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堂に入る 意味 使い方 例文 語源

 

堂に入る」という慣用句をご存知ですか?

主に「彼の芝居は堂に入っているね!」といったように使われます。

「多分ほめているんだろうな」とまでは分かっても、
実際にどのような状態を指しているのかまでは分からないと思います。

普段はなかなか聞かない言葉ですからね。

この記事では、「堂に入る」の意味や読み方・使い方・類語などを
解説していきたいと思います。

さっそく、確認していきましょう。

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堂に入るの意味・読み方

 

まずは、基本的な意味と読み方です。

【堂に入る(どうにいる)】

学問や技術が奥深いところまで進んでいる。転じて、物事に習熟している。身についている。

出典: 三省堂 大辞林

堂に入る」は、「どうにいる」と読みます。

「どうにはいる」とは読まないので注意してください。

意味は、
学問や技術などに関して深く理解しており、それらが身についていること」を表します。

 

例えば、以下のように使います。

彼のプレゼンは堂に入ってるね。終始お客様がうんうんと頷いてたよ。

ビジネスでは、プレゼンテーションなどで相手へ伝える機会が多々あります。

しかし、ただ感情を前面に出して訴えているだけでは、
一方的に話を押し付けているだけになりかねません。

そうならないためにも、「他人への伝え方」といった技術に関して
深く理解して身に着けている ことが大事となってきます。

例文では、そういった相手へのプレゼン技術が
深い域に達しているということを説明しています。

このように、何かの技術が深い領域に達している時に
「堂に入る」と言うわけです。

堂に入るの語源

 

次に、この慣用句の語源を見ていきましょう。

堂に入る」は、
論語(中国の思想家、孔子とその弟子たちのやり取りをまとめた書物)」に出てくる、
堂に升りて室に入らず(どうにのぼりてしつにいらず)」というセリフが元となっています。

 

」とは中国の建物における「応接間」のことで、
」とは「奥の間」のことを指します。

応接間にのぼった程度では、建物の奥の様子はほとんど分かりません。

このことから、学問や技術に対してまだまだ道を究めていないことを
堂に升りて室に入らず」と言うようになったのです。

 

そして、現在使われている「堂に入る」は、
この「堂に升りて室に入らず」を肯定形にした
堂に入りて室に入る」を省略した言い方
です。

後半の「室に入る」というのは、先ほども説明したように
その道の奥義を究めた様子のことでした。

したがって、
「堂に入る(堂に入りて室に入る)=「学問や技術などを深く身につけている」
という現在の意味につながるわけです。

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堂に入るの類語

堂に入る 類語

 

続いて、「堂に入る」の類語を紹介します。

【様になる(さまになる)】

ふさわしい様子、格好になること。

「様」とは「ありさま」、「様子」のことです。

【板につく(いたにつく)】

経験を積んだことで、動作や態度が今の地位や職業にしっかりと当てはまっていること。

「板」とは舞台のことで、元々は役者の芸が舞台と調和していることを指していました。

【熟練する(じゅくれんする)】

経験を積んだことで、高度な技術や経験を持ち合わせていること。

「熟」も「練」も「慣れること」を意味しています。

【こなれる】

物事に熟練していて、思いのままに扱いこなせること。

「こなれる」は、漢字だと「熟れる」と書きます。

「熟」は、前述のとおり「慣れる」という意味です。

以上、4つの類語を紹介しました。

「堂に入る」は語源でお伝えした通り、
「上達していて、なおかつ道を究めていること」という意味が根底にあります。

したがって、
以下のような意味が類語となるわけです。

  • 多くの経験を積んでいる
  • 学問・技術を思いのままに扱える
  • 「(持っている経験や技術に対して)ふさわしい姿になっている

意味としては、
「十分な経験を積んでいたり、技術を思うままに扱いこなせる」
といった内容になりますね。

 

補足すると、
似たような言葉で「悦に入る(えつにいる)」がありますが、
こちらは「物事がうまく運び、満足して喜ぶ様子」という意味です。

「悦」は「喜び」を意味しており、それを心の中に「入れた」ままにしているので、
「ひとり心の中で喜びに浸っている状態」を表します。

堂に入るの英語

 

続いて、「英語訳」です。

「堂に入る」は「英語訳」だと以下のように言います。

 

be master of the art(その道の達人)」

be quite at home(板についている)」

 

「master」は「職人」、
「art」は「芸術」の他にも「技術」や「腕前」、「熟練」といった意味があります。

また、「quite」には「かなり」「非常に」、
「at home」には「精通している」という意味があります。

 

例文だと、以下のような言い方です。

The “phantom the opera” you act is a master of the art. (あなたが演じるオペラ座の怪人は堂に入ってるよ。)」

「be」の前には主語が入ったり、
「to be(~となる人だ)」が来ると覚えておきましょう。

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堂に入るの使い方・例文

 

では実際に、「堂に入る」の使い方を例文で確認しておきます。

 

  1. 彼の司会は堂に入ってるから安心して任せられるね。
  2. 俳優の堂に入った演技に、見てるこっちが息をのんでしまった。
  3. 質疑応答を聞くだけで、彼が研究者として堂に入っているのは明らかだった。
  4. あの人は堂に入った絵を描くけど、私生活はかなり荒れているんだよね。
  5. 堂に入ったバッティングフォームを見ても、彼がただのアマチュア選手じゃないのは確かだ。
  6. 社長に就任した際の堂に入ったスピーチは感動したけど、経営手腕はあまり評価できないね。

 

すでに説明した通り、「堂に入る」とは
「何かしらの知識・技術に関して深く理解しており、それが身についている状態」を表す言葉です。

そのため、基本は
相手を称賛する場面で使う慣用句だと考えてください。

学問や技術に限らず、知識や演技、立ち振る舞い、トーク力など
人が身につけられるものであれば何でも対象となります。

相手に対して感心したと時はぜひとも
「堂に入ってますね」といったように使ってみましょう。

ちなみに、用例としては
「堂に入った~」「~が堂に入ってる」などの言い方が多いです。 

関連:>>悦に入るとは?意味や例文・使い方も解説

まとめ

 

以上、内容を簡単にまとめると、

堂に入る」=何かしらの知識・技術に関して深く理解しており、それらが身についている状態。

語源」= 「論語」の「堂に升りて室に入らず」から。応接間にのぼった程度では、建物の奥の様子はほとんど分からないため。

類語」=「様になる・板につく・熟練する・こなれる」など。

英語」=「be master of the art」「be quite at home」

ということでした。

 

「堂に入る」は、学問や技術を称賛する言葉として便利です。

この記事をきっかけに、身の回りで「この人は堂に入っているな」
と思う人を見かけたらぜひ使ってみてはどうでしょうか。

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国語力アップ.com管理人

大学卒業後、国語の講師・添削員として就職。その後、WEBライターとして独立し、現在は主に言葉の意味について記事を執筆中。 【保有資格】⇒漢字検定1級・英語検定準1級・日本語能力検定1級など。

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