この記事の読了時間: 525

荼毘に付す 意味とは使い方読み方 由来 類語 英語 語源

 

荼毘に付す」という慣用句をご存知ですか?

見慣れない言葉なので、
初めて聞く人も多いかもしれませね。

ただ、実はこの言葉は葬儀の場面でよく使われるのです。

なので、社会人になれば必ず知っておきたい表現とも言えます。

今回は、
荼毘に付す」の意味や由来・使い方・類語などを解説しました。

さっそく、確認していきましょう。

荼毘に付すの意味・読み方

 

まずは、基本的な意味と読み方です。

【荼毘に付す(だびにふす)】

遺体を火葬することを意味する表現。「荼毘」とは、死体を焼き、残った骨を埋葬することを指す語である。 

出典:実用日本語表現辞典

荼毘に付す」は「だびにふす」と読みます。

「荼(だ)」という字は、
お茶の「茶」ではないことに注意してください。

 

意味としては、「遺体を火葬すること」を表します。

例えば、以下のような使い方です。

悲しみの内に、祖父は荼毘に付すこととなった。

上の例文では、
祖父の遺体が実際に「火葬された」ということを伝えています。

ただ単に「祖父を燃やしてきました」だと、
何となく機械的で冷たい印象にもなりかねません。

なので、この場合は「荼毘に付す」と言うことで、
遺体を火葬することを暗に丁寧に伝えているわけです。

 

「荼毘に付す」とはこのように、
遺体を燃やしたことを間接的に丁寧に伝える言い方」だと思ってください。

 

日本では、一般的に人が亡くなると、
「通夜」⇒「葬儀」⇒「告別式」という順番で進み、
最後の「告別式」の後に火葬場で遺体を燃やします。

この遺体を燃やす行為を、「荼毘に付す」と言うわけです。

荼毘に付すの語源・由来

 

荼毘に付す」は、
インドのパーリ語である「jhāpeti(ダヴィティ)」を由来とします。

「jhāpeti」はパーリ語で「燃やす」という意味です。

この「燃やすこと」の音訳が日本語だと「だび」と聞こえたため、
現在では「荼毘」が使われているのです。

つまり、「荼毘」という言葉は
聞いたままのインド語をそのまま当て字にした日本語ということですね。

当て字なので、「漢字の意味は特にない」ということになります。

ただし、どのような経緯で日本に入ってきたか?
ということは知っておく必要があります。

 

「jhāpeti」という言葉は、元々インドの仏教からきています。

仏教では、お釈迦様が亡くなったときに火葬を行いました。

それ以降、インドでは
「火葬」が正式な遺体の処理方法となっています。

そして、インドから日本に仏教が伝わった後も、
「遺体を火葬する」という伝統は受け継がれています。

つまり、この言葉の本来の使い方としては、
仏教以外の宗派には使わない」というのが正しいのです。

 

例えば、キリスト教徒が多い欧米人などが亡くなった場合には、
「荼毘に付す」とは言いません。

なぜなら、
キリスト教徒の人たちは火葬をするのではなく、
土葬をするのが主流だからです。

このように考えると、
火葬以外の方法で遺体を葬る場合は「荼毘に付す」
とは言わないことが分かるかと思います。

もしも火葬以外の場合だった時は、
「葬る」「埋葬する」など別の言い方をするようにしましょう。

 

ちなみに、「付す」という言葉は、
決定する」「措置をとる」などの意味があります。

なので、この場合は
「荼毘に付す」=「燃やす措置を取る」
と考えれば分かりやすいですね。

荼毘に付すの類語

荼毘に付す 類語 対義語

 

続いて、「荼毘に付す」の「類語」を紹介します。

【灰(はい)にする】

遺体を燃やすこと。

遺体を焼いて灰にすることから。

【骨(ほね)にする】

遺体を燃やすこと。

遺体を焼いて、骨のみにすることから。

【天にのぼる】

天国へ行くこと。

「天」とは「天国」、すなわち「あの世の世界」を指します。

【旅立つ】

亡くなること。死ぬこと。

以上、4つの類語を紹介しました。

基本的には、
遺体を燃やすこと」を意味する言葉が類語となりますね。

そこから派生して、
「亡くなること」を表した言葉で言い換える場合もあります。

 

逆に、「対義語」としては、
以下のような言葉が挙げられます。

【息を繋ぐ(いきをつなぐ)】

生きること。死なずに生きながらえること。

こちらは「死ぬこと」の「反対語」、
すなわち「生きること」を表した言葉となりますね。

荼毘に付すの英語

 

続いて、英語訳です。

「荼毘に付す」は英語だと次の2つの言い方があります。

 

①「cremation(火葬)」

②「cremate(火葬する)」

 

英語圏は基本的にキリスト教の文化なので、
仏教由来の「荼毘」を正確に表す単語は残念ながらありません。

したがって、
この場合は「火葬」を意味する単語を使うことになります。

①は「名詞」②は「動詞」として使うので、
状況に応じて使い分けるようにしてください。

 

例文だと、それぞれ以下のような言い方です。

She chose cremation over burial.(彼女は土葬よりも火葬を選んだ。)

I cremated my father four years ago. (私は4年前に父を亡くした。)

荼毘に付すの使い方・例文

 

では、最後に「荼毘に付す」の使い方を例文で確認しておきましょう。

 

  1. 彼女が荼毘に付すとき、参列者の多くが涙を流した。
  2. 新型コロナウイルスにより、A氏は遺族に見送られることなく荼毘に付した
  3. 荼毘に付した骨壺を、火葬場から遺族の元へ渡した。
  4. 遅かれ早かれ、人間や犬などの生物は荼毘に付することになる。
  5. 話し合いの結果、ペットの愛猫を荼毘に付すことを決めた。
  6. 長年ペットとして飼っていた犬が先日亡くなったが、今日、荼毘に付すことができました。

 

すでに説明した通り、「荼毘に付す」は、
「人の遺体を燃やすこと」を丁寧に表現した慣用句ということでした。

したがって、基本的には、
葬儀、告別式など人が亡くなった場面で使う言葉と考えて下さい。

ただし、場合によっては人間ではなく
ペットなどの「犬」に使うこともあります。

例文だと最後の文ですね。

最近では、「ペットも家族の一員」という風潮が強くなってきました。

以前までの日本ではなかった風潮ですが、
最近では当たり前のこととも言えますね。

時代と共に言葉の使い方も変化していくということでしょう。

関連:>>賽の河原の石積みとは?意味や場所・使い方を解説

関連:>>逝去の意味とは?使い方や例文・類語を解説

まとめ

 

以上、内容を簡単にまとめると、

荼毘(だび)に付す」=遺体を火葬すること

語源・由来」=「パーリ語のjhāpeti(ダヴィティ)”燃やすこと”」から。元は仏教用語。

類語」=「灰にする・骨にする・天にのぼる・旅立つ」など。

英語」=「cremation」「cremate」

ということでした。

 

「荼毘に付す」は、人に死が訪れる限り、
これからもずっと使われ続ける慣用句です。

今回の記事をきっかけに、ぜひ正しい使い方を心がけてみてください。

 

The following two tabs change content below.

国語力アップ.com管理人

大学卒業後、国語の講師・添削員として就職。その後、WEBライターとして独立し、現在は主に言葉の意味について記事を執筆中。 【保有資格】⇒漢字検定1級・英語検定準1級・日本語能力検定1級など。

最新記事 by 国語力アップ.com管理人 (全て見る)