やしるしなどを木片に書き、それを2つに割ったものです。

2つに割ったものを別々に所有しておき、
後から合わせて契約や確認の証拠としました。

 

転じて、「斦」という字は、
契約の証拠として相手に預けるもの」を意味するようになったのです。

 

ここからまた戻り、「質」の本来の意味を考えると、
」=「お金を契約の証拠として相手に預けること」という意味になります。

この「質」に「言葉」を表す「言」を加えることで、
言質」=「(お金と同じくらい大切な)証拠として話した言葉」となるわけです。

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言質を取るの類語

言質を取る 使い方

 

続いて、「言質を取る」の「類語」も
確認していきましょう。

【証拠を引き出す】

事実となる根拠を引き出す。

【発言を引き出す】

言いたいことを言わせる。

【誓約させる】

固く誓わせる。

【確約をとる】

はっきりと約束する。

以上、4つの「類語」を紹介しました。

「相手の言葉を引き出す」「相手に約束をさせる」
といった意味の言葉が類語となりますね。

また、「言質を取る」以外にも

  • 言質を得る
  • 言質を引き出す

などの言い方もあります。

意味としては全く同じなので、この機会に覚えておきましょう。

言質を取るの英語訳

 

続いて、英語訳です。

「言質を取る」は英語だと次のように言います。

 

make somebody promise

 

直訳すると、「誰かに約束をさせる」ということです。

「promise」は「約束する」という意味です。

これに「~させる」という強制の意味を持つ
「make」をつけることで「~を約束させる」という意味になります。

 

例文だと、以下のような形です。

Please make him promise till tomorrow.
(明日までには彼に言質を取るようにしてください。)

補足すると、口約束の場合は「promise」ですが、
契約書などの紙を使った約束の場合は「contract」を使います。

アメリカは日本よりも契約社会の国なので、
ビジネスで使うような場合は「contract」を使うことの方が多いですね。

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言質を取るの使い方・例文

 

では、最後に「言質を取る」の使い方を
例文で確認しておきましょう。

 

  1. 取引先から、「コピー機を購入する」という言質を取った
  2. いくらなら買ってくれるのか、早くお客から言質を取る方がいいよ。
  3. マスコミから言質を取られないように、十分注意してください。
  4. 交渉事では、言質を取られるような発言は控えるべきだ。
  5. 彼女から、「来週の15日は遊べる」という言質を取った
  6. メール文で言質を取られてしまったので、やりにくい状況になった。

 

例文を見ても分かるように、
「言質を取る」は基本は人と人との交渉事に使います。

特に、ビジネスでの交渉事が多いですね。

「言質を取る側」としては、
交渉の流れを有利に進めるような時に使います。

逆に、「言質を取られる側」としては
不用意な発言をしないように気を付けるような時に使います。

どちらも自分の利益を守るために、
慎重に交渉を進めるようなイメージです。

 

ちなみに、この慣用句はビジネス以外では
恋愛などに使うこともあるようです。

例文だと5が当てはまりますね。

この場合は、相手の気持ちを確かめたり、
本音を探ったりするような時に使います。

いずれにせよ、証拠となるような言葉を
引き出したい時に「言質」を取るわけですね。

関連:>>折り合いをつけるの意味とは?例文や類語・語源を解説

まとめ

 

では、今回のまとめです。

 

言質を取る」=相手から証拠の言葉を引き出すこと。

語源」=「(お金と同じくらい大切な)証拠として話した言葉」だから。

類語」=「証拠を引き出す・発言を引き出す・誓約させる・確約をとる」など。

英語」=「make somebody promise」

 

言質を取ることは、ビジネスマンにとって特に重要です。

ビジネスは「言質」によって動いている
といっても過言ではないですからね。

この記事を読んで、
ぜひ正しい使い方を覚えていただければと思います。

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国語力アップ.com管理人

大学卒業後、国語の講師・添削員として就職。その後、WEBライターとして独立し、現在は主に言葉の意味について記事を執筆中。 【保有資格】⇒漢字検定1級・英語検定準1級・日本語能力検定1級など。

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