原点回帰 意味 使い方 例文 類語 英語 「原点回帰」と呼ばれる四字熟語があります。

名言やスローガンなどに使われており、「原点回帰する」などのように用います。最近ではビジネスでもよく使われているようです。

ただ、具体的な使い方が分かりにくい四字熟語であります。そこで本記事では、「原点回帰」の意味や使い方、類語・対義語などを詳しく解説しました。

原点回帰の意味・読み方

 

最初に、基本的な意味と読み方を紹介します。

【原点回帰(げんてんかいき)】

物事の出発点に帰ること。基本に戻ること。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

原点回帰」は「げんてんかいき」と読みます。

意味は、「物事の出発点に帰ること・基本に戻ること」です。

例えば、学校の成績が伸び悩んでいる生徒がいたとします。

そこで、今学んでいる内容を勉強するのではなく、最初の方に学んだ基礎的な内容を勉強し直すことにしました。中学三年生であれば中学一年生の内容を学び直すようなことです。

このような行動は、基本に戻り物事の出発点に帰ることだと言えます。よって、「原点回帰」と呼べるのです。

他にはスポーツ選手が、最初に練習を始めた時の基礎的な練習に戻ること、音楽の歌手が基礎的な発声練習に戻って練習し直すことなども「原点回帰」と呼べます。

つまり、「原点回帰」とは物事を始めた時の基本に戻ることを表す四字熟語ということです。

原点回帰の語源・由来

 

「原点回帰」は、「原点」と「回帰」から成る四字熟語です。

まず「原点」の「」は、「原因」「原野」などの言葉があるように「はじめ・もと」という意味があります。よって、この場合の「原点」とは「出発点」のことを指しています。

そして、「回帰」は「回って帰る」と書きます。言いかえれば、「どこかをめぐって帰ってくる」ということです。

以上の説明から考えますと、「原点回帰」とは「どこかをめぐってから、出発点に帰ってくる」という意味である事が分かります。つまり、ただ単に帰るのではなく「何か経験や体験をしてから帰る」ということです。

この時の経験は、基本的に失敗や苦労などが多いです。失敗や苦労をしたので、「もう一度元の基本からやり直す」という意味を込めて出発点に戻るわけです。

原点回帰の類義語

原点回帰 類義語 言い換え続いて、「原点回帰」の「類義語」を紹介していきます。

体質改善(たいしつかいぜん)】⇒新しい状況に対応する組織に変えること。
方向転換(ほうこうてんかん)】⇒今後の方針や進む向きを変えること。
伝統回帰(でんとうかいき)】⇒伝統に戻り、基本や基礎に立ち返ること。

四字熟語で似ている言葉というのはそこまで多くありません。

ことわざや慣用句では、「初心忘るべからず 」なども類義語に含まれます。「初心忘るべからず」とは、「始めた頃の純粋で素直な気持ちを忘れるべきではない」という意味のことわざです。

その他、一般的な語だと「変革」「改革」「改善」「再出発」「新生」なども類義語と呼べるでしょう。

原点回帰の対義語

 

「原点回帰」の「対義語」と呼べるものはありません。

「原点回帰」は「出発点に戻る」という意味でしたが、逆に「出発点に戻らない」という言葉は存在しません。そのため、反対語に関しては特に意識する必要はないです。

しいて挙げるならば、「猪突猛進」などは反対語に近い意味だと言えます。

「猪突猛進」とは「一つのことに向かって猛烈な勢いで突き進むこと」を表した四字熟語です。原点に返るどころか、そのまま突っ切って前に進むことなので、反対語に近い意味は持っています。

他には、「恐れずに勇敢に進む」という意味で「勇往邁進(ゆうおうまいしん)」などもありますが、こちらも厳密には対義語と呼べるものではありません。

原点回帰の英語訳

 

「原点回帰」は、英語だと次のような言い方があります。

①「return to the source

②「back to the basics

①の「return」は「戻る・帰る」、「source」は「源・出所」という意味です。合わせることで、「源(最初にいた場所)に戻る」という訳になります。

また、②の「basics」は「基礎」や「基本」を意味する単語です。「基礎に戻る」ので、同じく「原点回帰」と訳すことができます。

例文だと、それぞれ以下のような言い方です。

I will return to the source at first.(私は原点回帰するつもりです。)

He is going to back to the basics.(彼は原点回帰するつもりだ。)

なお、「原点回帰」は「フランス語」だと「Retour à l’origine」と言います。

原点回帰の使い方・例文

 

最後に、「原点回帰」の使い方を例文で紹介しておきます。

  1. 原点回帰を目指し、初心を忘れずに行動していくつもりです。
  2. 弊社の今年のスローガンは「原点回帰」に決まりました。
  3. 原点回帰して、当初働いていた現場に戻ることにしました。
  4. 彼女が悩んだ末にたどり着いた答えが、「原点回帰」であった。
  5. 仕事のモチベーションを保つために、原点回帰することにした。
  6. 皆で敗因を分析した結果、初心に返って原点回帰することにした。
  7. その投手は、原点回帰して入団当初の投球フォームに戻すことにした。

 

原点回帰は、例文のようにビジネスやスポーツにおいて使われることが多い四字熟語です。多くは物事に対する目標を設定して、一からモチベーションを高めるような時に使われます。

したがって、基本的には前向きな意味として使うと考えて問題ありません。主に、「上手く行っていた過去の頃を思い出す」そして「気持ちを新たに再び頑張る」といった場面で使われます。

物事の始まりは、大抵の人が忠実にそして丁寧に行っていることが多いです。ところが、時間が経って次第に慣れ始めると基礎の部分が疎かになったり根本的な内容が抜け落ちたりするようなことがよくあります。

そこで、「基礎をもう一度やり直す」「良い時の状態を思い出す」という意味も含めて「原点回帰」を使うということです。

まとめ

 

以上、本記事のまとめとなります。

原点回帰」=物事の出発点に帰ること・基本に戻ること。

語源・由来」=「どこかをめぐってから、出発点に帰ってくること」から。

類義語」=「体質改善・方向転換・伝統回帰」

英語訳」=「return to the source」「back to the basics」

人生というのは様々な困難がつきまといます。ビジネスやスポーツなど競争が求められる世界では特にそうでしょう。時には何が答えなのか分からなくなってしまうことも多いはずです。そんな時は、ふと立ち止まり「原点回帰」することがも大事なのかもしれません。